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第二回 もじかき練習帳 お題6[作品発表]

もじかき練習帳 お題6

お題6 以下の画像を文章で表現してください。


Photo by Artem Gavrysh on Unsplash

  1. 「青」それがこの店の第一印象だった。よく見れば、天井から吊り下げられた丸っぽい形のシェードランプは黄色や白なのだが。外装の窓枠も青。入口の扉の色も青。そして、店の前にたまたたま停められていただけであろう、小さなバスケット籠がついた自転車の色も青だった。


  2. 道路沿いに建つ青い枠が印象的なショップ。歩道に面した窓には四角やら丸やら色々な形をしたインテリアが置かれている。外には客人のものか、自転車が一台止まっていた。誘うように開けられているドアの奥は薄暗いが、不気味な感じはしない。むしろ、天井からあちこちにぶら下げられたインテリアライトの暖みを感じさせる光が、不思議さを演出していた。


  3. 昼も夜もいつもほの暗いその店は、明るい頃から無数の洋燈を灯している。一度入ってみたいと思うのだが、舶来の品なんて冷やかしですら畏れ多いと足がすくむ。そんな私を見て、ショーウィンドウの向こうのネコが、今日も呆れたように欠伸した。


  4. ハーイ!……ねえ、開店日、今日だって聞いていたけど?これは明らかに……そうよね、まだ無理よね。とりあえず、何とか大窓の飾りで雰囲気を出そうとしたその努力は認めるわ。でもアンティークランプばかり並べて吊るした所で、店内は鬱々としていて何を売ってるのか分からないし、客足も向かないよね。あと、店先に店主である貴方の自転車を止めるのはやめたら?単純に邪魔よ。移動させないって言うなら、私が乗って帰るけど。


  5. 通りに面した店内はぼんやりと薄暗く、温かみのある灯りに照らされている。色とりどりの灯りに照らされた店内は何を売っているのだろう?決して主張は激しくないのに自然と足が吸い寄せられそうだ。そういえば、店の前に止められた自転車は従業員のものだろうか?


  6. 何屋なのかわからない入り難く暗いお店にカラフルな装飾が何処か惹き付けられる雰囲気にも思う。明る過ぎず暗すぎない装飾のランプが外から見ると、ランタンが散らばって浮かんでいる様にも見えて何処か幻想的。


  7. 石畳の道路に面したその店が、目に止まった。くすんだ青い塗装は、経年によってその色を多少変えている。それがまた、中の無数のランプの明かりをより美しく見せていた。店の前には、一台のレトロな自転車がとまっている。常連のものか、店のものか。両手の親指と人差し指で即席の額縁を作る。撮ればいい絵葉書になりそうだった。首からさげた一眼レフを手に取ってファインダーをのぞく。
    カシャ。
    いい写真が撮れた。


  8. 自転車が置いてあるな、と視線を向けると、その近くには薄暗い建物があった。ドアも壁もガラスで出来ているから、中が見渡せるはずなのに、外の明るさと比較して薄暗い明かりが数個ついているだけのその建物の中は少しだけ薄気味悪いように感じる。まだ開店準備だというだけなのならいいけれど、店のドアが開いていることと飾られた色んな色をした雑貨が、余計に不気味さを感じさせた。


  9. 昼下り石畳を予定なくぶらついていると、はっと目を惹く青色を見つけた。何を売っているお店なんだろう。ひょいと覗けば、薄暗い店舗に浮かぶのは様々な色と形。明るいところから暗い中を覗くのは困難だ。よくよく目を凝らせば、ライトであることに気がついた。昼下がりに小さな星空に遭った気分だ。反対側の柵に立てかけられたレトロな自転車は、星空を往く特別製だったり。なんてね。楽しいことを考えながら、次へと足を向けた。


  10. 通りに面したブルーの壁のお店の前。それがいつもの待ち合わせ場所だった。
    なんでかって? そのお店はとても目立つからだ。
    店内は薄暗く奥までは見渡せないが、大きな窓ガラスからは色とりどりのランプが顔を覗かせている。まるで遊園地のようなわくわく感がある。


  11. 「オープン」も「ウェルカム」も、なんの札もかけられていない。灯りもついていなければ中に人がいる様子もない。けれど、開いたドアが入ってくるように私を呼んでいるかのように思えた。


  12. 古びた自転車に跨り、私はその店を訪れた。ブルーグレイの外壁は街の景観を損なうことはせず、それでいて埋もれるほどありきたりではない。店の手前にあるガードレールに乗ってきた自転車を立てかけて、店に入る前に窓から中を覗き込む。間口から小ぢんまりとした店内を想像したが、思ったよりも奥行きがあり、天井も高い。所狭しと置かれたライトにはすべて灯がともり、思い思いに輝いていた。


  13. 煉瓦で舗装された道路、商店街とも見えるお店はセレクトショップが立ち並んでいる。
    ゆるゆると続く上り坂を散策していると、ある照明のお店に目が釘付けになる。大きな窓から棚に飾られているライトや天井からランプが吊るされているのが見えた。
    奥行きが広いせいか、店内は薄暗く見え、天井のランプはまるで夜空に舞い上がったランタン祭りを思い浮かぶ。
    その祭りに参加するかのように、店内に足が吸い込まれていった。


  14. 早く早く!と母親を急かす子供の声に目を向けると、自転車のチャイルドシートから子供を下ろす女性と目が合った。ショップの窓に映る暖色の照明や飾りにウキウキするのは、大人も子供も変わらない。


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