またたび日記3「母」
昼下がり、薄暗い部屋の中で午睡から目を覚ますと、二匹の猫が僕の傍らで丸くなり眠っていることに気づいた。しっかりと重なり合い、まるで一つの玉のようになって眠る猫たちを見ていると、自然に顔がほころぶのが分かった。僕は彼らにそっと手を伸ばした。そして、そのやわらかい毛に覆われた背中を優しく撫でてやった。ごろごろと、猫たちの喉が鳴る。気持ち良さそうだった。しばらく撫でていると、一匹の猫――レイがゆっくりと目を覚ました。重い瞼を半ば持ち上げながら、前足を探るように動かしていた。すると