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道端に目を向ける

桜が咲き、春がやってきた。なんとも良い季節なのだが、保育園の春は、目まぐるしい・・・。

3月の一番最後の土曜日に、卒園式があった。5歳児は3月31日までいて、次の日の4月1日からは新しい子どもたちがやってきた。新年度の準備はロッカーや靴箱の名前の張り替え、新しい書類の用意。新担任は、どうやったら子どもたちが動きやすいか(タオルを掛ける位置やおもちゃを出しやすい場所など)部屋の使い方を考えて、机や棚のレイアウトを変更したりする。

新年度スタート。私は2歳クラスの担任。昨年度受け持っていた1歳児クラスの子どもたちに、もう一つの1歳児クラスが合わさって18名のクラスになった。半分は知っている子どもたちだけど、部屋も変わり、担任も変わり、また新たなスタートという感じ。

毎日毎日ばったばた。友だちの読んでいる絵本が見たくなり、読んでいる本を横取りする子。「□□くんが読んでるよ」と声を掛けても「ちがうー」と叫んで本を掴む。もちろん持っていた子も離さない。ふたりともしっかり握りしめて取り合う。「貸してって言おうね」「□□くん終わったら借りようね」など、イロイロ言うも、まったく聞かずに引っ張る。埒が明かないので、引き離すも、諦めず、泣きながら掴みかかろうとする。それを止めるのも一苦労。

お昼ご飯を食べる時間になったので「ごはん食べるから手洗って~」と声をかけると、さっと立ち上がって手を洗いに行く子、遊びつづけて無視する子。近づいて「ごはん食べるよ」というと「食べない!」と断られる。あれこれ声を掛けてなんとか連れて行く。そんなことをしている間に、先に手を洗って座っていた子が立って歩き出す。連れ戻そうとすると笑って逃げる・・・。

オムツ替えの時、違う子のオムツを持ってきた子がいたから「それは○○ちゃんのだよ」と言っただけで大号泣。「△△ちゃんのはこっちだよ」と教えても聞く耳持たず。そしてしばらく泣き止まない・・・。だって違うんだもの・・・。耳の横で大号泣・・・。

まだまだまだまだ落ち着かない。子どもたちのおもしろ行動がいっぱいあって笑えるし、「せんせー」って言って抱き着いてくれる嬉しさはあるけども、今は休みの日がとてもとても恋しい。


やっと休みの日。緊急事態宣言も解除になったけど、また感染数が増えているので、人の多い所を避けてカメラを持って散歩に出かけた。暖かくなり、イロイロな雑草が伸びてきた。空き地や道端に咲いている小さな花を見るとほっとする。最近、雑草と呼ばれる花がとても好きだ。知らない花を見つけて、名前を調べるのが今の楽しみ。見つけた草に近づいて、カメラに収める。

色が鮮やかで華やかな花は元気をくれる。でも疲れている時は、ちょっと力が強すぎる。

道端で忘れな草のような、水色の小さなかわいい花を見つけた。調べたら、「きゅうり草」というらしい。きゅうりのにおいがするから、そんな名前なんだって。実際に茎を折ってにおってみたら、ほんとにきゅうりのにおいがした。ある日保育園の裏庭に行ったら、きゅうり草が咲いていた。あら、こんなところにも。少し頂いてクラスに飾った。ちょっとクラスに緑があるとほっとする。


春になったので、カメラを片手に、人混みを避け、道端に目を向けよう。

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