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365日美容師として生きていた自分

私が美容師になろうと思ったきっかけ。

それは私が高校生の頃、同じ弓道部の仲間で仲良くなったYちゃん。その頃の私は将来の進路に迷っていた。大学に行こうかそれか他にも違う選択肢があるのか?

その頃から、私は髪の毛をアレンジしたり、結んだり、編み込んだりするのが好きだった。

ある日、何かがきっかけで(多分、体育祭のリハで)Yちゃんの髪の毛をアレンジする機会があった。

弓道場という、場所も鏡もそろっているところで。

いつもは「私なんて可愛くないから...」みたいなネガティブYちゃん。

しかし、この日は違った。

鏡に映るいつもと違う自分。そして、その鏡を食い入るように見つめるYちゃん。そして、その日のYちゃんかはいつもみたいなネガティブワードは出なかった。

それから、数週間後に体育祭が行われた。応援団で衣装に着替えたり、ダンスをしたり、メイクをしたりといつも学校ではNGのことが、この日だけは許されるのであった。

そして、私も着替えた。髪の毛はロングの白髪ウィッグをつけるだけだったので、そんなに時間はかからなかった。だから、私1人手持ち無沙汰でうろうろしていた。そんなときふと、Yちゃんが私の目に映った。

「そういえばこの前、髪の毛してあげたとき、Yちゃんめっちゃ嬉しそうだったな...」と思い出した。私は自分のメイク道具とブラシを持ってYちゃんの目の前に行き、そして「ここに座って」と椅子に案内をした。

自分の時間がある限り、私はYちゃんのヘアーメイクに全力を注ぎこんだ。

その頃の私は、【ただ好き】っていう思いでだけで技術など、何もなかった。

今の私から、言わせると、「素人さんがよく頑張ったね」ということだが、当時、素人の私が美容師になるきっかけをもらった瞬間だった。

お祭り騒ぎみたいな体育祭。みんないつもと違う雰囲気、違う格好、違う髪型、違う何がより気持ちをオープンにそして、ハッピーにしてくれる。

そして、何より、私の中で輝いていたのはYちゃんであった。

みんなとわいわいしている中で、いつもと違う表情、いつもと違う話し方、いつもと違う言葉の選び方。私以外はきっとYちゃんに対して、そんなことはちっとも思っていなかっただろう。しかし、私だけはYちゃんに特別な感情があった。

いつもはネガティブなYちゃんがまるで別人のように見える。まるで、魔法がかかったかのように...

そして、その魔法をかける手伝いを私は一生懸命がんばった。

そして、体育祭が終わるとともに魔法も溶けていく...

その時、私は確信した。


美容師になろう!!


この体育祭の少し前のYちゃんとの会話

Yちゃん「自分のことが嫌い」

私「なんで?」

Yちゃん「死んでも全然いい」

私「はぁ!?そんな簡単に死ぬとか言うなよ。病気の人に失礼やで。(私がそうだったから。)めっちゃ生きたい人もいるんやで。(自分のこと)」

Yちゃん「私なんて全然かわいくないし、目だって細いし、太ってるし...」

私「じゃあ、可愛くなる努力した?痩せる努力した?努力してないのに、可愛くなれるわけないやん」

Yちゃん「・・・」

こんな内容だったような記憶が残っている。

それから、高校を卒業して地元に休みで帰ってきてる、Yちゃんに会うことができた。

Yちゃんは整形をしていた。

今でいうプチ。

その表情は明るかった。私は、少しだけ残念だった。なぜなら、私がYちゃんの心を美しくしてあげることができなかったから。決して、整形が悪いのではない。コンプレックスを取り除くことで、Yちゃんが自信を持って心が幸せになればそんなに嬉しいことはない。しかし。あと1年待っててほしかった。そうすれば、私が一人前の美容師になってYちゃんの心を美しくしてあげたかった。

それから、私はこんな思いを抱えている人を幸せにしたいと思うようになった。Yちゃんにしてあげることができなかったことを、他の「自分のことが嫌い」そんなYちゃんみたいな人を救いたい。

人は外見をキレイにそして、可愛いくなることで、内面も美しくなれるし優しくなれる。そして嫌いだった自分自身を少しでも好きになってほしい。

そうすれば、その人の家族や恋人、友達、そういう人たちまで間接的だが、笑顔にさせる気がしたから。

髪の毛を切ったりして外見を可愛くするのは、美容師ならだれでもできる。しかし、私は髪の毛を切って外見を可愛くした上で内面もきれいにしたい。内面をきれいにするのはどういうことなのか?

例えば...

仕事が忙しい会社員なら、シャンプーとマッサージで癒して、ここ美容室だったよね!?というくらい、気持ちよくリラックスさせてあげる。そして、朝のセットの時間が短く済むように、切ってあげる。

子育てが忙しいママなら、久しぶりの一人の時間だから、素敵な空間にしてあげたい。髪の毛はきっと子育てが忙しいから、束ねられて、お手入れがあまりかからなくて、すぐ乾くように、そして普段子供以外と話すことが少ないから、なるべく話を聞いてあげる。愚痴でもなんでも。そして、女性はしゃべるとストレス発散するから、なるべくいい質問をして、話を聞きだしてあげる。

学生(中学生から大学生)なら、きっとこうなりたいという希望が一番強いし、外見を一番気にしているお年頃なので、なるべく写真に近づけることが大事。そして、それから、今好きなことや興味があること、漫画、アニメ、などを聞いてみる。人って好きなものの話をするときってめちゃいい顔をするのだ。そして、私はその話を興味を持って聞いてると、紹介された漫画を読みなくなったり、アニメを見たくなったりすることもある。実際読んだこともあるし、見たこともある。

私にとっての心をキレイにするということは、心を軽くすることだったり、話を聞いてあげたりすることだったり、その人に興味を持つことだったり、応援してあげることだったり、違う目線でアドバイスしてあげることだったり、次来た時に前回のことを覚えておくことだったり、いつもと違う自分にしてあげたり、人によって違うけど、そうやってカット以外にも意識を配ると、みんな帰る時、最高の笑顔で「ありがとう」と言って帰ってくれる。

それが何よりも美容師をして嬉しい瞬間だ。

その最高の笑顔をみると、どんなに忙しくても、疲れていても、次のお客さんも最高の笑顔にして、帰そう!!って自分に誓う。

そんな思いでやってきた美容師時代。つらいこともいっぱいあったけど、私は美容師であったことに誇りを持っている。

今は違うけど、また、やりたいな...

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私の海外育児生活や今までの人生、家族、趣味について(すべて事実)をnoteに全部書いています。そして、少しでも私の記事がお役に立つことを願っています。サポートしていただいたお金は、母に軽自動車を買う費用にあてたいと思っていますのでよろしくお願いします。私に親孝行させてください。