【#04】恐竜博のない夏なんて。ー『リアルサイズ古生物図鑑』他

恐竜に興味のない子どもなんているでしょうか。(いや、いない・断言)

子どもの頃に好きだったものはいつの間に興味がなくなるんでしょう…。
私はいまだに恐竜っていうテーマやモチーフが好きです。ノリは小学生の頃から変わっていません。なんで好きかというと、大きくて強いからです。

で、毎年夏休みシーズンには小学生の列に混ざって恐竜博(恐竜展)に行っています。ちなみにDINO SAFARIも最高に楽しかった。←おすすめ

今年の恐竜博は、お台場かな?去年は上野の科博だったから今年は横浜かな?と思っていたら、コロナウイルスで中止と…!
恐竜が見れない夏休みは夏休みじゃない!
そこで、STAY HOMEで楽しめる恐竜本をご紹介します。

リアルサイズ古生物図鑑

出落ちなのですが、これ本当に最高です。
恐竜好きの大ロマンのひとつは「恐竜と一緒に暮らしたい」だと思うのですが(断言)、この図鑑は『もし恐竜が現代に存在していたらどんな存在感?』というのをストックフォトに実寸大で合成してイメージするという超マニアック図鑑です。ちなみに、人間と恐竜が心通わせるロマンは映画「ジュラシックワールド」のラプトル、ブルーで描かれててかなり萌えました。

何より粋なのは、この図鑑内のシチュエーション写真がほぼほぼiStock Photoから引用されてること。日常生活の典型例として撮影されているストックフォトにそのまま恐竜を合成しちゃってる。日常の延長で恐竜と共に生きる世界線を思い描ける。
お気に入りを2枚だけご紹介。

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水生の恐竜を、飛行機の手荷物検査のトレーに載せるのやばない?同じくらいの大きさのもの探していてX線検査思いつく発想最高。

画像2

フクイラプトルと一緒に登校する高校生活。ちょっといい雰囲気の二人を邪魔してるフクイラプトル、最高。しかも国内で発掘されたフクイラプトルをTHE JAPANのこの風景に合成するセンス大好き。

全ページでこのテンションで盛り上がれます。ずっと眺めてられる。

化石の分子生物学

映画「ジュラシックパーク」(第1作)の冒頭、琥珀の化石の中に閉じ込められた蚊からDNAを取り出して、そこから複製すれば恐竜を蘇らせられるんじゃないか、っていうあの有名なアニメーションをうすうす信じてる人も多いはず。

この本に依ると、結論としては今はまだ無理だそうです。ただ、DNAから何が分かるのか、なんで今は難しいのか、どんな研究者がいて、どんな研究が為されているのか、などなど。恐竜に限らず、考古学をちょっと斜めの角度から膨らませられる科学スペクタクル。

やりすぎ恐竜図鑑

ある平日、コンビニにお昼を買いに行った時に書籍コーナーに見つけて衝動買いしたこちら。本の内容は正直タイトル負けで「やりすぎ」というほど突飛な特徴の恐竜ばかりではないのですが、恐竜の生態から種を説明しようとしているアプローチは好きです。

恐竜好きというと分類や学名に詳しくなくちゃいけない印象がありますが、「ポケモン全部言えるかな」的な恐竜知識よりも、もっと他の楽しみ方もあるのではないかというのが自論。同じ時代に生きた恐竜同士の生態系、他種間の関係性、何を食べていたか、なんでそこにいたのか。そういうことに思いを馳せるのが好きです。もちろんそれを理解するために分類や時代関係の理解も必要なのですけど。

ちなみに、私は強いて言えば翼竜フェチでして、特に世界最大の翼竜と言われたケツァルコアトルスは、まさにこのタイトルの通り「やりすぎのでかさ」でかわいくておすすめ。

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恐竜は滅んでいない

友人と本屋行った時にレジに持って行って、一緒にいた友人に「いや、滅んでるでしょ」とくい気味に突っ込まれた本です。ここ10年くらいで主流になってきた学説で、「恐竜は絶滅して途絶えたのではなく鳥類の祖先である=鳥類に進化した」の話。

恐竜は大きいトカゲみたいなイメージですが爬虫類じゃなかったのですね。
近年の恐竜博や展示は必ずこの説明のイントロダクションから始まるため、恐竜好きちびっこ間では常識になりつつあります。我らがT-Rexに羽毛が生えているビジュアルを見た時はパラダイムシフトを感じました…

ちなみに大学の時に、メディア系のゼミで恐竜映画についてのレポートを書きました。日本で保存されている最古の恐竜フィルム映画として、旧 東京国立近代美術館フィルムセンターで1925年の「ロスト・ワールド」を特別にかけてもらったことがあるのです。

ロストワールドはストップモーション/特撮的な手法で恐竜を動かしています。映画の中のブラキオサウルス(首もしっぽも長いやつ)系の恐竜の動きを見ていると、長い首だけキリンのように持ち上げて、長い尻尾は地面にずりずり引きずりながら歩いているアニメーションでした。おそらく1925時点ではまだ骨格化石から「長い首と長い尻尾がある」というところまでが分かっていて、そこから映画のクリエイティブチームがSFとしてブラキオサウルスの見た目や動きを想像して作った人形だったのだろうと思います。

しかし、もし歩きながら尻尾を引きずっていたとすると足跡化石の足の間に尻尾を引きずった跡もないとおかしい、というのが後に分かります。そして長い首の重さとバランスを取るために、天秤のように尻尾も浮かせて、首と尻尾が水平になるような形で動いていたと考えられるようになりました。スピルバーグ版の首長竜は尻尾を引きずっていません。

つまり、化石の解析や科学で分かることが増えるにつれてSFの世界の造形も影響されて進化していくということ!(こういう話も好物)

2015年のコリン・トレヴォロウ監督版の「ジュラシックワールド」の時点では、レックスも鳥類の祖先だった説は既に定着していましたが、映画の中のティラノサウルスにはまだ羽毛は生えていませんでしたね。
爪傷のついたティラノサウルスに毛が生えるのはいつなのだろうなぁ。

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