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【じっくり読書】歴史的名作「悩み」の取扱説明書02

こんにちは。

谷塚総合研究所、読書部の塚本です。

今回、紹介する本は、デール・カーネギー著、「道は開ける」です。

今回は、第二回記事となります。

前回の記事をまだ読まれていない方は、まずそちらを読んでいただくことをおススメします。

では、さっそく始めましょう。

前回のおさらい

悩みというのは「終わりの見えていない思考」だと説明しました。
終わりを自ら選択・決定すれば、おのずと悩みは目標へと姿を変えます。
逆もしかりで、目標からゴールを引き算すれば、それは悩みへと変化します。
言い換えれば悩みとは、充足の見えない不足であるとも言えます。

何に焦っているのか?何を求めて走り続けているのか?
終着点なき出発は、永遠に達成することがありません。
なぜなら、ゴールがないのですから。

人はゴールを決定する際、「そのゴールが本当に私の望むゴールなのか?」と不安になります。
どこかに行きたいのは間違いないが、どこに行けばいいのか分からない。

ですが、人は「何を望むか」を明確に答えることが出来なくとも、「何を望まないか」は明確に答えることが出来ます
望むものが自分で分からないのであれば、まずは望まないものを自分の経験から取り除けばいいと、私は思います。

悩みを解決する魔術的公式

日常から、望まないものを探してみてください。
その望まないものたちは、自分の手で取り除くことが可能ですか?
可能であれば取り除いてください。
「複雑」に手を加え、シンプルにしてみてください。

そのうえで自らの手では取り除けないものもあります。
自らの手では取り除けないものに対して思考する。これが悩みです。
でも、考え方を変えるだけで、意外と簡単に、それを取り除くことが出来たりするんです。

1.「起こりうる最悪の事態は何か?」と自問すること。
2.やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。

上記は、著者がウィリス・H・キャリアの公式と名付けた「悩みを解決するための魔術的公式」です。

公式の名の通り、「ウィリス・H・キャリア」という人間が、深刻な悩みに襲われた際に、自ら使用した悩みの解決手段です。

望まないものに対し、自らの手で解決する道筋が見えている場合はラッキーです。
大抵の場合、私たちの筋肉と血管を硬直させ、胃をキリキリと痛めつける悩みの解決手段は、自らの手ではどうにもならない場所にあり、私たちはただそれを見ているしかないわけです。
私たちが出来ることは「受け入れる」という一択のみです。

まずは、その悩みを生み出している物事から発生する、最悪の出来事は何かと自問すればいいです。
考えうる最悪の事態です。これ以上はないくらいの。

最悪の事態は、意外と最悪だけではない。

例えば仕事で大きな損失を出したのなら、考えうる最悪の出来事は、「自らの死」ですか?
そこまでではない、「会社の倒産」?利益に影響がある程度で、倒産するほどのダメージではない?
では、「自身の解雇」?その可能性はある。
それなら、起こりうる最悪の出来事は自身の解雇です。

起こりうる最悪の事態を想定出来たなら、それを受け入れる覚悟をします。
「クビになったら、どのように生きていこうか?」
大丈夫です。生活水準が落ちたとしても、日本では餓死したりしません。
新たな生活がスタートするだけです。いいことだってあるかもしれません

最悪の事態を受け入れることが出来ない理由は一つ。
「最悪の事態の先にある人生のストーリーに、ポジティブな面を見出すことが出来ない」からです。
最悪の事態を想定できたなら、その先にある人生のストーリーから良い面を探してみてください。
簡単なことではないかもしれませんが、これが済んだ段階ですでに悩みは悩みでなくなっています。

受け入れてから、思考し行動する。

それが済んだら、最悪の状態を好転させる方法を考え実行します。
ここまで段階を踏んで思考を整理出来たら、悩みという重りは取り払われ、リラックスした状態で対応策を考えることが出来るはずです。
なぜなら、最悪の事態がもたらす人生のストーリーを受け入れているからです。
こうなってはいけない。と考えながら物事をスムーズに進行させることは出来ません。
思考も体も精神も硬直しているからです。
こうなったっていい。と考え行動すれば、その物事はゲームのように経験を楽しむことができます。
リラックス・集中・全力が、自分の能力を最大限発揮させるコツです。

受け入れられない事態は存在しない。

人が考えうる最悪の事態は「自身の死」だと考えるでしょう。

でも本当の最悪の事態は、命の終わりではなく「自ら紡ぐ人生のストーリーの終わり」です。

人は子供から大人になるにつれ、自分は何者か?という、いわゆる道徳や正義を確立させていきます。
例えば「困っている人がいたら助ける」という道徳を持った人が、困っている人を助けられなかったら、それは場合によっては自らの死よりも受け入れがたいものとなるのです。
「嘘をつかない」という正義を持った人が、致し方なく嘘をついたのなら、それは刃物で体を切り刻まれるより痛く苦しい思いをすることがあるのです。

「困っている人がいたら助ける」と自らに道徳を課している人でも、例えば自分の子供が生まれたら、その道徳が変わったり、優先順位が変化したりします。
「あなたを助けたいが、これ以上は助けることが出来ない。なぜなら、子供を犠牲にする選択だから。」と。
「嘘をつかない」と自らに正義を課している人でも、社会的立場が変化すると、嘘をつくようになったりします。
「私の部下や取引先、その家族をまもるためには、あの場で嘘をつくしかなかったんだ。」という風に。

「道徳や正義より大切なものが出来た」と結論付ければ簡単ですが、それらは、「自ら紡ぐ人生のストーリーが変化した」からといえます。
人生のストーリーを、道徳や正義をもとにしたものから、大切なものを基準にしたものに変化させていったからです。
この人生のストーリーは、些細なきっかけで180度変化することもあります。
向上ではなく堕落へと向かうことも多くあります。
私たちはこの、自ら紡ぐ人生のストーリーを、注意深く未来へと向ける必要があります。
なぜならそのストーリーこそが、人生を決定させるからです。

点を通じて線になる。

悩みが悩みで居続けるのは、この「人生のストーリーの未来」が決定出来ないことにあります。
例えば、交際相手と別れて意気消沈している友人を見ると私たちは、「もっといい恋人を作ればいいじゃないか」と思います。
何もそこまで落ち込む必要はない。と。
でも、その本人が落ち込んでいる原因は、単に恋人を失ったことにあるのではなく、自らの人生のストーリーの未来が描けていないことにあるのです。
ストーリーを未来へとつなげていくためには、その未来へと向かうための「点」が必要になってきます。
点を繋いで未来へと向かうのです。

「恋人を失ってどん底にいたけど、友達たちが支えてくれて、私は立ち直れた。そして新たな恋愛を始めることができた。」というストーリーであれば、「どん底」という点から「新たな恋愛」という点を繋ぐために、「友達の支え」と「立ち直れた」という二つの点を経由して未来へ向かう必要があったのです。
そしてこのストーリーのための点は、自ら選択して結んでいくことが出来ます

未来へ向かう道は、どこにだって存在する。

あなたが悩みを抱えているのなら、あなたの人生のストーリーの先は行き止まりで、未来へ向かう点が存在しないように感じることだと思います。
ですが、未来へと向かうための点は、どこにだって存在します。
どん底から這い上がってきた人の「人生のサクセスストーリー」は、多く目にすることができます。
それらから、「彼らの点の結び方」を学び参考にすれば、未来へとつながる点は見えてくることだと思います。

どんなに深い場所で悩み苦しんでいても人は、自ら紡ぐストーリーを使って、点から線へ、未来へと向かうことができます。
悩みによってたちどまり、苦しい思いをしているのなら、未来へと向かう点を探してみてください。
その先へストーリーをつなげていき、ポジティブな面を探してみてください。

まとめ

・ウィリス・H・キャリアの公式

1.「起こりうる最悪の事態は何か?」と自問すること。
2.やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。

・どのような状態であれ、自ら望む未来へ向かうような点を繋ぎ未来へ紡ぐ。

おわりに

最後までご覧いただきありがとうございました。

次回は、本書三章「悩みの習慣を早期に断とう」から6つの方法を解説します。

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ではまた次回に。