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ミナジンのオフショア開発はどのようにやっている? | ベトナム出張レポート

こんにちは、BPaaS本部デザイナーの藤森です。
今回の記事では3月中旬に行ってきたベトナム出張の様子や、そこで得たちょっとした成果についてご紹介したいと思います。

オフショア開発とはどんな風に行なっているのかを知りたい方の参考になれば幸いです!


<本記事の対象>
Chatwork株式会社 BPaaS本部での開発の様子が知りたい方
オフショア開発について知りたい方



ベトナム出張の概要

まずはじめに、どんな経緯でベトナム出張を行うことになったのかについてご紹介したいと思います。

BPaaS本部ではMINAGINE(ミナジン)という勤怠管理サービスの開発を担当しており、仕様策定やデザインを日本で、そして開発をベトナムのダナンという場所を拠点とした開発会社とともに行なっています。

今回は現在進行中のデザイン修正プロジェクトを進める上での課題の洗い出しとその解決、また、今後の進行をよりスムーズにするための関係性構築を目的とし、プロジェクトに関わっているメンバーの一部がベトナムを訪問しました。

期間としては約1週間、今回はPdM2名、デザイナー1名の3人体制でベトナムの開発会社のオフィスを訪問しました。

どんな風にオフショア開発を行なっている?

私は昨年の8月に入社したため、今回が初めてのベトナム訪問でした。オンラインのMTGではベトナムのメンバーと顔を合わせることはあったものの、「実際に対面で会ってみると人が見えて良いな」と思ったのが今回現地を訪問した率直な印象でした。

開発体制・環境について

ここで少しBPaaS本部ミナジンプロダクトでのオフショア開発の体制についてご紹介したいと思います。

「オフショア開発」とは海外の現地企業にて開発を行なう開発手法のことですが、実際にどんな風に行なっているかは組織やプロダクトによって少しずつ違うのではないかなと思います。
特に私たちのチームにおいては、ベトナム現地にエンジニア出身のマネージャーが1人在住しており、現地メンバーとのコミュニケーションの促進やチーム内の調整を積極的に行なっていただいています。
今回のベトナム訪問においてもメンバーの紹介やオフィスの案内などもろもろ対応いただき、初訪問のメンバーであってもチームに入りやすい雰囲気を作ってくださいました。

普段仕事を進める上では、現地メンバーの中の「コミュニケーター」と呼ばれる日本語が話せる方が間に入り、PdMやデザイナーが仕上げた仕様やデザインについて説明や相談を行います。細かな説明が必要な内容についてはドキュメント化し、各メンバーに連携・展開をしていきます。こちらも翻訳や補足などは対応いただけるので、業務上のコミュニケーションは日本語で行なっています。

ベトナムは国としてIT人材輩出に力を入れており、若い世代が厚いこともあってエネルギッシュなIT人材が多いとのことですが、BPaaS本部がともに開発を進めている組織・チームも多分に漏れず、若手メンバーがグイグイと引っ張ってくれているチームでした。

現地での業務

今回のベトナム訪問では、そのコミュニケーターの方たちの隣に席をお借りして仕事をしました。ちょうどプロジェクトの細かい相談が必要なタイミングだったため、デザインの修正箇所や修正の仕方などについて直接コミュニケーションをとり、対応することができました。

現地での業務は基本的にはPdM・デザイナーそれぞれMTGを開催したり、その場で議論・対応を行うのがメインでしたが、食事という形で現場メンバーとコミュニケーションをとる機会も作っていただきました。
現場初日のお昼にコミュニケーター&リーダー陣と、到着3日後の夜には訪問メンバー含め20人強で食事をし、ベトナム式の乾杯の仕方を教えてもらいながらエネルギッシュなメンバーたちとともに食事を楽しむことができました。

コミュニケーションの課題とチップス

今回ベトナムを訪問したことで、個人的に感じていた課題の解決方法を発見できたので、そちらも少し共有したいと思います。

ちょっとした課題

オフショア開発というと、一般的によくある課題の1つとして挙げられるのが「コミュニケーションの難しさ」ではないかと思います。
私たちのチームの場合は現場にマネージャーが在住していたり、コミュニケーターの方が間に入ってくださることで環境を整えながら進めていますが、やはり多少やりにくさというものは感じていました。

具体的にどのような場面かというと、日本にて現地メンバーとオンラインMTGを行う際にコミュニケーターの通訳が終わってからも、意図せぬ形で現地チームでベトナム語での議論が続いてしまい、次の話題に移るまで時間がかかってしまうことがありました。
オンラインでMTGを行なっている際は、通訳していただいた内容の補足や意味理解の時間だと思っていたのですが、実際に現地に行ってみると実はこちらの伝え方を起因としたすれ違いにより、現場で意図せぬ議論を産んでしまっていたということがわかりました。

MTGの場でコミュニケーターの方は、基本的にはこちらの話した内容をメンバーに投げかけ、メンバーからのリアクションや回答を得るまでをワンセットとして考えています。一方で日本側で言葉を伝えるメンバーはコミュニケーターの方が翻訳しやすいように、意味が通る範囲で細かく区切って情報を伝えるように意識していました。

しかしそのように日本側が情報を細分化しすぎた状態で伝えてしまうと、コミュニケーターの方は受け取った内容をそのままメンバーに投げかけ、情報伝達のような回答が必要でない場合も議論をうながし、回答をもらえるように働きかけることになってしまいます。

そのような互いの配慮の行き違いが意図せぬ議論やMTG内の不思議な空白の時間を産んでしまっていることが、現地でのMTGを通して判明しました。

解決方法

現場ではオンラインの画面上では見えにくかったその行き違いの様子がよくわかり、対策として以下の2点を行うと良いということが発見できました。

<POINT1>
可能な限り簡潔に、ただし相手に何かしらのリアクションを求めるタイミングでコミュニケーターにバトンタッチすること

<POINT2>
純粋な情報伝達の場合でも、「わからないことがあれば教えてください」といったリアクションを求める言葉で終わらせることで、コミュニケーターが自分たちの求めていることを理解できるように伝えること

実際に私自身が主体としてコミュニケーションを行なったデザインのMTGは1時間程度でしたが、上記の2点を意識することで1時間の中でも徐々に時間的なロスが解消され、意図した議論や回答がより得やすいように変化しました。

ちょっとしたチップスかもしれませんが、不思議なMTGの余白が気になっていた私としては、実際に現地に行くことで攻略法を見つけることができたので、とても有意義だったなと感じました。

その後

MTGでのすれ違いの発見は、帰国後もチャットでのコミュニケーションやドキュメントの内容など、現地チームがどのような形であればより良くスムーズに仕事が進められるかを考えるきっかけになりました。
実際にメンバーに会ったことで、出張前には少し気後れしていた個々のやりとりも遠慮なく行えるようになったように感じます。

おわりに

今回は3月に行ってきたベトナム出張の様子や、オフショア開発におけるチーム内コミュニケーションなどについてご紹介してきました。

実は私自身は仕事で海外に行くのは初めての経験だったのですが、実際に行ってみると思った以上の発見やそれまでわからなかったことが理解できてよかったなと思いました。
また、企業やプロダクトによって関係性やチームのあり方はさまざまですが、自分たちの組織やプロジェクトにとって最適な形を目指していけると良いなと感じました

さらに詳しい話を聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひイベントなどの機会を活用していただければと思います!


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