マダムとのおもひで ①


精神状態が不安定のため、小咄から投稿していきたいと思います。 

本日は、マダムとのおもひで ①

私は4人部屋で入院しました。

メンバーは大人しいご婦人ばかりで、入院生活のマナーをたくさん学ばせていただきました。

医療ドラマにありがちなコミュニケーションこそなかったものの、皆さん物音たてず、静かにされていました。

マダムもそのご婦人方の1人です。

同じく抗がん剤の治療中のようでした。

入院に慣れているのか、非常にテキパキされており、医療用帽子もピシッと被られていました。

マダムは向かいのベッドでした。

ここまでがざっと マダムの紹介です。

かわって、私はというと、なんでこんな大きな病気になってしまったのだろうと、現実を受け止められず 悶々としており、看護師さんにも不貞腐れていた。

くわえて、窓際ベッドのため、色白命のわたしは照りつける太陽に、むしゃくしゃしていた。看護師さんに微笑む余裕がなかった。

締め切ったカーテンの中で、1人携帯ばかりいじっていた。


ある夜のこと、

私はお手洗いに向かった。

自分のベッドに向かう途中、病棟の窓ガラスにマダムが反射していた。

そう、全て窓ガラスに映っていたのだ。

マダムは大人しく寝ていた。

わたしは私は血の気が引いた。

夜中にひっそり着替えていた様子も、不貞腐れながらみていた動画も全て反射していたかもしれない。 そう思ったからだ。

メトロの電車内でも、背面がガラスの先に座らないように気をつけていた私が、こんな盲点に気づかなかったとは


その日以降、眠る向きを変え、カーテンを閉めるようにした 、 それまでのことは何も言われてないのできっと大丈夫だと言い聞かせている

つづく








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