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世界の終わりと世界の始まり

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世界の陰謀に巻き込まれた僕の物語。 現在、過去、未来、地球、宇宙、全ては繋がっている。 新しい世界への入り口に到達する為には、古い世界は終焉する。 希望が途絶えたその瞬間に、新し… もっと読む
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世界の終わりと世界の始まり〜あらすじ

世界の終わりと世界の始まり〜あらすじ

この物語は、奇数章と偶数章で主人公が異なる。

奇数章の主人公は、京都にある茶道の家元の娘、咲子の人生を描く。

咲子は、末っ子で比較的自由奔放に育ち、アメリカの田舎のおばの家で暮らしながら学校に通った後、ニューヨークの有名な出版社のジャーナリストとなる。

好奇心旺盛な咲子は、世界のシステムの真実を知りたいと願っていたのだ。

ある時、新しい大統領就任の取材のために、ワシントンD.Cにやってきた

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世界の終わりと世界の始まり 最終章 ワンネス   〜エピローグ

世界の終わりと世界の始まり 最終章 ワンネス   〜エピローグ

僕の身体は、今や消え果てた。
でも意識はそのままだ。

いや。そのままのようだけれど少し違う。
隣の子や向こう側にいる子みんなの意識が融合して大きくなっている。
近くにいない子も、地球の裏側の存在も全てがつながり、自分の意識が拡大されていく。

ああ、僕は僕であり全てなんだ。
全ては僕なんだ。

大きな意識の渦がゆっくりと綺麗な球体となっている。
それが僕であり、僕以外のものでもあるんだ。

ああ

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世界の終わりと世界の始まり 第十七章 約束

世界の終わりと世界の始まり 第十七章 約束

「さあ、子どもたちがここにやってきます!!救出作戦は成功です!」
白衣の男性が叫んでいる。

モニターでは大勢の子どもたちが、ホログラムの扉の前に集まっている。
子どもたちが、ソルジャーの指示に従って、ホログラムの扉に向かって進んだ。
すると、ホログラムの中に入った子どもたちは消えてしまった。

「えっ!!」
モニターを見て驚く咲子たちをさらに驚かせたのは、さっき白い戦士たちが出ていった扉から子ど

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世界の終わり と世界の始まり 第十六章 虹色のトンネル

世界の終わり と世界の始まり 第十六章 虹色のトンネル

僕たちは、虹色が渦のように動くトンネルの前で固唾を飲んだ。
ここに入っていくには相当な勇気が要る。
見たことのない世界に足を踏み出すというのは、崖から飛び降りるような気持ちだ。
けれど、ここに残るという選択肢が最悪なわけで、ここ以上の地獄はないだろう。
だから、促されるままに進むしかない。
この白い大男の助っ人たちからは、嫌なエネルギーは感じない。
むしろ愛のエネルギーと言えばしっくりくるような完

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世界の終わりと世界の始まり 第十五章 全てが明かされる時

世界の終わりと世界の始まり 第十五章 全てが明かされる時

咲子たちが固唾を飲んで見守る中、世界同時緊急放送が始まった。
世界中のテレビモニター、街中ビジョン、サイネージ、パソコンモニターに同じものが流れている。
先ほど、咲子たちが見たとおり、まずは大統領就任のセレモニーが、あたかも本当に行われたような映像、その後にそれがフェイクであったと分かる映像と共にアナウンサーによる解説が入っている。
出演者が、全て雇われたエキストラ俳優であること、新しい大統領やV

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世界の終わりと世界の始まり 第十四章 白い巨人

世界の終わりと世界の始まり 第十四章 白い巨人

「ハヤク ハシッテクダサイ!ソコノアナニ、ハイッテ。ヤツラニミツカラナイヨウ、ニオイケシマス」

不思議な粉をかけられて、薄い透明の布を僕らにかけた、、
僕らを、あの暗くて冷たくて、ジメジメした場所から、助け出してくれた白い巨人。

敵なのか、味方なのか、悪い奴なのか、いい奴なのか、そんなことはどうでもいい。

何日?何週間?手足を隣の子どもどおし、くくられて、動けないまま、
多分一日に二回、味の

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世界の終わりと世界の始まり 第十三章 目覚めるために

世界の終わりと世界の始まり 第十三章 目覚めるために

モニターに映し出された映像は、大統領就任式だった。
とはいえ、咲子は、そのハリボテの撮影場で見ていたので、もちろんそれが偽のセレモニーであることを知っている。

うまく編集されたセレモニーの映像は、誰が見ても本物だろう。
口パクの国歌斉唱もモニター越しだと迫力のある生歌だ。
セレモニーは順調に進んでいるし、偽物のVIPたちも、本物であることを誰も疑わないだろう。

咲子の他、この場にいる数名は、あ

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世界の終わりと世界の始まり 第十二章⑤罰ゲーム

世界の終わりと世界の始まり 第十二章⑤罰ゲーム

記念碑には、【2018年3月21日再開】と書かれていた。
そして、その記念碑の横のインフォメーションデスクに、新聞のようなペーパーの束が置かれていた。
『スミソニアン・イヤー』と書かれている表紙を見て、マイクも僕も絶句した。
発行年月日が書かれていたのだ。
そこには、2021年編と大きく書かれていた。

「あの、、これってなんですか?」
インフォメーションデスクにいるスタッフに尋ねた。

「ああこ

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世界の終わりと世界の始まり 第十二章 ④記念碑

世界の終わりと世界の始まり 第十二章 ④記念碑

僕とマイクは、訳がわからないまま、警部の指示に従って、本部と言われる場所に行くためにパトカーに乗っていた。

そこで、いろいろな取り調べをするらしい。

でも、本当に今僕たちがいるここが、2021年だとしたら、僕はまだ赤ちゃんで、もちろん日本にいるから、何も情報なんて出てくるわけもないし、マイクだって、本当の情報をカミングアウトしたところで、また嘘だと言われるだけだ。

それにしても、十一年前にい

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世界の終わりと世界の始まり 第十二章③2020年生まれ

世界の終わりと世界の始まり 第十二章③2020年生まれ

翌日、早朝に目覚めた僕は、ドキドキしながらポリスから声がかかるのを待っていた。

ニューヨーク市警からは連絡が来たのだろうか?
ママたちは捜索願届を出してくれてるよね?

そわそわしている僕にマイクが、落ち着くように促した。
「えらく早いお目覚めだな。そんなに落ち着きなく動かれたら、俺も寝てられないや。外でも見てリラックスしろよ。」

窓の外を見ると、柔らかな朝日の光に照らされた街が美しい。
小鳥

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世界の終わりと世界の始まり 第十二章②ポリス

世界の終わりと世界の始まり 第十二章②ポリス

ポリスステーションに着いた僕たちに、ポリスたちが軽食を用意してくれた。
それをガツガツと食べている間、さっきパトカーを運転していた方のポリスが、横に座って、話しかけてきた。

君たちどこで誘拐されたんだい?
僕は、早くママたちに会いたい一心で、即答した。
「ニューヨークです。五番街の高級デパートメントの中で、、、」

ポリスは驚いた顔をした。
「ニューヨーク?!ここはワシントンDCだ。連れてこられ

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世界の終わりと世界の始まり 第十二章①今いる世界

世界の終わりと世界の始まり 第十二章①今いる世界

保護された僕たちは、パトカーの後部座席に座っていた。
助手席に座っていたもう一人のポリスが後ろを振り返り、優しい笑顔で話しかけてきた。
「君たちお腹空いてるでしょ?これでも食べるかい?」と言って、チョコレートを差し出した。
僕たちは、お腹がぺこぺこだったから、がっついてチョコレートを頬張った。
「軟禁されてたって?本当に怖い目にあったね。どんなところだったんだい?閉じ込められてたの?詳しく話してく

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世界の終わりと世界の始まり 第十一章②夢か現実か

世界の終わりと世界の始まり 第十一章②夢か現実か

咲子たちは、”現場に向かう通路のエントランスの前”という場所へと移動した。
集まっていた部屋を出て、エレベーターに乗った。
地下に向かって降りていった。
エレベーターに乗っている時、通常の十階下ぐらいには下りた感覚だった。
エレベーターを降りると、そこは明るく、真っ白な壁と天井の廊下が前方に伸びていた。
しばらく歩くと正面に扉が見えた。
銀行の金庫に入る厳重な扉のようだった。
引率していた白衣の男

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世界の終わりと世界の始まり 第十一章①救助チーム

世界の終わりと世界の始まり 第十一章①救助チーム

ホログラムのプラネタリウムにいる咲子は、アルフレッドの話に耳を傾けているうちに、何か使命感のようなものが沸々と湧いてきた。

最初は、妙なことに巻き込まれた感しかなかった。
自分がこの地球のリセットに必要な者で、それが自分の遺伝子に関わると知らされ、壮大すぎる話だと思う反面、DNAのスイッチが入れられたような感覚がした。

そして、今から壮大な救出作戦が繰り広げられると聞けば、ジャーナリスト精神が

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