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『個』を特定できる人:📺ドラマより学ぶ

テレビドラマ「silent」を2回観ました。
オンタイムで1回、TVerで1回。

冒頭の高校生時代から始まる教室でのやりとりが素敵だった。

主人公の「紬」と「想」の日直当番の場面で、2人はフルネームを漢字で書く。
想が、紬の名前を珍しいと話すと、
つむぎが「何が珍しい?」と聞いている。

「青羽の名前」と想は答えるが、紬は想から「つむぎ」という下の名前を呼んで欲しいのがわかる。

名前は、日本では苗字を呼ばれることが多い。男性も女性も、段階を踏んで呼び名が変わる。最初に呼び合うのは苗字の方で、仲良くなってくるとあだ名が付いたり、下の名前の方で呼ぶのが一般的だ。

だから、紬は想のことを「妄想の想」と言う。
「他にもあるでしょ」と想が切り返す。
紬が「つむぎ」と言わなかった想への小さな仕返しみたいに思えた。

大切な人や好きな人からの呼ばれ方は、そこに気持ちがこもっているかどうかの「物差し」になる。
多分、どうとも思わない人から、下の名前を呼ばれたときは、一瞬、ドキッとする。

私は「え?いま、何て!?」と、言葉には出さないが時間が止まった経験がある。

サラッと下の名前で呼ばれたときは、相手が意識していなくても、こちらの時間が止まるときには大抵、その相手を好ましく思っているから。

「あぁ、苗字、多いからね」
と地域によっては、私の苗字が個人を特定するのに不便で言い直されたときは、心底、ガッカリした。
私はこの辺では石ころを蹴れば当たるくらい、珍しくない苗字なので、
一度、「私のドキドキを返せ」と心の中で悪態をついたことがある。

誰かと仲良くなるためには、名前を覚えるといい。
新しいクラス、新しい職場、新しい地域に馴染むためには、まず他人の名前を覚える。

それが出来たら、信用、信頼を得る第一歩になる。

そして、ドラマの中では、日々の挨拶も丁寧に描かれていた。

送り出されるときの「いってらっしゃい」

出発するときの「いってきます」

そして、泣いている人には、
言葉で表現しない代わりに、
『背中をさする』。

優しい手のひらで行動するのは、言葉と同じくらい誰かを包み込むのだと思う。

人に声をかけるときは、知っていれば名前で。

好きな人が名前を呼ぶことは、
それは花束を贈るのと同じくらい嬉しい出来事で。

言葉で足りないときは、背中をさするくらい近くに居ればいい。

「silent」で、
手話をこっそり覚えようと家族が考えることも、
ときどき、会いに行くことも、
やり取りを内緒にすることも、
すべて
愛情が根底にある。

伝えようとしない愛の形が、たくさんの人を感動させるものがたりにしたのかもしれない。

愛情は、言葉でも、行動でもつたわる。

でも
言葉は、愛情を伝えるのに一番早道ですね。



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