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北海道旅行で再会して、神戸で買った「本」! 巡り合わせの不思議

【ミチユキのぷら〜り散歩・北海道旅行番外編】

これからの人生を考えるために、北海道特急乗り鉄の旅に出かけたわたし。ライターとしてやれることの可能性や、新しい価値観の発見などについて、列車に揺られながら、北海道の街を歩きながら、自分の中も見つめていた。
もう5年以上も前に、書店で手にして、いつか読もうと気になっていたが、次に行ったときにはなくなっていて、以来、読む機会がなかったこの本。再開したのは、この9月3日に出発した北海道旅行の4日目。上川から特急オホーツク1号に乗り、乗り着くために降りた北見市でのことだった。

9月8日

上川より大雪山系を望む


前日、稚内から特急に乗り継いで旭川を経由して上川で一泊し、午前8時半すぎに宿を出て駅まで歩いた。通りかかった公園で、大雪山の写真を撮る。車窓を通してのものとは違う鮮やかさだった。実は、上川から北見まで層雲峡を通っていく高速バスに乗るつもりだったが、そのルートでも結局は北見で2時間ほど時間待ちがある。ただ、それで行くと宿泊地の川湯温泉には18時の到着になる。それより北見まで早い時間に来て、普通電車を使うほうが川湯温泉駅に1時間ほど早く着く。18時到着では外が暗くなるし、寒さも出てくるからこっちを選択したのだった。

特急オホーツク1号

特急オホーツク1号には自由席に乗り込んだが、シートもよく席は十分に空いていた。指定席を買う必要はなかった。この特急で行けば、網走に12時に着くが、そこで3時間も次を待たなければならない。もう少し待ち時間を短縮させることはできないか、車内で考えた。調べてみると、北見で11時23分頃に降りるのが最適で、次の普通車を待つのに2時間ほど必要だが、網走ではほとんど連絡時間なく済むことがわかった。

11時半ごろ

北見の街は新しくきれいだった

北見駅に着いた。北見は思っていたよりも随分都会だった。散歩で時間を潰すには事欠かない予感がした。それでまずは、駅のプロムナードを見つけたので、入ってみることにした。すると2階の通路と市立図書館がつながっているようで、時間つぶしといえば図書館、よくもまあスムーズにたどり着けたものだと思った。新しいスッキリしたデザインの図書館だった。入ってすぐのチラシ用の棚から、北見市史についてのプリントを数冊もらい、たまたま歩いて目に止まったマーケティングの棚を見つけた。

北見市立図書館へのアプローチ


そして、そこにあったのだ。今まで気になっていたが読めなかったレイチェル・ボッツマン/ルー/ロジャース共著の「シェア」(<共有>からビジネスを生み出す新戦略)が、目の前で手を振っていた。さっそく読み始めた。2時間では読みきれない5cmほどのハードカバー本である。冒頭から興味津々で、拾い読みしようとしたが、気になった文章に出会ったので、リュックサックからパソコンを取り出し、冒頭部分の抜粋を書き写しておいた。

「シェア」イントロダクションより


「・・・コラボ消費とは、おままごとのような善意の譲り合いではない。逆に、個人の自由を手放したり、ライフスタイルを犠牲にしなくても資源をシェアできるようなシステムを確立することだ」。

インディアナ大学教授、エリノア・オストロムは、2009年10月、オリヴァー・E・ウィリアムソンとともにノーベル経済学賞を受賞。フーバー研究所の上席研究員、マイケル・スペンスは、オストロムの受賞後まもなくこうコメントした。「オストロム教授の功績は、『経済学の根本は市場に関することではない。資源再配分の問題だ』と示したことにある」
スイスの高山草原から、スペインの灌漑用運河、また日本の森林まで、オストロム教授は、共有資源の管理に関する研究と、その成功や失敗の原因追求に人生を費やしてきた。彼女の研究は、資本主義社会でも、簡単なルールさえあれば共有資源を自己管理できることを証明している。個人は、公共の善のために強調できるのだ。・・・

経済学とは資源配分の問題、という視点がここには貫かれているはずで、ずっと気になり探していたのだ。しかしこんなときに限って時間は早足になる。当然ながら読破は不可能。この感じなら、また出会えるだろうと思って旅を続けた。

9月12日

舞鶴港に向かうはまなす号


数日後、帰路のフェリーからの連絡バスが着いた神戸三ノ宮で一泊し、
翌朝書店に寄ってみた。予感はあたった。
なんと! それまで一冊もなかったのに、2冊も隅っこに並んでいたのだ!

※(シェアリングエコノミーについて連載記事の企画・取材・ライティングを経験したぼくとしては、当然ながら中古本を購入) 

9月15日


そして今、「シェア」はわたしの手元にある。予感というものがあって、実現する、不思議な再開だ。この出会いは、わたしの将来に必ず影響を与えてくれると思う。


2023.11.4(北海道旅行 9月8日、15日記入分より)


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