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『仕事をする自分と話すこと』
( 約1,100字 )
転職が多い私ですが、かつては天職ではないか、と思いながら仕事をしたことがありました。
リストラに遭い、セクハラやパワハラを経験して、臨時職員やアルバイトで食い繋いだ時期があります。
私が天職と思った仕事は忙しく、安月給でした。昼、夜、時間を選ばずに、人に尽くす仕事でした。
中には一日中、事務所に戻らず、お昼ご飯もテーブルにつくことなく、お煎餅などを口へ放り込んで、遅い時間まで働くひとがいました。
雨の日や、朝の通勤時間帯に、バイクで交通事故を起こす人も。
とにかく時間に追われていました。
ある日、大ベテランの先輩に、
「情緒不安定じゃないの?」
と聞かれました。
私は仕事が楽しくて、ほかの人よりテンションが高めだったかもしれません。
「え、普通ですよ。何でですか」
と答えると、バツが悪そうな表情で怪訝そうに仰った。
「仕事、キツくないの」
私には、その大ベテランの先輩が、ほとんど休みをとらずに仕事をしているのを知っていたので、その質問はその人が言ってほしい言葉なのだと分かりました。
私はその先輩がトラックと接触事故を起こして、入院した病院にお見舞いに行くまで、自分自身も無理をしていることに気がつかないでいたのです。
私はいまだに天職だったと思うが、他者からみた自分が楽しそうに仕事に向かっていたと認識されていたのかは怪しい。
他の職員では駄目だからと言われて、国の保険料以外に、指名されて実費で支払いをしてくださる方もいた。
自分にしか出来ない仕事があるような錯覚に陥っていたのかもしれない。
本当にいい仕事は、適材適所、自分の能力に見合ったものが相応しい。
バランスのとれたチームとして。
ときには納得のいかない内容もあった。
分かってはいても、会社の方針、上司の命令に
背けないときもある。
ツライなぁ、と感じるとき、
ひとつだけ分かっていることがある。
自分の気持ちをよく知る人は、どうしたらいいのかを冷静に判断できる場合がある。
だから、対話できる人にはワガママを言ったり、甘えることをしてほしいと思う。
私には、聞いてくれる家族がいた。
親身になってくれる友達も。
会社は、給料と生活のリズムしかくれない。
稀に運良く、人生に関わる人物との出会いはある。そういう人は、会社を辞めても付き合いは続く。
苦しいな、ツライな、笑えないな、って
迷うときは、会社には関係ない人に、
何でもいいから話すことです。
信用できる人がいるのは、仕事にしがみついて生きるより、有意義なことです。
いくら頑張っても、人生、80年くらい現役でいられるかどうか。
そう思えば、どんな仕事でも有限です。
人間は、きりのない継続活動には疲弊してしまいます。
楽しく、
思いやりを持って、
仕事をしたく思います。
そして自分に、これでいいかな、
って聞いてあげることは大切。
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