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天下統一 恋の乱SS

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note限定の恋乱ショートストーリー置場
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#織田信長

CORE PRIDE【織田信長】-天下統一 恋の乱- ✎

燃える城の中に鯉口を切る音が響く。

目の前の男は慄き、魔物でも見るかのような顔つきで見上げている。

刀を抜くと、その刀身は蒼く美しい輝きを放った。

「ひぃ…」

男が声を上げると同時に、俺の手にある刀が風を切る。

シュッ

軽い音と同時に、男の頭上にあった髷が地に落ちた。

「去れ」

冷たく言い放つと、男は慌てふためきながら俺の前から立ち去った。

「御屋形様…よろしいのですか?」

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EVERY【織田信長】-天下統一 恋の乱- ✎

※天下統一 恋の乱の二次小説です

ヒロインの名は陽菜です






信長様にお客様が来ていると聞き、私は広間へお茶と茶菓子を持っていった。

広間からは何やら早口の言葉が聞こえてくる。

(聞いたことある声…もしかしたら)

襖を開けると、想像通りそこにはフランシスコ・ザビエールとルイス・フロイスがいた。

「ザビちゃん!ルイちゃん!お客様って二人の事だったのね」

「あら!陽菜!元気ソウね」
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愛してる【織田信長】-天下統一 恋の乱- ✎

信長さま外伝の後日談です

ヒロインの名前は陽菜です










俺は光の中にいた。

眩さに目を凝らしていると、目の前に死んだはずの…俺が自ら手にかけた弟の信行が現れた。

「兄様、お探ししておりました」

信行は屈託のない笑顔を俺に向ける。

「美味しい饅頭を手に入れました。兄様に召し上がっていただきたく…」

そう言って饅頭を一つ俺に差し出した。

「一つしかないではないか」

「え
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何時かの君へ -美しい人- 【織田信長】-天下統一 恋の乱- ✎

天下統一 恋の乱 信長さまのSSです






「こんぺいとうを…寄こせ…口移しで…だ」

背中に受けた矢の痛みが増す中、私は震える手でこんぺいとうの小瓶を取り出し、口に含んだ。

信長様にそっと口づける。

今までにはないくらい、甘い口づけだった。

「信長さ…ま…生まれ…変わっても…また貴方と…」

「俺以外の男と…契る事は…ゆる…さん」

いつもの強い口調に笑みが溢れる。

「はい…」  
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IMPACT 【織田信長】-天下統一 恋の乱-✎

怪しい宣教師達は言う

神は貴方の側におわすと

ならば…ぱらいぞ(天国)は実在するのか?

誰も見たことも無いものが、本当に存在するのか

誰も見たことも無いのなら、己が手で作るだけ

この世は見えるものこそが真実

目に見えぬ『愛』というものがあると言うのなら

貴様自らの手で証明してみろ

この俺に感じさせてみろ

その『愛』とやらを




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MoShowと
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大好きだよ。【織田信長】-天下統一 恋の乱-✎

※天下統一 恋の乱の二次小説です。ヒロインの名は陽菜です。






天正十年六月二日早朝

本能寺は炎で赤く染まっていた

前日に信長様は本能寺にて茶会を開き、そのまま滞在をしていた。

私は茶菓子の準備はしたものの、茶会には参加しなかった。

今思えば少しの我儘を言ってでも同行すれば良かったのだ。

今生の別れとなってしまったのだから。

当時、本能寺のそばに光秀様の軍が居たという。

それ
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守りたい人 【織田信長】-天下統一 恋の乱- ✎

あやつに昔の話をしたせいで、ガラにもなく感傷的になっていたのだろうか。

あの頃の夢を見た。

織田の再興を図るため非道を繰り返し、弟である信行を自ら手にかけ、魔王と呼ばれていたあの頃の夢を。





気がつけば目の前に見知らぬ女がいた。

女はポカンとした顔で俺の顔を眺めている。

「貴様…何者だ?」

女中に紛れた刺客かもしれない。

「名を聞いている。名乗れ」

だが女は口をパクパクとさせ
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