死んだらどうなる?人間は。
映画「とりつくしま」を観た。
何かの拍子に死んでしまったあと。
「この世に未練があるならば、何か物になって戻ることができます」と告げられ、
皆、大切な人の近くにあるものへと「とりつく」ために 紙に文字を書き、息を吹きかける。
・・・
私だったら、誰の近くの、何にとりつくだろうか。
たとえば、いますぐにでも死んでしまったとしたら
祖母や母の近くのものにとりつきたいな。
そのとき思いつく人はきっと自分のことを世界で誰よりも愛してくれた人だ。
映画を見終わってすぐに出てきた真っ直ぐな感想。
死後や死と生について描かれている作品が好き。
日頃から、生きることへ執着しすぎているから。
たぶん周りのみんなよりも、死ぬことを必要以上に恐れすぎているから。
死んだらこんなふうにもなれるかな。なれたらいいな。そういう風に思える作品が好き。
死んだ人にインタビューなんて出来るわけがないし、
わたしがいま消費できるのは、死など経験したことのない生きている人間がつくる作品のみだけれど、生きている人間が想像(創造)する死後の世界はとても身勝手だ。良い意味で。
一面に花が広がっているだとか、虹の橋を渡るだとか、願えばもう一度やりなおせるだとか。
死んだあとの世界はどうかこうでありますように、という人間の想いが大いに反映されていると思う。
だけどやはり私は、そのような作品を見ても
死んだら全部がまっさらになることを毎日恐れている。そうじゃない方がいいと願っていても。
全部がまっさらになるというのは、「真っ白」とかではない。真っ白ならむしろ救いがある方で、もう色とか形がなんにもない、記憶も、姿形も、私が私であることを認識しているこの魂も全てが、死んだらまっさらに消えてしまうのだと、本気で思ってしまっている。
だから、わたしは
死後の世界が身勝手に描かれている作品が好き。
そういうものを受け取り続けて、その瞬間だけでも、この得体の知れない恐怖をすこしずつ減らしていきたい。
今まで観たそういう類の作品の中で
思い出せるのは
・とりつくしま
・ブラッシュアップライフ
・リメンバー・ミー
・ソウルフル・ワールド
他にもあった気がするけど、これくらいだろうか。
(おすすめがあれば無限に教えていただきたい。)
全部がまっさらになってしまうと強く思い込む一方で、幽霊や神の存在はきっとこの世にあるだろうと信じている。
なぜなら私はすごく運が良いから。
この世で、死ぬまでに、あれもこれもやらないと、と何故か自分の心身が追いつかないくらい生き急いでいるから。
なにもできなかった自分を恥じ後悔し、あんまりにも泣き喚くから、仕方なくと与えられた2回目の人生チャンスを生きている人間の、生まれ変わりだと自分のことをそう思っているから。
私に何かあった時、神が見守ってくれている。
そして亡くなった祖父や犬たちがわたしのことを見ていると信じている。
雨が降っているとき、みんなが泣いているんだと空の上の人を想う。
今日も見守ってくれてありがとう。
まっさらにならないように、今世をがんばるね
そしたら会えると思うから
さて、今週末はビートルジュースを観ようかな。
また気が向いたら感想を書こう。