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【 仰げば尊し】の歌詞の意味を考える

仰げば尊し とは

【仰げば尊し/あおげばとうとし】は、1884年(明治17年)に発表された日本の唱歌です。1881年の「蛍の光」の発表から3年後の、1884年に「仰げば尊し」が発表され、代表的な卒業ソングとして歌い継がれてきた有名な曲です。
卒業生が教師に感謝し学校生活を振り返る内容の歌で、特に明治から昭和にかけては、学校の卒業式で広く歌われ親しまれてきたそうです。しかし、歌詞に昔の日本語が使われており、現代では意味を瞬時に理解することは難しい事等から、最近の卒業式では違った歌が歌われることも増えてきているようです。
 2007年(平成19年)に「日本の歌百選」の1曲に選ばれました。

私の祖母は昭和初期の生まれですが、卒業式にて「蛍の光」を在校生が歌い、「仰げば尊し」を卒業生が歌ったそうです。祖母の時代は、まだ小学校とは言わず、国民学校といったそうで、途中から小学校と呼ばれることになったようです。その後新制中学と呼ばれる、現在の中学校が出来たのだそうです。祖母の前の世代までは小学校までしかなかったとか。この世代の方がもし読んでくださっているなら、もっと詳しく説明していただけることでしょう。

祖母は、国民学校に通い始める時、地域のお店に赤いランドセルが売っていなくて、親が黄土色のランドセルを買ってきてしまったらしく、それは男子学生が背負う色だったようで、赤が良かったのにすごい嫌だったそうです。苦笑 

とはいえ、「仰げば尊し」は、「蛍の光」とともに小学校でも中学校でも歌った、思い出深い曲のようです。小学校の卒業式では、臙脂(エンジ)色の袴を履いたそうで、中学校はセーラー服。この時代からセーラー服があったんですね。私はセーラー服の学校でなかったので羨ましいです。少しずつ、時代背景が見えてきたところで、「仰げば尊し」の歌詞をみてみましょう。

仰げば尊し 歌詞

1.
仰げば尊し 我が師の恩
教の庭にも はや幾年
思えば いと疾し この年月
今こそ 別れめ いざさらば

2.
互に睦し 日ごろの恩
別るる後にも やよ忘るな
身を立て 名をあげ やよ励めよ
今こそ 別れめ いざさらば

3.
朝夕 馴れにし 学びの窓
蛍の灯火 積む白雪
忘るる 間ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば

1.
あおげばとうとし わがしのおん
おしえのにわにも はやいくとせ
おもえば いととし このとしつき
いまこそ わかれめ いざさらば

2.
たがいにむつみし ひごろのおん
わかるるのちにも やよわするな
みをたて なをあげ やよはげめよ
いまこそ わかれめ いざさらば

3,
あさゆう なれにし まなびのまど
ほたるのともしび つむしらゆき
わするる まぞなき ゆくとしつき
いまこそ わかれめ いざさらば

歌詞の意味

それでは歌詞の意味を考えていきます。

1.
仰ぎ見るほどに尊い 恩師へのご恩
学校の教訓を学んで もう何年も経った
思い返すと 学校生活の時が経つのがとても早かった
今まさに別れよう さようなら

2.
互いに仲良く過ごした友へのご恩
卒業した後も これらの思い出を忘れないで過ごして
自立し 世に認められ 励みなさい
今まさに別れよう さようなら

3.
朝から夕方まで 学び続けた学校
蛍の明るさや 積もった雪の光を頼りに勉強をした
忘れることなんてない 過ぎさった日々
今まさに別れよう さようなら   

1番の歌詞 いと疾し:“疾し”とは早いの意味
2番の歌詞 やよ:呼びかけるときに発する言葉の意味
「身を立て名をあげ」というのは、中国の「孝経」を踏まえ、立身出世を奨励しているということで、戦後の民主主義にそぐわないという考えから2番を歌わない事もある。その一方で、この一歌詞は、考道を実践し、心身の修養を目指す儒教的な道徳を歌ったものではないかと考えられている説もある。
3番の歌詞 蛍の灯火 積む白雪:昼も夜も勉学に励むことを称える故事成句「蛍雪の功」を暗示している。「蛍の光」でも【蛍の光 窓の雪】と歌われている。

先生を、学校を敬い、また、電気のなかった時代に苦労して勉強した時代背景がとても良く描写されていますね。
時の流れとともに、様々なものが発展し、値観感もまた、少しずつ変わってきているように思います。
でも、いつの時代も、先生や友達、過ごした学び舎との思い出は心に残っていますね。沢山の感情と向き合う、大切な年頃の経験だと思います。

今回は、教室にあったオルガンの思い出をきっかけに、オルガンがメインで編曲してみました。後半になるにつれ、楽器が増えていきます。どんな楽器が出てくるかも楽しみながら、聞いていただけると嬉しいです。

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Chiaki Matsuta

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