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シェフ、料理研究家でありながら帽子制作を趣味としています。 在住歴約20年、バンクーバ…

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シェフ、料理研究家でありながら帽子制作を趣味としています。 在住歴約20年、バンクーバーでの生活、仕事、日々興味を持ったものなどランダムに綴っていこうと思います。

マガジン

  • 料理手記

    シェフとしてレストランで働くゆえ、自宅で料理をすることがあまりなかったのですが、病気を機に出勤する日もバランスを考えて食事を摂ることにしました。 出勤前後に簡単に食事を作れるように、休みの日に作り置きしたものを載せていきます。スープや煮込み物、ベイキング系が主です。

  • low key - バンクーバー在住の料理研究家の日記

    レストランのキッチンで働く料理研究家の奮闘エッセイまたは体験記。バンクーバーを中心とした欧米の飲食文化なども交え過去現在、ランダムに思い出したことを綴っていきます。

  • 私的文化。気に入っているものなど。

最近の記事

面白い仕事というのは。

仕事を楽しいかと思えるか、と前回書いてちょっと腑に落ちなかったので書きます。 仕事なんてやりがいがあっても楽しいとかでは無い気がします。 面白い、という方がしっくりくる。 なんというか、難題に取り組んで苦しんだりしながらもクリアーできるから楽しいと感じるわけで、すごく楽しいわけではない。 私的に仕事を選ぶ時は楽しいことより達成感や満足感が大切なのかもなーと気がつきました。まあ、楽しいことも満足感の一つといえばそうなんだろうか。 今はその難関に突き当たってどう乗り越えるかリサー

    • 泣きながら仕事をしてみた。

      と、書くと大ごとみたいですが、今考えたら笑えます。 情緒不安定を抑えきれず不覚にも部下の前でおいおい泣いてしまいました。 特に職場の誰のせいでもない、なんで自分できなくなっちゃったんだろうという喪失感やら、失望感、自信喪失、などなどがどわーっとやってきてとまらなくなった。 部下にどうして泣いたのかを話したら理解してくれました。 そして今後どうやって働いていくか話し合うことができました。 怪我して一ヶ月半休んで戻ってきたら部下たちが成長していてもう自分の立場がなかったように感じ

      • Coming in from the cold。

        先日も書いたようにケガの復帰に時間がかかっていて、どうも100%自分らしく振る舞えない上に軽く情緒不安定なのをなかったように振る舞いながら仕事をしています。 というか、職場の人にはそういう面でも調子が悪いことは伝えてあるのでみんな理解してくれていますが、仕事中は自分でも忘れたいのでなかったように振る舞っています。仕事に行ってみんなと話して笑ったら結構復活してきました。ああよかった、、 家に帰ってからふと、この曲を思い出しました。Bob MarleyのComing in fr

        • 疲れたら働きすぎないこと。

          怪我からの仕事復帰を頑張りすぎて、マイルドにメンタルにダメージが来てしまいました。 情緒不安定。日に数回泣きたい気分がやってくること一週間。これが始まったのが先週の土曜日、日曜はなんとか仕事をしましたが、火曜に自宅でもちょっとストレスフルな状況があり、やっぱり無理だなあ。。と思って今日木曜日は働くはずだったけど、休暇をとってカウンセリングを受けました。 昔はメンタルにダメージなんていうと人から引かれたりしましたが、バンクーバーでは結構よくあることでまあ、軽度ならばちょっとした

        面白い仕事というのは。

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        • 料理手記
          12本
        • low key - バンクーバー在住の料理研究家の日記
          50本
        • 私的文化。気に入っているものなど。
          27本

        記事

          できていたことができなくなったその瞬間。

          リカバリーしながらの仕事復帰、フルタイムに戻って二週間目。 私の仕事はシェフなので以前のスピードで働きたいのに、なぜか前のようなスピードが出ないし、色々基本的なことを忘れている。 最初は強がって認めていなかったけど、たった一ヶ月半で本当に何もかも忘れてしまったかのように仕事ができないのだ。 足の怪我で2−3週間ほぼ寝たきり、その後もしばらく歩くことができなかったことで自分が思っていたよりもずっと体力も落ちてしまったようです。脳も退化してしまったかのように働かない。というか、ス

          できていたことができなくなったその瞬間。

          一生の思い出がまたひとつ。

          色々なレストランで働いてきて、それぞれのお店で良い思い出がたくさんありますが、今日また一つ素晴らしい思い出ができました。 一ヶ月以上のリカバリー生活から三週間かけて少しづつフルタイムに戻る計画を実行して、今週がそのフルタイム最初の週でした。 病み上がりから速攻、大きなイベントの週末で満員御礼、客数的にはお店の記録更新だったかもしれません。 しかし若者のパワーというか、情熱はすごい。 なんだろう。ああいう私もいたよなあとか、遠い目で見てしまうけど、、 私にはあんな情熱はないし、

          一生の思い出がまたひとつ。

          時代が変わったのかもしれないと思った日。

          やーっと仕事に復活しました。足の調子を様子見しているので、まだフルタイムでは働けないのですが。 私のいない間に18歳の子がキッチンに入ったようでその人の年齢を聞いて驚きました。料理を始めて1年くらいらしく、調理師学校も二件行っていて情熱があるんだなあと。私もそのくらいの年に料理の世界に入りたかったなあ、などと心の中でぼやきつつ、自分の料理業界歴の長さに自分で改めて驚いたり。 私が知ってる料理の知識は全部レストランで働いて体得してきたものです。 今まで働いてきたレストランはほと

          時代が変わったのかもしれないと思った日。

          来週からお仕事復帰。

          労災から6週間。ようやく普通に歩けるようになってきましたが、しかしながらまだ長距離は怖い。。 痛みはないものの、1時間歩くくらいが限界。そのくらい歩いたあとはちょっと足が痛い。 脳ではもっと歩けるぞーと思うのに、体はそれについていけていない。 完全に前の状態に戻るには多分あと2ヶ月くらいはかかるようです。 念願の仕事復帰も来週から。 足もだけど、体力が心配。笑 ワークセーフの計画的なプランで、週数時間から始め、ゆっくり元の時間数に戻るということなのですが、一週間様子見て次の週

          来週からお仕事復帰。

          選ばれし者、だったのかもと思った日。

          労災から5週間目です。 全く歩けなかった頃はなんで私だったんだろうなどといろいろ暗く考えたりしましたが、やっと昨日松葉杖無しで少し散歩することができ、気持ちも呑気に構えられるようになってきました。 外をゆっくりと歩いたのは一ヶ月ぶり、雨上がりで見慣れた近所の風景が一層美しく思えました。 歩きやすくするためにまだ踵も上底しているので15分ほど歩くと足に疲労と多少の違和感を感じたのですぐ家に戻りましたが、外を歩いてこんなに感謝と感動を覚えたことはありません。 と同時に、こういうこ

          選ばれし者、だったのかもと思った日。

          やるじゃねえか。とつぶやく。(ちなみに私は女性ですが)

          労災から一ヶ月、私が仕事を休んでいるうちに部下たちは着々とがんばっているようで、同僚が彼らの作ったスペシャルの写真を送ってくれました。 びっくりするくらい綺麗にできている。 価格的にはちょっと物足りないけど、花丸をあげたい出来栄え。 まあ、先日のミーテイングでちょっといさかったけど、そんな懸念はどこかへ消えました。 やるじゃねえか。。(おばさん通り越しておっさんです) いやいや。若者のパワーってすごい。羨ましいな。 早く治って彼らと共に働くのを楽しみにしているのです。

          やるじゃねえか。とつぶやく。(ちなみに私は女性ですが)

          ワークセーフ申請の手順を書いてみる。

          労災にあってあと2日で一ヶ月。いまだに仕事復帰できてはいませんが、自宅療養でぼーっとしていられるのも国の労災がしっかりしているからです。 怪我の経過を書くことでこの街に住む人の参考になればと思って割と赤裸々に書いていましたが、気がついたら愚痴になっていた部分もあり、あんまり良くないなーと思ったので、いくつかは消しました。思い直して役に立ちそうな内容を書こうと思います。 怪我をした際に自分が手順を知らなかったことで申請が遅れたので、バンクーバーに住んでいる方々のお役に立つように

          ワークセーフ申請の手順を書いてみる。

          バンクーバーの医療体制に物申すパート2。

          労災から4週間目突入。足の怪我は回復に向かってはきているものの、いまだに足をひきずってしか歩けません。 仕事がレストランのキッチンなのでフィジオセラピストからも、医師からも、ワークセーフからも、職場のボスからも100%治るまで仕事に戻るなとのお達し。まあ、そりゃそうです。なんかあってさらに怪我でもしたら元も子もない。(しかし元も子もないって語源はなんだろう?) ありがたいことにお給料はカバーされているのでまあ、休んでもいいんですけどね、退屈なんです。社会から置いてけぼり感満載

          バンクーバーの医療体制に物申すパート2。

          シンプルなものほど新しく良いものを生み出すのは難しい。

          レシピでもデザインでも、シンプルなものほど良いものを作り出すのは難しいと思うのです。 先日のミーティングを踏まえて、今後レストランでのメニューのレシピはできるだけ細かい技術を伴わないものにして行こうと思い直しました。というか、今までもそんなに大変な技術は使っていないつもりだったのですが。。 ブランチだけどレストランだしと思い、作るときに面白い工程を取り入れたレシピを作ったのは私の間違いでした。複雑すぎて部下が着いてこれなかった。汗。確かにブランチでそんな凝ったものを作ろうとし

          シンプルなものほど新しく良いものを生み出すのは難しい。

          バンクーバーにすごいレストランができそうです。

          労災にあってから、かれこれ二週間が過ぎようとしています。 いまだに足が動かせないので、暇に任せてというか、リサーチを兼ねてネットを閲覧していたら、とても楽しみなニュースを見つけました。 東京はフローリエージュで長年働いていたシェフの方と、同じく東京のレフェルベソンズ、カリフォルニアのシングルスレッドでペイストリーシェフをされていた方がなんとバンクーバーにレストランをオープンするとか! 実は業界絡みで少しその話は聞いたことがあったのですが、そのお二人だったとは。 バンクーバー

          バンクーバーにすごいレストランができそうです。

          ベネフィットでカウンセリングを受けてみた。

          労災にあって一週間。暇に任せて経過を書いています。バンクーバーに住んでいる働く日本人の方々の万一の時の参考になれば幸いです。 カナダは労災保険の制度が良いのでほとんどの経費や失った労働時間などはカバーされます。 ただ、この組合(っていうんだろうか)ワークセーフは全てをオンラインで申請できるわけではないので多少面倒なところもあります。 治療費などのレシートは紙面で郵送かFAX。いまどきFAXつかってる人がいるんだろうか。。 ま、カバーされるだけありがたしです。 さておき、今働い

          ベネフィットでカウンセリングを受けてみた。

          バンクーバーの医療事情に物申す。

          小さな事件に巻き込まれ怪我して一週間。 バンクーバーの医療事情の悪さには毎回驚かされます。アメリカの補償無しよりはましだし、保険で医療費がある程度カバーされているだけでもありがたいとは思いますが。。日本と比べると、医療関係の便利さは雲泥の差。 今回は病院のemergencyに2回行ったのですが、1回目、歩けない状態で受診したのにX-rayやMRI 検査もなし。立ってするエクササイズのアドバイスを受けましたが、支え無しで立てないのにどうやって? 帰りも松葉杖ももらえず、聞い

          バンクーバーの医療事情に物申す。