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森の食材を探す。

春になると森に行き、食材を探すのが私の例年行事です。と書くとマタギの人か精進料理の僧侶のようですが、私は料理家です。
去年の春は飲食業関係のセミナーに参加するためデンマークに行っていたのと、その後コロナに罹ったりで体調が不安定だったので春の森に出かけるのは二年ぶり。
コロナに罹ってからすっかり免疫力が弱くなってしまい、最近も肺炎を起こしたりしてなかなか森に行く決心がつかずにいましたが、暖かくなったのでいざ出陣。
久しぶりのいつも採取している木々に挨拶。変わらずそこに健全でいてくれることに感謝。
まだ時期が早いので花などは採取できませんでしたが、若芽を二種類採ってきました。
バンクーバーはハイキングができるような大規模な森林公園が沢山あり、その中の一つに行ったのですが、採取の間に通りがかりの人から何をとっているのか何度も質問をされました。やっぱり不思議ですよね、野生の木の芽を採ってるアジア人。。笑
あとは子供にも話しかけられ、木の芽は公園にいる野生のウサギの大好物だという情報も得ました。と、同時にウサギが私の足元にやってきてうろうろし始めました。人間のツボを知っているのか、後ろ足立ちして私のバックパックの紐を顔に近づけたり、愛嬌を振り撒いたりするのです。こんなに愛想がいい(?)野生のウサギに会ったのは初めてです。普通は警戒心が強く、人の足元に寄り付いてきたりはしないのですが。
採取の目的はレストランとのコラボレーション企画があり、そのイベント用なので手早く採取しなければならないものの、可愛さに負けて少し木の芽をそのうさぎにお裾分けしました。
目的地をいくつか回って、花スグリが芽吹いているのを見つけました。
この植物は葉も花も香り高く、大好きな樹木のひとつです。
採取に夢中になっていたら肌寒くなってきて、気がつけば夕方になっていました。
自宅に帰って調理保存し、小さな付け合わせが二つできました。イベントは来月なのですが、これらの木の芽類はピクルスなどにすれば長期保存できるのです。
あと二週間もすれば花のシーズンです。花の採取は楽しく、毎年楽しみにしているのです。

花スグリ



愛嬌の良い彼奴

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