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持続可能性とファインダイニング

昨今持続可能性という言葉がさまざまな分野で使われるようになりました。
料理の世界にも然り。
ファインダイニングのレストランで働いていると、本当に驚くほどのゴミや廃棄が出ます。
なるべくそういうものを抑えようとはしていますが、出さざるを得ない場面もたくさん。
恐らくそれはこのジャンルの料理のコンセプトに逆行することかもしれません。だって、お客様はちょっと日常から離れたような贅沢な食体験をしたい、そんな気分でくる人がほとんどだから。
でも、(持続可能性に沿ってそういう料理をすることは)多分できないことではないとは思います。
それは効率を抑えることにもなるかもしれませんが。
レストランのキッチンはスピードが勝負。スロークッキングなんて言ってられませんが、そこのところのバランスを考え出せたら、それはすごい発見になるかもしれません。
あとは、キッチンで働く人たちの持続可能性。
前にも書きましたが、バンクーバーのレストランのキッチンは高級店でもほとんど若者しか働いていません。コロナ以降はとくに30前後くらいでみんな体力の限界やプライベートの時間のなさ、将来の見えなさに気がつき、失望して別のもっと稼げる仕事に就いたりします。
雇用主にしたら働き手はいくらでもいるし、高い給料を払わずに済むからいいのでしょうけど。。この悪循環はなんとかできないものでしょうか。
と、休日にそんなことを考えていました。
私は料理が面白いし学びたかったし、そんな将来のことなんてあまり考えずひたすらに働いてきて、ふと気がつくとみんなかつての同僚たちはレストラン業界を離れていたのです。
先日は道端で10年くらい前の職場のメンターにばったり遭遇。そのシェフも然り、過去には海外のミシュランスターレストランで働いたりしたのに今はシェフをやめて看護師。シェフ業を経験したらストレスにたいする精神の耐性が鍛えられているから病院でも役に立つかもしれませんね。
彼曰く、俺たちの世代(40くらい)で今もシェフをやってる人は何人いるんだろう?という話。私くらいかもです、、
そんなこんなで、どうするかなあ、と思っていたこの数週間でしたが、なんとちょっと新たな目標ができて、私にしては珍しく(?)それが先々につながっていくようなものなので今からちょっと勉強やリサーチに励んでいます。
考えてみたら休日なんだからレストランについて考えるのはこのくらいにしておきましょう。。

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