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異なるバックグラウンドを持つUXリサーチャー。2人が描く、理想のUXリサーチチームとは

ChatworkのUXリサーチチームは、2022年7月に立ち上がったばかりの新しいチーム。専任UXリサーチャーは2名というまだ小さな組織です。この記事では、UXリサーチチームの現状や課題、そして未来についてご紹介します。
プロダクト開発の要ともいえるUXリサーチを社内にどう浸透させていくか。重要なミッションを担い、組織の基盤づくりに奔走する2人は何を思い、何を目指すのかを聞きました。


プロフィール

仁科 智子さん(2019年6月中途入社)※写真左
プロダクト本部 プロダクトデザイン部 UXリサーチチーム

【主な業務内容】
UXリサーチチームのリーダーとしてUXリサーチを社内に浸透させるためのさまざまな取り組みを行う。現在はプロダクトデザイン部のUX/UIデザイナーがUXリサーチを実施し、結果を施策に生かしていくことができるような体制づくり・運用に取り組んでいる。

信澤 健太さん(2023年5月中途入社)※写真右
プロダクト本部 プロダクトデザイン部 UXリサーチチーム

【主な業務内容】
プロダクト戦略を策定するためのインサイトの発見・分析、プロダクト開発のためのUXリサーチ、オペレーションの運用設計等に幅広く携わっている。

UXリサーチチームは、なぜ生まれたか。

──早速ですが、チーム立上げの背景からお伺いしたいです。

仁科:UXリサーチチームができるまでは、ChatworkにはUXリサーチャーという専任のポジションはなく、プロダクトデザイン部に所属するUX/UIデザイナーがプロジェクト単位で広くデザインを担当する中で、必要に応じてUXリサーチも実施していました。

PdMと一緒に「誰のために何をつくるのか」といった企画をするところから、ユーザー体験の設計をしたり、ワイヤーをひいたり、ビジュアルデザインをしたり…とデザインプロセスを幅広く担当していたのですが、このままではデザイナーが「なんでも屋」になってしまう…ということを危惧したプロダクトデザイン部のマネージャー(茂木)が、「専門領域ごとにチームを創っていく」という方針を打ち出したんです。

そうして、UX戦略チーム、UXリサーチチーム、デザイン基盤チーム、UIデザインチームという4つの専門チームができました。プロダクト開発組織としてもっとユーザー課題起点でプロジェクトや施策をつくっていく体制を持つ必要があるという観点からも、専門チーム化というのは重要な意味を持つと思います。

▼ チーム誕生についてはこちらの記事で詳しく触れています!

異なる背景を持つ2人のUXリサーチャー。

──専門チームができた時にUXリサーチチームを選ばれたのはなぜだったんでしょう?

仁科:そうですね。Chatworkに入社後、UX/UIデザイナーとしてプロダクト開発に携わる中で、ユーザーインタビューを採り入れて、どういう価値をお客様に届けていくのかということをPdMと一緒に考えることが面白いなと感じていたんです。ちょうどその領域を専門でやりたいなと考えていたタイミングだったので、「UXリサーチをやりたいです!」と手を挙げました。

──ちょうど部の方針とご自身がやりたいことがマッチしたというかたちだったんですね。そして、5月にリサーチャーの経験がある信澤さんが入られたんですよね。

仁科:立ち上げから約1年は、私とUX/UIデザイン兼務のメンバーとでリサーチの勉強会や型化を進めていたのですが、5月に信澤さんに入っていただいて、仕込んできたことが身を結び始めている感じです。

──信澤さんはなぜ、立ち上げ間もないChatworkのUXリサーチチームを転職先に選ばれたんですか?

信澤:事前にnoteの記事や発信されているいろいろなメディアを見ていたんですが、Chatworkは、とても本質的なことに向き合おうとしている会社だと感じたんですね。社会課題にも向き合っていて、その取り組みや姿勢をきちんと対外的に発信している。そういう部分に魅力を感じました。

あとは、チームワークを大切にしているという点もいいなと思いましたね。リサーチャーって個人商店みたいなところがあって、一人でリサーチして報告したら終わり…というケースが多いんですが、そうではなく、デザイナーやエンジニアなどと一丸となってサービスをつくっていけるのは面白いなと。

─UXリサーチャーになろうと思ったきっかけは何だったんでしょう?

信澤:流れるままに流れてきた…というところはありますが(笑)、元々、大学卒業後は編集記者をしていたんです。その仕事は面白かったんですが、だんだん慣れが出てきてしまって。将来どうしようかな…と考え始めた時に、リサーチャーという仕事があるということを知りました。「価値ある情報をいかに届けるか」ということに向き合う仕事なので、記者とリサーチャーって共通点があると感じました。これが、リサーチャーの入口ですね。そうしてリサーチ会社で、5年ほどマーケティングリサーチを経験しました。
その中でちょっとモヤモヤがあったのが、リサーチ会社では自分たちが事業をつくっているわけではないので、実際にリサーチが役に立っているのかどうかが全く分からなかったんです。

それで事業会社に移ろうと思い、お菓子メーカーとスタートアップを経験しました。前職のスタートアップではデジタルプロダクトに携わる中でユーザー起点でリサーチを行う場面が増えてきて、UXへの興味が高まり、今に至ります。

ChatworkのUXリサーチャーに必要な資質。

──全く異なるキャリアを経てUXリサーチへの関心を高め、今に至るということなのですが、今UXリサーチチームが求める人材というのはどのような方なのでしょうか。

仁科:信澤さんが入社するまでは、プロダクトデザイン部のメンバーはデザイナーのバックグラウンドを持ったメンバーが多かったため、信澤さんのように異なるバックグラウンドを持つ方が入ってくださったことは非常に刺激になっています。それに、信澤さんは本質的な課題へのコミットや、チームで仕事をしようという意識が高いので、心強いなと感じています。

正直、UXリサーチの意義や活用の組織全体への浸透はまだまだ道半ばの部分が多いので、全ての関係者が納得感を持ってUXリサーチを活用することができるように、周囲と丁寧にコミュニケーションを取りながらUXリサーチ活動に取り組んでくださる方に来ていただけたらいいな、という想いはあります。また施策やチームによっては、時間をかけた理想的なリサーチよりも、スピード優先で小さく気づきを得て次に進む方が合っている場合もあります。そういった状況への適応や使い分けという意味でも、プロダクトマネジメントのご経験がある方にも活躍していただけると思いますね。

スピードとの両立も鑑みて手法の使い分けが必要

信澤:先ほどの話にも出てきていましたが、やはり「チームワークを大切にすることができる」という点も重要なポイントになると思います。自分の中でUXリサーチを完結するのではなく、いかに周囲を巻き込みながらビジネスを前に進めていくかという視点が求められますから。

仁科:それはすごく大事ですね。あとはお客様を理解した上でプロダクトを作っていくことの面白さを、組織に広めていくことにも情熱を持って取り組んで下さるような方だとすごくマッチすると思います。

UXリサーチチームとして目指すこと。

──最後に、チームのビジョンをお聞かせください。

信澤:今感じている課題ではあるのですが、「UXリサーチャーの立ち位置や価値提供って具体的にどうあるべきか?」ということをもっと考えないといけないと思っています。理想としては、UXリサーチャーが、デザイナーやエンジニア、その他ビジネス職のメンバーをつなぐハブのような役割を担いながら、コラボレーションを通じて探索と実装を進めていけたらいいなと考えています。

仁科:UXリサーチチームができる前から、プロジェクトにはデザイナーとして入りながら自分でインタビューもして、その結果をチームで侃々諤々しながら…ということはやってきたんですが、それって相当なエネルギーがいることなんですね。だから、リサーチチームがいろんなプロジェクトに入ることで、専門的な部分を補いながら、臨機応変にサポートして、価値を体感してもらいながら組織へのUXリサーチ浸透を目指せるといいんだろうな、と思っています。

今はまだ専任UXリサーチャー2名という状況なので、プロダクト組織の中で小さくやっていますが、今後はもっとビジネス組織やセールス、プロダクトアナリティクス等とも連携しながら、お客様への価値提供までなるべく短いステップでたどり着くことに寄り添えるチームでありたいと考えています。そのためにも…今私が感じている一番の課題は「人が足りない!」ということですね(笑)。

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UXリサーチチームの取り組みについてはこちらで詳しくご紹介しています!
よろしければご覧ください。

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