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  • ちょっとニッチな児童文学

    主に児童文学の内容と感想を書いた記事をまとめています

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ちょっとニッチな児童文学⑩『笹森くんのスカート』

ちょっとニッチな児童文学もなんとか10作品目を迎えました。 今回紹介する児童文学は神戸遥真さんの『笹森くんのスカート』です。 スカートをはいた笹森くんと同級生たち夏休み明け、笹森くんがいきなりスカートをはいて登校して来た。(笹森くんは見た目も良いから実はけっこうモテ男子です。) その様子を5人の登場人物が自分の置かれた立場から好き勝手に解釈していきます。 最初にネタバレをしておくと、笹森くんがスカートをはいた理由は、幼馴染である真緒(まお)の「スカートをはきたくない」

    • ちょっとニッチな児童文学⑨『ぼくたちはまだ出逢っていない』

      継がれていく3人 こんにちは。maemichiです。今回は八束澄子さん作、『ぼくたちはまだ出逢っていない』をご紹介します。本書でフォーカスされている題材は「金継ぎ」です。 中心となる人物は3人です。 イギリス人の父と、日本人の母を持つ中学3年生の陸。彼は金色の髪と日本人離れした体格で目立つ容姿のためかいじめの標的になっている。 陸の親友の樹。生まれた時から腸に持病があり、陸とは正反対のおとなしい見た目。背も小さく、体力がない。陸からの信頼が厚く、樹も陸のことを信頼している。

      • ちょっとニッチな児童文学⑧ 『スペシャルQト(キュート)なぼくら』

        初めましての方も、お久しぶりの方も新年あけましておめでとうございます。maemichiです。noteの更新、すっかり停滞しておりました。去年も新年明けてしばらくは定期的に更新していたのですが、いくつか更新してその後、まったく続かず……。今年はどれくらい更新できるやら。 ということで、新年初更新してみようと思います。 新年1発目の更新は如月かずささんの『スペシャルQト(キュート)なぼくら』です。私の大好きな児童文学作家さんの作品です。 ここからちょっとしたネタバレを含みつ

        • 【小説】 招待状とキッチン

          もしかして。以前送ったメールで気を遣われているのかと思った。 別に同学年の親しい人がいなくても、顔見知りの先輩たちがいればそれなりに楽しめる。 披露宴を上手く切り抜けるくらいの処世術は身に付いていると思う。 披露宴は式を挙げる新郎新婦とか親族のためにするのであって、本人たちが式に出席してほしい人を呼べばいい。 さっきのメールでは私に気を遣って私と同学年の後輩を呼ぶといっているのか、ただ本当に来てほしいから呼ぶのかわからなかった。 気を遣われている、というのがこちらの深読み

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        ちょっとニッチな児童文学⑩『笹森くんのスカート』

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          10本

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          ちょっとニッチな児童文学⑦『強制終了、いつか再起動』

          ちょっとニッチな児童文学へようこそ。このノートを書いているMaemichiと申します。 このnote記事は、さまざまなネタバレを含みつつ児童文学を紹介しています。 このnoteを読めば、本を一冊読みきった気分になれます。 今回は吉野万理子さんが書かれた『強制終了、いつか再起動』をご紹介します。 衝撃の児童文学!若年層に広がる薬物汚染を描くこの本の感想を一言で言い表すなら「衝撃!」の一言。一気に読みました。 衝撃的だった理由は、本書のテーマが、児童文学では全く見かけない

          ちょっとニッチな児童文学⑦『強制終了、いつか再起動』

          ちょっとニッチな児童文学⑥『アドリブ』

          「ちょっとニッチな児童文学」へようこそお越しくださいました。 このシリーズでは、わたくしMaemichiが児童文学を中心に紹介しています。ネタバレと、Maemichiの感想も多分に含まれております。 今回ご紹介させていただくのは、佐藤まどかさんの『アドリブ』です。 さっそくネタバレ続きです……。ご注意を。10歳の時にオーケストラのフルート演奏を見て、フルートを始めることにした森 祐司(ユージ)。一度もフルートを触ったことがないのに、国立音楽院を受験して合格します。 入学

          ちょっとニッチな児童文学⑥『アドリブ』

          ちょっとニッチな児童文学⑤『ソラモリさんとわたし』

          こんにちは。Maemichiです。「ちょっとニッチな児童文学」へようこそお越しくださいました。このnoteでは世の中にあまり知られていないであろう児童文学作品をネタバレ込みで紹介します。ご注意ください。 さて今回は。はんだ浩恵さんの『ソラモリさんとわたし』をご紹介いたします。 初版は2021年の12月。ごく最近出版されました。ちなみに第3回フレーベル館ものがたり新人賞受賞作品だそうです。わたくしは「フレーベル館ものがたり新人賞」というものがあるということを、この本で初めて

          ちょっとニッチな児童文学⑤『ソラモリさんとわたし』

          ちょっとニッチな児童文学④ 『野原できみとピクニック』

          このnoteを開いてくださってありがとうございます。Maemichiと申します。 なぜこのnoteを開いてくださったのでしょうか? まさかとは思いますが、タイトルの「ちょっとニッチ」を「ちょっとエッチ」と見間違えたわけではありませんよね? もしそうなら、そのような煩悩は脳内から振り払ってください。 このnoteのタイトルは 『ちょっと「ニッチな」児童文学』です。 (念のためお伝えしておくと、「ニッチ」とは隙間という意味です。) このnoteはわたくしMaemichi

          ちょっとニッチな児童文学④ 『野原できみとピクニック』

          スマホに穴があいた話

          スマホって穴があくんですよ。知ってました?」 「えっ、どういうこと!?画面にあいたんですか!?」 12月、スマホに穴があいた 。職場の事務員Oさんに話したら、目を見開かれた(Oさん、いいリアクションをありがとう)。 スマホに貼ってあったマスキングテープをそっと剥がしてOさんに見せた。マスキングテープの下ではガラスが割れ、少しだけスマホの内部が見えている。 「うわ、ほんとだ!穴があいてる。こんな割れかた初めて見た!」 「ですよね。私も初めて見ました。一応ケガしないよう

          スマホに穴があいた話

          週6日、手話を練習する

          こんにちは。Maemichiです。前回「ちょっとニッチな児童文学」で『透明な耳。』を紹介させていただきました。 詳しくはこちらです。 その中で、「週に6日、聴覚障がいをもっている人から手話を習っている」とい話に触れました。そこで今回はどんなふうに手話を教えてもらっているのかnoteでシェアしていきたいと思います。 ①手話をする時間  毎日夜の8時45分〜9時までの15分間です。毎日少しずつ練習していきます。木曜日は定休日です。 ②練習内容と方法  オンラインで練習

          週6日、手話を練習する

          ちょっとニッチな児童文学③『透明な耳。』

           このnoteを開いてくださってありがとうございます。Maemichiと申します。約1年半ぶりの投稿になってしまいました。 このnoteはわたくしMaemichiが世間様にあまり認知されていないであろう児童文学作品を、つらつらと紹介していく場でございます。 今回は『透明な耳。』をご紹介します。 ネタバレを含みます。物語の詳細な内容や結末を知りたくないという方はネタバレ部分を飛ばしてお読みください。 耳が聴こえなくなった由香  由香は自転車事故によって両耳が聞こえな

          ちょっとニッチな児童文学③『透明な耳。』

          ちょっとニッチな児童文学②

          こんにちは。お久しぶりです。「ちょっとニッチな児童文学」へようこそお越しくださいました。noteをお読みいただきありがとうございます。 今回も世間様にあまり知られていないであろう児童文学作品を、大量のネタバレとともに紹介していきます。 前回は如月かずささんの「カエルの歌姫」の紹介でお会いした方もいるかと思います。まだお読みになっていない方はこちらもぜひどうぞ! さて今回も如月かずささんの作品をご紹介いたします。 ところであなたの好きな、もしくは好きだった給食のメニューな

          ちょっとニッチな児童文学②

          ちょっとニッチな児童文学①『カエルの歌姫』

          このnoteを開いてくださってありがとうございます。初めまして、わたくしmaemichiと申します。 なぜこのnoteを開いてくださったのでしょうか? まさかとは思いますが、タイトルの「ちょっとニッチ」を「ちょっとエッチ」と見間違えたわけではありませんよね? もしそうなら、そのような煩悩は脳内から振り払ってください。 このnoteのタイトルは 『ちょっと「ニッチな」児童文学』です。 (念のためお伝えしておくと、「ニッチ」とは隙間という意味です。) このnoteはわた

          ちょっとニッチな児童文学①『カエルの歌姫』