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ちぇりからお店に:手洗いに使う洗浄剤についてなど

コロナが変えた世界の習慣

さて、ベトナムはコロナに関してひと段落した空気感。
ではありますが、あまりにもインパクトの強かった特殊事態に変えられた価値観や生活習慣が色々あったように思います。

その一つが、手洗い。

今回のコロナ騒動で、私たちは手洗いの重要性を改めて、強く学んだのではないでしょうか。

事実、コロナ対策で多くの人がこれまでより手洗いを慎重に頻度高くし、例年までよりインフルエンザの患者数が大きく減ったと聞いています。

お恥ずかしい話ですが、今回の事態下の手洗いが、これまで生きてきた中でもっとも丁寧で頻度も高かったと思います。お前はアライグマかというほど、しっちゅう手を洗ってた。


手洗い頻度が上がって気が付いたこと

今回のウイルスに関しては、界面活性剤を使った手洗いとアルコール消毒が有効、とのことだったので、外出時はいつでもどこでも使える、アルコールのシートやジェルを持ち歩いた方も多かったかと。

私もそれらを使うことはありましたが…苦手なんです。洗い流さない滅菌対策。それらの方法、対象の効力は奪えても、その死骸がそこに残ってる気がしてならないんですよね(苦笑)

除菌スプレーなんかもシュッシュとした後、そこにウイルスや菌が死屍累々となってる様子が想像されてスッキリしない。手のふき取りも、水でザブザブ流すのに比べたら全く清潔な気がしない。

これは「気がするだけ」で、その効力を否定するものではありません。が、可能な限り食事の前や、気が付いた時に水場があれば、水を流して手を洗うことを好みます。

特に飲食店で手を洗う場所がないことは稀なので、食事前には必ず手を洗いに行くようになりました。

そこで気が付いた。

飲食店のお手洗いに装備されてる洗浄剤、意外と重要視されてない?


飲食店の手洗い場にある洗浄剤

重要視されていない、というのは、洗浄剤を置いているかいないか、ということではありません。置いていないお店は論外。

日本で飲食店を営むには手指の消毒装置の設置が義務ですし、地域によっては、それに使われる洗浄剤の指定すらもされていると聞いています。

ベトナムは、消毒洗浄剤を備えることは義務付けられてはいないらしいのですが(飲食店経営の方が弁護士さんに聞いてくださいました。感謝)、エリアによっては義務付けられているという認識のお店もあり、それ以前に、小さなローカルなお店でも結構備えている所が多い、というのが私の印象。

コロナのずっと以前からデパート等街の商用施設のトイレでは、洗浄剤を使い丁寧に手を洗う人が珍しくなく、私の方がよほど雑だな、と思ったことが過去に何度もありました。

ただそもそも設置の義務がないので、洗浄剤の指定もあるわけではなく、置いてるものは千差万別。(でも多くの場所で洗浄剤は置かれていた)

というか年中暑い国ですからね。日本よりも不潔にすることでの食中毒の危険性が上がると考えられるし、その被害を被るのは他の誰でもない、そこで生活する人達で、且つ、医療体制の脆弱さ・個人の費用負担の困難さを考えると尚のこと、日頃の手洗いは合理的手段として重視されているのかもしれません。

話がちょっとそれましたが、そういうわけで、今回洗浄剤について書いているのは、それを置いているかどうかという話ではないのです。ではなんの話をしたいのよ、ってことなのですが…

香りです。

安全性の確保を問う時に、それは優先順位の低い話です。しかし今後も客の食前の手洗いありきで考えた場合これは結構大きいと思うし、この件がこれまでどの位、意識されてきたのかな、と、ふと疑問に思ってしまいまして。


香りは味の大きな部分を担います

今回の騒動が起こるまで、食べる前にはお手拭きで済ますことが多かったのですが、手洗いを心がけ、好むようになって気づきました。

食前に使いたくない香りの洗浄剤が、とても多い。

特にベトナムは、あまりに香りの強い洗浄剤が多い。そしてそれを使っている飲食店も多い。意図してそれを使っているのかいないのかは定かではありませんが、ちょっと聞いてみた所、ローカルの方の間では「よく泡立つ・香りが強いものが良い石鹸」的な価値観もたまにあるようで。

そういう洗浄剤を使ったら何が起こるかというと、食べる直前の手洗いで強烈な香りが手に残り、カトラリーを使う手は口元や鼻の近くにまで来るわけで、手に残った洗浄剤の香りが酷く食欲を削ぐのです。

特に人工的な強い香りは味覚を酷く狂わせて、時には一切食事をする気が失せる。無理に食べたところで、その食事の感想はフェアじゃなくなる。私敵意は、一食分の経験がフイになってしまうのです。それでレビューが書けなかったことも度々ありました。

属人的な感覚なので気にならない方もいらっしゃるとは思いますが、香りは味覚の多くを占める。それは事実。ですから、どういうものを客に使わせているのかはお店の姿勢、お店の料理に対する姿勢を表す一部、と、私は見ています。

ちなみに私が知る、飲食人の方々に尋ねたところ、置いてはいるけど「どんなものを置いているのか」までは把握していないケースもあり、またそれを指定・監修しているお店は多勢ではありませんでした。


私、個人のソリューション

そうはいってもこんなことを一客が主張できることでもない。お店のルールや備品の選択はお店が決める権利を持ちます。当然こちらが指図なんてできることではありません。

そこで私は、自分が使い易い洗浄剤を持ち歩くことで、自分にとってのこの問題を解決してます。

しかしながら、持ち出しを忘れることもありますし、外出途中で使い切ることも。そうなると、お店が備えたものに頼るしかない。そこで、食事の邪魔をしない香りの洗浄剤に遭遇すると、とても安堵するのです。

客が指図できることではない、としつつも、敢えてここに書いたのは、この話をした時に、私の周りの飲食人は即座に自店の現場を確認し、必要な対策を取られていたから。

日本の、洗浄剤が指定されていると言うお店も、それは保健所などの規定をクリアするもの、と言う側面もあって、それに加えて他のものを置いてはいけない、と言うわけではないようですしね。

そんなことは最初から対応をしている、と言うお店には全く余計なお世話ですが、日頃敬愛する飲食人の中にすら、「あれ?どうだったかな?」と確認をされていたところがチョイチョイあったので、もしかしたら意外と盲点なのかもしれないな、と思い、老婆心ながら。


…………いえ。

白状します。
本当のところは、

「料理の味を邪魔しない洗浄剤を置いてくれるお店が増えるといいな」

と言う下心が満載です。
口やかましい客の意見ではありますが、もしも、一考の余地があると思って下さるお店の目にとめてもらえたら幸いです。


2020年5月10日
ちぇり

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