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TEDから学ぶ英語プレゼンの極意

How to sound smart in your TEDx Talk
TEDから学ぶ英語プレゼンの極意

私は口下手です。
しかしなぜか、
人前で話す機会が多くありました。しかも英語で。
日本語ですら苦手なプレゼンテーションを英語で。
なんの苦行か修行かわかりませんが、
口下手な私ができたので、それを乗り切ってきた
英語プレゼンのヒントをお伝えできればと思います。

私の英語プレゼンの経験は、
■マイクロソフト認定講師の資格のためのプレゼンテーション研修修了
■イギリスで企業向け研修講師。現地の方々に英語で研修を実施
■シリコンバレーにて、ベンチャーキャピタル向けビジネスプレゼンの特訓
■現地エンジェル投資家に、突撃エレベータピッチ
その他、通訳や講師、インストラクター経験で話す機会がありました。
あとは、企業さん向けに英語プレゼンの研修や英語プレゼン作成代行などなど。

ただでさえ話すのが苦手な私は、毎日、時には泣きながら、、、
英語でのプレゼンの攻略法を調べ、資料を作成し、特訓していました。
そうしたら、口下手なりの英語プレゼンができるようになりましたので、
同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです☆

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今回は、(英語の)プレゼンにおいて大変参考になる動画をご紹介します。私がTEDxの中で一番好きなプレゼンテーションかもしれません。

それは、Will Stephenさんというコメディアンによる ” How to sound smart in your TEDx Talk (頭良さそうにTED風プレゼンをする方法)“ というプレゼンテーションです。このプレゼンテーションは、5−6分という短い時間ですが、プレゼンに必要な要素が凝縮されています。
タイトルも面白いです。

また、このプレゼンテーションのすごいところは、題材が”Nothing(何もない)”ところから、プレゼンテーションを完結させている(結論も”Nothing”)ところです。

日本語のプレゼンでも使えるテクニックが満載です。
ぜひ英語と日本語字幕どちらもご覧ください。

それでは、この” How to sound smart in your TEDx Talk
(頭良さそうにTED風プレゼンをする方法)“
というプレゼンテーションを題材にして、
私の視点から英語プレゼンに役立つ部分を解説していきます。

今回取り上げたいポイントは以下の3点です:

・ プレゼンの流れ・構成
・ 英語プレゼンで使える英語フレーズとその使い方
・ 練習の大切さ

【プレゼンの流れ】

英語、日本語に限らず、プレゼンには基本的な型があります。

このTEDxTalkを見ると、その流れに沿って構成されていることが分かります。「オープニング」「ストーリー」などのキーワードからも、プレゼンの構成について話していることが分かります。つまり、このTalk自体がプレゼンの基本形に忠実に作られており、なおかつ、このTalkにてプレゼンの基本について語られているということです。

プレゼンの基本的な型は下記のようになります:

・Opening(オープニング、つかみ、注意を惹きつける)
・自己紹介(なぜあなたが話すのか?なぜあなたの話を聴かなければならないのか?)
・Objectives(目的・伝えたいこと&聴衆があなたの話を聞くメリット)
・Agenda(アジェンダ。プレゼンの概要・流れ・所要時間・Q&A)
 ※短いスピーチはアジェンダがない場合があります
・Main body/Contents(メインコンテンツ)
・Conclusion(結論)
・Closing(クロージング、まとめ、最後のコールトゥアクション、メッセージ)

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それでは上記を踏まえながら、このTEDx Talkの構成を見ていきましょう。

1. Opening(オープニング):

まずは、オープニングのつかみで上手く
Attention・注意を惹きつけています。


“Hear that? That’s nothing.”
「(皆さん)聞こえますか?これが”Nothing”です。」

このオープニングを冒頭に効いた聴衆は、
「何を言っているのだろう?」
「何も聞こえないのに、聞こえますか?とは何のこと?」
「Nothing(何もない)って何?」と疑問だらけになり、
これから続く話の内容に興味がわき、さらに聴きたくなります。

2. Objective(プレゼンの目的):

オープニングで注意を惹きつけることに成功した後に、
今回のプレゼンの目的を伝えています。

“(That's nothing.) Which is what I, as a speaker at today's conference, have for you all.”
「(これがNothingです。)そして、それ(Nothing)が本日のカンファレンスで私がスピーカーとして皆様にお伝えしたいことの全てです。」

つまり、“Nothing(何もない)”ことが、このTEDプレゼンでWillさんの題材ということですね。内容が何もない(Nothing)プレゼンをしてみせます、とプレゼンの目的を伝えています。

(すごく面白い題材だと私は思っています。私はプレゼンに苦手意識があったので、プレゼンのことをとても勉強したからです。今回の記事ではとても全てのテクニックや突っ込みどころについて書くことができなかったのですが、本当に勉強になるテクニックが満載です。)

3. Main Body/Contents(メインコンテンツ):

いよいよ、プレゼンの本題に入ります。このプレゼンのメインの内容は「内容が何もなくても、TEDxのように、すごく見えるプレゼンテーションのテクニック」です。

■まずは、プレゼンのテクニックの流れということで、また「オープニング」について話しています。面白いのは、実際のオープニングで自らが実践したテクニックを話しているということです。

Willいわく、「オープニングでは、右手で、左手で大げさなジェスチャーをした後で、みなさんに質問します」。

■そして、できればオープニングにぜひ取り入れたいテクニック「ジョーク」です。ここでは「質問」&「ジョーク」の合わせ技になっているようです。

“By a show of hands, how many of you all have been asked a question before?”
「手を上げて下さい。今まで質問されたことがある人?」

今までの人生の中で質問をされたことがない人は、おそらく1人もいないはずです。当たり前のことをあえて質問することで笑いをとっているのですね。最初の方に「ジョークと分かる笑い」を取り入れ笑ってもらうことで、聴衆との距離を縮めることができ、またスピーカー自身もリラックスして話を進めることができます。

その後も、以下のようにプレゼンのテクニックが続きます:

・個人的なストーリーを話す。

・大きな声を出して注意を惹いたり、トーンダウンしたり、間を空ける。

・数値データやグラフの使い方

・Bullet point(箇条書き)の使い方

・写真の使い方

4. Closing/Consultation(クロージング・結論):

メインコンテンツでさんざん笑いをとりつつ、プレゼンテクニックに関する学びを提供した後、さいごのまとめに入ります。

“You know, if there's one thing you'd take away from my talk, I'd like you to think about what you heard at the beginning, and I'd like you to think about what you hear now. Because it was nothing and it's still nothing, think about that.”
「冒頭を思い出してください。そして今。Nothing(何もない)から始まって、結局今も何もありません(Nothing)。」

「プレゼンの内容はNothing(何もない)です」と、
冒頭のObjective(プレゼンの目的)で話したことを思い起こさせ、
結論もNothingであると締めています。

きちんと、最初の目的を思い起こさせ、締めにも持ってくることで話に一貫性を持たせています。

さすが、TEDx プレゼンを研究したプロも関わったプレゼンのテクニックのプレゼン、プレゼンテーションの基本の流れをおさえています。私も話を組み立てる際には、必ず上記の流れ、オープニング、目的、メイン、クロージングを取り入れています。型として取り入れると、プレゼンの分かりやすさ、伝わりやすさが上がります。


【TEDx Talkから学ぶプレゼンで使える英語フレーズ】

ここからは、このTEDx Talkから、英語プレゼンで使える英語表現をピックアップしていきたいと思います。

・“Now”

・“I’m going to …” “I’m gonna …”

まずは、この2点です。英語のプレゼンでは非常によく使われます。
“Now”は「今」という意味ですが、英語プレゼンでは「それでは」「今から」のように、次の話題に移りたい時や、注意を引きたい時によく使われます。

“I’m going to …”は、「私は、これから…します」と、次のアクションについて言及する表現です。

この2つを組み合わせて、”Now, I am going to talk about …” 「今から…について話します/説明します」などのように使います。「これから◯◯します」と伝えてから話し始めたり、次のトピックに移ることにより、話題の区切りが分かりやすくなりますし、続く話について行きやすく、聴きやすくするフレーズです。

ポイントは、Nowの前に間を空けることです。1-2秒の沈黙を置いて、「それでは、、」と続けるとメリハリができます。

また、nowの他にも、nextやthen、firstly、secondlyといった順序を表す単語を用いて、スムーズなプレゼンにすることができます。

これらは英語プレゼンにおいて必須の頻出用語だと私は思っています。

・“Let’s take a look at …”
「○○について見ていきましょう。」

次に、スライドの内容やグラフなど、聴衆に注目してもらいたい対象がある際に、注意を惹くための表現を一緒に見ていきましょう。

ここでは、“Let’s take a look at the numbers” 「数について見ていきましょう。」という使い方をしています。ロジカルなプレゼンに欠かせない数値データですが、全く関係のないランダムな数値を、いかにも自信ありげに読み上げて「TEDプレゼンらしさ」を笑いにしていましたね。

その後、数値データを並べ立てた後には、またロジカルプレゼンお決まりのグラフやチャートの説明に入ります。そこでも同様に「○○について見ていきましょう。」という表現が使われています。”let’s take a look at some graphs/ pie chart/ this bar graph…”

何度も使われていることからも、この”let’s take a look at”もプレゼン頻出フレーズだと言えます。実際に私も英語で研修講師をしていた際にはよく使いました。いきなり「この表は、○○を表しています」と言うよりも、まず「では次に、この表を見ていきましょう。」と前置きして話した方が聴衆の注意を表に向けた上で、説明を開始できるというメリットがあるからです。

【練習の大切さ】

ここまで、” How to sound smart in your TEDx Talk (頭良さそうにTED風プレゼンをする方法)“を参考に、英語プレゼンの構成と英語表現について一緒に学んできました。

ぜひもう一度、通しでこの動画を見てみてください。本当にプレゼンに関して学べるテクニックが説明しきれないくらい詰まっています。

動画を通してみて、何か気づいたことはありませんか?

そうです、スピーカーは、完璧に話せるように練習しているんです。

まるで日本の漫才師のように、1語1句、スクリプトどおりに話しているように見受けられます。言い間違いがないからです。間のとり方も完璧ですよね?

スティーブ・ジョブズも、iPhoneの製品発表のプレゼンを練りに練って練習したと聞いたことがあります。

プレゼンテーションで大切なのは、練習です。

さらに、、、何が言いたいかというと、英語ネイティブスピーカーでさえ、プレゼンの際はこんなに練習するのです。非英語ネイティブである私達日本人は、それ以上の練習が大事になってくることが分かりますね。頑張りましょう(私も頑張ります)。口下手の私はなおさら。。。

今回ご紹介した、「TEDx風に英語プレゼンをするコツ」の記事がお役に立てれば嬉しいです。

次回は、私が英語プレゼンを実施する側として関わっていたプロジェクトでの、学びや気づきをシェアします。経営者向けの内容、「VC・投資家向けへのビジネスプレゼンの心構え」です。シリコンバレーでVCの方々に鍛えられてきました。おたのしみに?

【さいごに】

さいごに、クロージングのあとの大事なことを忘れていました。。。
プレゼンの最後は、お礼で締めます。
Thank you for listening.
Thank you for your time.

などが一般的です。

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

《本の紹介》
スティーブ・ジョブズ流のシンプルなプレゼン手法に、日本文化「Zen(禅)」を融合さ せた世界最新のプレゼンメソッドを【映像(80分)+ビジュアルブック】であますところなく学べます。
 講師を務めるのは住友電気工業や米アップルを経て独立し、今ではプレゼンの実施や指導における世界の第一人者として知られるガー・レイノルズ氏。
彼の著書『プレゼンテーション Zen』は世界17カ国で発売さ れ、15万部以上の大ベストセラーになっています。
 本著は、その彼が米グーグルやマイクロソフト、P&G、米スタンフォード大学や英オックスフォード大学など世界中の有名企業や大学から招かれて行っている“伝説の講義”を収録した大迫力の映像(80分)を本邦初公開します。



Thank you for your Being, Thank you for your Presence.🙏 ✨あなたの存在にありがとう✨ 最後までお読み頂きありがとうございました♡