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2024年4月の記事一覧
【恋愛私小説】恋する青の鎖鋸1章⑦「好意破れてなお続く」
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二〇二二年二月二八日。
今日は吹奏楽団の定期演奏会だ。コンクールに参加しない我々にとって、この演奏会は一年の集大成を示す場でもある。
先程、最終確認を終えたため、後は三〇分後に迫る本番を残すのみだ。始めはホールの控室で待機していたが、緊張ゆえに逆に開き直ってしゃべり倒す面々についていけず、一人舞台袖で楽器と時間を過ごしている。
奏者も観客もいないステージは、輝