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結局、人は見た目で判断してしまうのだろうか

最近またどうしても、自分の"見た目"が気になってしまう。

"見た目"というと、体型とか顔とかコンプレックスを抱いているパーツとか、色々なものを想像すると思う。もちろんそれらも気にはなるけど、私が最も気になるのは自分の"目"だ。


"自分の見た目が気になる"。それ自体は、昔からあるけれど。


元々、生まれつき両目ともに内斜視が酷かったらしく、私の記憶のない頃、2歳か3歳くらいの時に、病院のベッドに両手両足を固定されて、目の動きをコントロールしている"眼筋"を切って調節する手術を受けているらしい。

小さい頃、小学校中学年くらいまで、私自身はいつも真っ直ぐに前を見ているつもりが、少し右目より視力の良い左目を無意識にメインに使っていた(右目を使っていなかった)ために、常に左目が前で、顔が大きく右を向いていた。今はもうさすがになかったかもしれないけど、成長してから昔の写真を見てみると、見事に全て顔が傾いている。真正面を向いている写真がなかった。

ただ、小6の頃だったかな、視力検査でひっかかって、眼鏡を作るように言われ、眼鏡をかけ始めたときから、顔が真っ直ぐに前を向くようになった。

でも、やっぱり周りの子達の前で斜視が出た時には、小さい頃だと驚かれたり、目が怖い!って言われたりすることが多かった。あるいは、不思議がられたり。

成長して大人になるにつれ、"怖い"、"無理"、"気持ち悪い"と感じる人は、表情に出たり、思い切り顔を反らしたり、あるいは怖いとか言いながらどこかに逃げていったり。あるいは、目も合わせず完全に無視してきたり、目を見ないようにしている人もいる。

結構前からだけど、仕事でペアの人も、多分、斜視は受け付けないというか、無理なようで。鼻から下は基本、マスクで見えないから、やっぱり目が、斜視とかが怖いんだろうな、と。目を合わせて話して相手の反応を見ると、慣れていても傷つくし、"あ~、やっぱり人と違うって、こんなに受け入れられないものなんだな。世の中の人達にとってはスタンダードじゃないんだな~"って思ってしまった。症状の度合いは様々だけど、世の中、斜視の人なんて、大勢いるだろうに。それも"違い"であって、"個性"であって、"普通"であると思うのに、まだまだ世の中にとっては普通じゃないんだなあ。悲しいこった。

ほんの小さなことでも、世の中の"ギャップ"はこんなにも身近にある。こりゃあ、世の中のスタンダードや、見方が変わっていかないわけだよね。


最近ちょこちょこ色々書いているけど、こういうことはあまりオープンにはしたくなくて、でも、ここ最近の心のモヤモヤと、複雑な感情と悲しさを、どこかに吐き出したくて。

特に誰かと目を合わせて会話をする時が一番気を遣うし、少しでも視界がブレたりすると自分の目がどんな状態なのか気が気でないし、外斜視が入っている方の目をコントロールするのに物凄くエネルギーを使う。相手が、私の目がおかしいことに気付いた時にどんな反応をするだろうかと思うといつもとても怖いし、人と目を合わせて会話をすることに対して、また臆病になっている。いや、"また"じゃない。心の奥底ではきっといつもそう思っている。

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ここから、私の小さい頃のことと、成長してからの悩みについて、少し振り返ってみる。

記憶のない頃に眼筋の手術を受けたあと、昔、幼少期に何年か住んでいた名古屋で、母親がずっと私を眼科に連れていっていた。そこで、私はずっと1年以上かな?長い間、眼科に通って、両目でものを見る訓練をさせられていた。

当時の私は全然、事情もまったく把握してなかったかもしれないけど、"たとえ斜視であったとしても、ちゃんと両目でなるべく自然にものが見れるように"という両親の想いで通わされていた。

でも、当時の私からしたら、それは苦痛な時間でもあった。

結局、おそらく1年以上かな?眼科に通って、医師から"もう大丈夫ですよ"のOKが出たのか、どうだったかはわからないけど、長い眼科通いが終わった。


私は、名古屋にいた頃の、この眼科通いの訓練の時間があったからこそ、普段はある程度普通に、自然に両目でものを見られている。


ただ、成長して、今みたいにスマホやPCをよく触るようになったためか、目がさらに悪くなった。まあ、0.1以下とかではないけども。元々斜視がある分、ものを見るときにピントを合わせることも、合わせ続けることにもかなりの労力を使うし、見る角度によっては見辛いとかしょっちゅうある。だから、さっと人と目を合わせる時に、右目がの外斜視が出てしまったり、ピントがブレたりすると、明らかに自分でわかるし、内心冷や汗をかく。怖くて仕方ないんだ。


大学くらいから、基本的には両目でものを見ているけれども、右目がうまくコントロールできない。痛い。違和感がある。

ふとした時や疲れている時などにも、知らず知らずのうちに外斜視が出てしまう。あとは、昔から、眩しいものが苦手だった。主に太陽光とか。まともに目を開けていられなかったし、開けられたとしても真っ直ぐには見れなかった。くもりの日は、大丈夫だった。

でも、視力の低下か、大学の時には、ついにくもりの日でも目を開けているのが辛くなってしまった。あれだね、これはスマホのせいだろうけどね。自業自得かな。。現代社会では、みんな目を酷使しすぎている。


こんなことが常にあって、コントロールしづらいけどなんとか真っ直ぐに見ようと必死になるから、右目の疲れが酷くて。

普通に両目でも見れるけど、斜視がコントロールできなくて、目が痛い。目の疲れが酷い。

大学の時だったかな、社会人になってからだったかな、忘れてしまったけど、あまりにもそれが辛くて、ネットで調べて、都内で結構遠かったけど、一度良さそうな眼科に足を運んだ。


初診で待って、検査をしてくれる人に呼ばれて、どうしましたか?と聞かれたので、"元々し斜視があるんだけど、普段は普通に両目で見れている。けど、最近特に斜視が酷くてコントロールできなくて目が痛くて辛い。"みたいなことを話したんだっけ。

そうしたら、検査をする人に少し驚かれた。そして、こんな感じの会話をした。

"まず、普通は、生まれつき斜視の人って、斜視じゃない方の目だけで見るように、脳が勝手に認識してコントロールしていくので、自然と斜視でない方の目だけで見るようになるから、そもそも両目で見られない状態が普通なのね。だから、今話してくれたみたいに、両目で見るのが見辛いとかっていうことが、まずないんだよね。"

私"へぇ~。。そうなんですね。"

"ちなみに、小さい頃に、目の訓練とかって受けられましたか?"

私"はい、受けました。小さい頃、名古屋に住んでて。結構長いこと通って訓練してました。"

"なるほどね…だからか。実はね、目に関する治療や研究って、東日本よりも西日本の方が進んでて。普通はね、斜視の人って、両目でちゃんとものを見れないはずなんだけど、今ずっと目を見てると、かなり普通に両眼視しているから、気になってね。そういうことだったのね。"

私"はぁ。。そうなんですね。。"

"ちなみに、両目で見る訓練はしてしまっているし、それで普通に見れていること自体はいいことだから、斜視が気になるからといって、下手に眼筋を切って調節するようなことをするのはやめた方がいいし、リスクも高い。だから、普通なら悩まなくていいはずのところを悩んでいるところ、申し訳ないけど、具体的に対処できる方法はないんだよね。。"

私"そうですか。。わかりました。"

"でも、あえて1つおすすめするとしたら、今眼鏡かけてるけど、眼鏡だとフレームがあるから、見る角度によってはどうしても死角というのができる。その死角があることで、実は角度によっては、片方の目でしかものを見ていない瞬間ができるのね。だから、なるべくちゃんと両目をバランスよく使って見るのであれば、コンタクトにすることをおすすめするよ。"

私"コンタクトですか。。今までも何度かそんな感じのことを言われてきてますが、目が乾いたり、目の中に異物を入れることにどうしても抵抗があるので…"

"であれば、ちょっと厳しいかもね。まあ、無理強いはしないし、そういう選択肢もあるってことは覚えていてほしいかな。"

・・・と、またもや回想が長くなってしまったけど、思わぬところで貴重な話が聞けた。そうだったんだなぁ。

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たしかに、斜視を1回見て怖がってすぐに逃げていく人や離れていく人もいるけれど、もちろんそうでない人も沢山いる。

昔、"斜視見て驚かないの?"と聞いたら、"え、なんで?べつに驚かないよ。"と言ってくれた子もいた。

あるいは、既にある程度付き合いがあるけれど、ちゃんと話したりはしていない子もいたりする。どこかで気づいているかもしれないけどね。

でも、そういう相手には、打ち明けても大抵の場合は問題ないことが多い。びっくりはされるかもしれないけど、そうなんだ~、大変だね~とかで済む。

多分、今大人になって、自分の周りにいたり、付き合いのある人達は、打ち明けてもおそらく大体そんな感じだろうと思っている。(たぶんね、わからんけどね。)

簡単に、見た目が怖いとかで判断されてしまうのはとっても悲しいことだと思う。

でも、逆にいえば、そういう反応を返してくる人というのは私にとってはそれだけの相手なのかもしれない。

ちゃんと、私自身のことを、私自身の本質を見てくれる、見ていてくれる人達しか、残っていかないと思うから。

見た目で怖がられるのって、凄く損しているな~と思うけど、意識していてもどうしようもできないことだってある。

だから、ありのままを受け入れてくれる人達が、ちゃんと残っていけばいいと思う。



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