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自由詩

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リーディングや投稿・寄稿で発表済の作品を掲載します。
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#PoetryReading

ハクモクレン抒情

ハクモクレン抒情

むせかえるほどにのぼせそうなほどに
街灯にやたらまぶしく照らされた人波
その流れをさかのぼって歩みを早める
こんなときくらいは強いシャチのひれでも欲しい

人混みの中をすり抜ける耳は
浮き立った会話たちのハイライトを拾う
遠くの水音が通奏低音のように
途切れずに近づいてくる

雑踏から取り残された一角に
ほてった頬を冷ます風が吹いて見上げれば
月の光を透かしてふわふわと揺れる
ハクモクレンはまだ終

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花束

花束

僕たちはまだ互いに優しくなるやりかたを知らない
月曜朝8時13分発 特急京王線新宿行き 満員電車
脱毛サロンのモデルが口を半開きにしてこちらを見ている
誰かの舌打ちが聞こえる
サラリーマンの肩越しにライブ配信アプリの画面が見える

僕らは互いの心臓のありかさえ知ろうとしないのだ
夜道をこちらに向かってくる人の
左胸が白く発光していたのを覚えている
それは左胸のポケットに入れたスマートフォンの画面

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