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田辺・弁慶映画祭 2019年11月22日の日記

・先生のお誘いで田辺・弁慶映画祭へ行く。朝5時に車へ乗って(友達が送ってくれた)成田空港へ。1時間前に到着したので、あたふたしていたらもう出発していた。

・関西空港、何回か使ってるけどLCCのターミナルから第1ターミナルへの行き方に戸惑ってししまい、全然慣れない。バスに乗ることを忘れてしまう。先生が特急を予約してくださったんだけど、かなり到着がギリギリになってしまった。ギリギリでいつも生きている。

・アンビエントミュージックみたいな関空第二ターミナル。猫シcorp.かと思った。

・関空で売っている「東京ばな奈」は、どんな立ち位置で販売されているんだろう。「あ!東京からの出張なのにお土産忘れた!…そんな時は〜???関西空港で売ってる《東京ばな奈》!!」みたいなこと?
東京というアイデンティティをより感じる、関空の東京ばな奈。

・特急の座席にパンダ。日本で一番パンダを飼育している動物園らしい。動物園行きたいな〜、ウロウロする生き物を見る虚無時間がわたしは大好き。

・先生と特急に乗り、田辺へ。二人で映画の話などをしていたら前の座席が映画祭に向かう方だった。裏審査員という感じで長年映画祭に参加しているらしい。そういう雰囲気のお話をされていた。

・今日はコンペ3作品を観る。全部で9作品入賞していて、今日と明日で一挙上映するらしい。

・一本目 中村屋酒店の兄弟

・藤原季節が弟役で、なんだか訳ありな感じのキャラクター設定。インディーズ映画らしい映画だがそんなに臭みもなく、なかなか面白く観た。ハードボイルドでも通じるのが家族、というのはあまりにも強引な話だけれども、カメラ・ライティング・脚本でなかなか説得力を出していた。主役・兄役の長尾卓磨は監督の思い描く、というか想定していたキャラクター設定と実際の役に少し齟齬があるように感じた。と、先生が仰っていてなるほどと思った。確かに、弟が「にいちゃんには好きなことしてほしいから、俺が店やるよ」という旨の台詞を言われた際に、兄は今まで経営してきた自分の立場や、それなりにやり過ごしてきた日常が突然能動的に動かさなければならないものになるかもしれない、という不安や、そもそも弟の発言が一人でやっていくことなのか、それとも協力していくことなのかが判然としない発言に対して、戸惑いや疑問を投げかける方が良かったのではないかと思った。だが本編では少しの間があれど、すぐに受け入れるような姿勢だったためコミュニケーション不足感があった。そのため、後に続く兄弟の絆エピソードにも違和感が生じてしまうのではないかと思った。
まあ何はともあれエンディングの曲も良かったし、初日三本の中では一番好きだった。

・2本目 ビューティフル、グッバイ

・も〜冗長!飽き飽きに飽きた。上映時間がサタンタンゴかと思った。要所要所でかなり良いシーンもあるんだけど、ロードームービーで大事な二人の関係が深まるターンで一番飽きちゃってたからダメだった。ただ、上映後のティーチインで監督が仰っていた通り、本当に車で東京から鳥取まで走ったのはすごい根性だ。インディーズでそれだけの気合と時間と費用をかけて最後まで描ききっていたのは素晴らしいと思う。ちゃんと走ったと言うだけあって、ヨゴシも良かったし。本当に何日も風呂入ってなくて臭そうだった。まあ印象深いといわれるシーンも、あまりにベタな青春映画テイストであまり面白みはなかったけども。60分くらいにしてほしい。先生は結構好きだったらしい。ロードームービが好きみたい。

・三本目 もぐら

・語らずに画を観察することで、何が起きているかを気付かせる是枝・観察映画スタイル。エンドロールに監修:是枝裕和とあり、卒業制作での作品であることが判明し、脚本段階でアドバイスをいただいた様子。短い尺の中でちょうどよく、ひとの柔らかい部分を見せようとしていたと思った。何かが変わるわけでもないし、日々の澱が少しずつ自分を動けなくさせる感じがかなり好きだった。まあともかくこういう規模の映画ってこういう夜のお仕事をする女の仄暗く暗澹たる日々、みたいなの多いよね。といった感じ。リアル志向が強い日本映画の中でも、こういうアングラを映すとウケがいいよな、こういう路線を好む映画祭だと特に。

・ティーチインでやたらと「監督の意図」を聞く人たちが多いこと。古参の映画ファンがかなり幅を利かせている映画祭でもあるので、こういう作家主義が主流である空気はしょうがないとも思うが、もう少し聞くことあるでしょうと、思ったりもする。自らの読解や解釈、読みを作者に依存して楽しいかしらね?とりわけ裏設定を話す監督たちには、それ本当にいるかしらんと疑問に思う。『もぐら』では、砕いた煎餅を混ぜたおにぎりが出てきて主人公がそれを作り食べるシーンがあるんだけど、これを偶然持っていた人が実は生き別れの兄弟である、みたいな裏設定を話していたりして、こんなに余計なことあるかしら。と思ってしまった。観察映画のスタイルを取るなら特に、後手後手で説明を入れるのは野暮では?

・一応関係者なので、3作上映後は関係者の開会式&パーティーに参加させてもらう。紀州なので豊富な梅酒の他に蜜柑やマグロの解体ショー、しらす&卵かけご飯、クラフトビール、鯨のベーコン、その他オードブルなどなど。

・謎の果物。スターフルーツではないらしい。


・二次会で『カンパイ!日本酒に恋した女たち』というドキュメンタリー映画のDVD・パンフレットを頂く。いつか観るぞ。

・業界の人に挨拶しまくるの、疲れる。ヘトヘトになって1時には離脱した。先生はいつも優しいけど、それに報いることができていない気がする。ほぼ初対面の方ばかりというのもあるけれど、上手に喋れないし、トークを回せないし、話を振らせてしまう。質問をあまりできない。ただニコニコしてるだけ。そういうのが疲弊させるって知ってるんだけど、なかなか難しい。こういう業界の方ばかり集まる所に行くたび、揉まれるだけで疎外感を感じてしまう悪いところが出ている。

・帰宅後そのままベッドに倒れ込み、気づいたら3時半、化粧だけ落としてベッドに入った。シャワーを翌日に残すと時間も衛生的にも悪いことばかりだけど、動けなかった。無理だった。

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