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【イベントレポート】なぜ今、Chatworkで新規プロダクト?〜PdM×デザイナー×EM ホンネ座談会〜

皆さん、こんにちは!Chatwork採用広報の宮脇です。
今回は、2023年9月21日に開催したオフラインイベント『なぜ今、Chatworkで新規プロダクト?〜PdM×デザイナー×EM ホンネ座談会〜』のレポートをお届けします!

Chatworkでは、2025年以降の長期ビジョンとして、あらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム“ビジネス版スーパーアプリ”を掲げており、中期経営計画の中心となる戦略の1つ、「インキュベーション戦略(新規事業)」を担う、新たなプロダクト組織を2023年1月に立ち上げました。

当イベントでは、事業開発チームから、Chatworkが挑む新規事業についての解説があった後、現場の最前線で活躍するプロダクト組織のメンバーで座談会を行いました。
入社した経緯、事業開発とプロダクト開発チームの連携、これから挑もうとしている領域など、“なぜ今、Chatworkで新規プロダクトに挑むのか?”組織の裏側や個人のキャリアも含め、本音で語り合いました。
このnoteでは、その中のホンネ座談会の様子をクローズアップしてご紹介します。


メンバー紹介

【スピーカー】
平本 康裕 / インキュベーション本部 プロダクト部 マネージャー
リクルートに新卒で入社。バックエンドエンジニア、ビッグデータアーキテクト、クラウドアーキテクト、マネージャーのキャリアを歴任。2022年4月、Chatworkに入社。M&AからPMIを担当。連結子会社となったChatworkストレージテクノロジーズ社にて執行役員を担当。2023年1月にインキュベーション本部プロダクト部マネージャー就任。

海老澤 雅之 / インキュベーション本部 プロダクト部 PdM
ソニー・エリクソンでソフトエンジニア、サービス企画を経験後、ソニーにて、音楽サブスクリプションサービス立ち上げを経験。その後USでPlayStation Networkのプロダクトマネージャーを担当。日産自動車、センシンロボティクスを経て2022年7月、Chatworkに入社。Chatworkの認証基盤やインキュベーション領域のプロダクトまで横断的に関与。2023年7月よりインキュベーション本部プロダクト部所属。

神原 湖彩 / インキュベーション本部 プロダクト部 UXデザイナー
LIFULLにデザイナーとして新卒入社し、新規事業・プロモーション・リアルイベントなどを担当。また、プロダクトマネージャーとしてグロース領域も経験。その後、エムスリーでコンシューマー向けのサービスのグロース領域を担当。2022年9月にChatworkへ入社し、UXデザイナーとして、新規事業の立ち上げや既存サービスのグロース領域に携わっている。

【モデレーター】
本多 太一 / インキュベーション本部 プロダクト部 PdM
ディー・エヌ・エーに新卒入社。エンジニアとしてモバイルゲームの開発に従事。その後、複数社にてエンジニアおよびディレクターとして数タイトルのモバイルゲームの開発・運営に携わった後、音声配信SNSのプロダクトマネージャーを担当。2023年1月にChatworkに入社し、新規事業のPdMとChatworkストレージテクノロジーズ社のPdMを担当。

ホンネ① なぜ、Chatworkで新規プロダクト開発に挑む?

本多:なぜ、Chatworkで新規プロダクト開発に携わろうと思ったのか、入社した経緯を教えてください。

平本:私は、新卒で入社したのがリクルートで、インフラを1からデザインするモダナイゼーションプロジェクトに参加し、開発のベストプラクティスを経験してきました。「どうやって決めて、それを実現するために開発でどう推進するのか」を考えることをプロジェクトを通して数多く経験することができました。より白地が大きく幅広い領域に携わりたいと感じ、入社10年目の節目で新たなチャレンジを求めて転職をしました。
Chatworkを選んだ理由は、強力なビジネスチャットのサービスを持ちつつ、新たな事業展開に向けて積極的に取り組んでいる点に魅力を感じたからです。まだ何も決まっていない中で様々なことに取り組む機会があり、楽しい事業フェーズだと思い、入社を決断しました。

海老澤:はじめにお話を聞いた時には、BtoBのSaaSの会社というイメージが強く、自分としてはこれまでの経験的にあまり活躍できないなという印象があり、選択肢として考えていませんでした。しかし、“ビジネス版スーパーアプリ”構想を見据えて、新規事業をかなり具体的に進めようとしていることを知り、印象が大きく変わりました。ハードウェアとソフトウェアをあわせてトータルで価値を提供するようなプロダクト開発をしてきた自分の経験が最大限に活かせると感じ、入社を決めました。

神原:私は、はじめはビジネスチャット「Chatwork」のデザイナーとして入社しました。その後、新規事業にも関わらないかと打診をいただき、現在は兼務という形で両方の事業を担当しています。「Chatwork」のプロダクト組織は、計100名以上のエンジニアやデザイナーが在籍しており、役割がはっきりと分かれていますが、新規事業はまだまだ小さな組織ということもあり、デザインの前領域にある企画や戦略から幅広く携わる機会があります。新規事業に関われる機会は、なかなか訪れないと思うので、自分のキャリアにとっても大きなチャンスだと思い、どちらにも挑戦するという決断をしました。

ホンネ② ゼロイチの新規プロダクト開発、ぶっちゃけどう?

本多:まずは、海老澤さんから聞いてみたいと思います。複数プロダクトを並行して担当されているPdMとして、ゼロイチの新規プロダクト開発ってぶっちゃけどうなのか?教えてください。

海老澤:Chatworkは、長年ビジネスチャットのプロダクトを作ってきている会社なので、出来上がったプロダクトに対して、改善していく、グロース施策を回していく、というプロセスは一定確立されています。しかし、新規プロダクトは、これまでほとんど立ち上げたことがありません。そんな中で、我々が推進するインキュベーション戦略(新規事業)の中核となる「BPaaS」*は、国内でも手がけている会社がまだほとんどないのが現状です。海外には同様の事業を手掛けている会社がありますが、大企業向けだったり、顧客属性の差もあります。必ずしも海外で出来上がっているプロダクトをそのまま流用できるかというと、それは難しいと思っています。国内の顧客課題に対して、どういう形のオペレーションとプロダクトを組み上げれば、BPaaSが推進できるのか、探りながらプロダクト設計をするという、難易度の高いところで開発をしています。
PMF(Product Market Fit)を目指していくにあたり、限られたリソースの中で検証をどんどん重ねていかないといけません。小さく作って、早く回すというのは、IPOを目指すスタートアップと同じ状況かなと思っています。スクラッチで大きいものを最初から作るというよりは、小さく速く開発するのに適したツールを活用するなど、新たなやり方を模索しながら進んでいる状態です。
現状はビジネス側で先にオペレーションを組み、そこから徐々にプロダクトを設計していくという形のアプローチをとっているので、ビジネスプロセスをしっかり理解して、その中でどこに課題があるのか、どこをシステム化できると業務効率が上がるのか、仮説を立てて、ビジネスサイドとかなり密にコミュニケーションをとりながら進めているという状況です。

*Business Process as a Serviceの略。ソフトウェアの提供ではなく、業務プロセスそのものを提供するクラウドサービスであり、クラウド経由で業務アウトソーシング(BPO)が可能。

神原:新規事業でデザイナーがどういう関わり方をしているかという点についてお話できればと思います。
0→1というフェーズならではだと感じたのは、人数が少数なので、BizDevを担当している桐谷(ビジネスユニット ユニット長)であったり、実際にオペレーションを担うメンバーと距離感が近く、密にコミュニケーションを取る必要があることです。コミュニケーションを通して、顧客のためだけではなく「事業として売り上げをどう立てていくのか」といった、ビジネス観点がすごく大切になってくるなと感じています。「お客様への価値とビジネス的な価値をどのように繋げて、プロダクト開発を進めるのか」を、メンバーと話し合いながら一緒に作り上げていく過程が新鮮で、学びも日々多いなと感じています。

本多:ありがとうございます!次は、メンバーとはまた違う立場、マネージャーであり開発を統括している平本さんからも聞いてみたいと思います。

平本:まず一つ、マネージャーとして、今後組織をどんどん大きくしていくというミッションがあります。BPaaSを推進するにあたって、事業が複数のプロダクトで成り立たせるため、それに合わせた複数の組織が今後必要になってきます。ここにいるメンバーや今年〜来年入ってくる人たちには、将来そうした組織を背負っていって欲しいと期待しています。0→1というフェーズが面白いと感じている理由は、事業戦略の解像度が日々上がってきている中でプロダクトとしてどう進むのか、戦略を立てて実際に開発検証を進めていけることです。また、次に必要な技術選定でどうアクションしようかを考え、さらにどういう組織が必要か組織戦略を描いて実行していくことができます。
様々なものが同時並行で走っていく中で、自由な発想、どこの課題を解いていくべきなのか、広い範囲で考えられることが、マネージャーとして、とても面白いと感じています。

本多:もう少し海老澤さん、神原さんの考えも掘り下げたいと思います。直近、私たち3人で新規プロダクト開発に取り組んできましたが、半年前を振り返ってみてぶっちゃけどうだったのかを教えてもらいたいです。

海老澤:今年1月に組織の立ち上げをしたタイミングでは、マネージャー以外エンジニアがいない状況でした。もう1人でもエンジニアの方がいたら、かなりスピード感が違ったなと感じています。その中でも早く進めるための手段はとってきているのですが、もう少しリリースできていた範囲が広かったかもしれないと振り返っています。

神原:スピード感をもった開発が求められるので、構想してからリリースするまで半年くらいのスパンで進めないといけないというのが前提としてあります。やること自体は優先度をつけることでスムーズに決まります。ただ開発を進めていく過程で「あれも、これも」という形で要件が増えてしまい、どうしても膨大になってしまうというところが進めていく中で課題でした。
一番最初に着手する前に、みんなで「ここまでやろう」と認識を合わせるため、MVP(Minimum Viable Product)という開発形式で進めていたのですが、実際進めていくと差し込みが増えてきてブレてしまうという事態が起きていたのです。そういう中でも最初に決めた要件に立ち返って、再度認識を合わせてまた開発に向かうという、「立ち返る機会」をもう少し頻繁に設けられていたら良かったなという反省が直近ありました。

ホンネ③ これから挑むプロダクト領域の面白さとは?

平本:新規事業をこれから大きくしていく手段の1つとして、M&Aがあります。Chatworkと相性が良い他社とタッグを組んで、グループ会社としてジョインしていただき、プロダクトのラインナップをどんどん増やしていきたいと考えています。急速にプロダクトや組織が増えて、ワープしていくようなスピード感がある環境で経験が積めるため、「どうワープしていくのか意思決定に関われるチャンスがある」「一人一人が決断しないといけない範囲が広い」という部分が新規事業のプロダクト組織の面白さだと感じています。

海老澤:BPaaSは世の中的にもだんだん広がってきていますし、これまでSaaSを提供してきている企業も効率化を進める中で、BPaaSを志向しており、どんどんプレイヤーが増えている領域だと思います。とはいえ、顧客との接点が強い「Chatwork」というビジネスチャットを中心にBPaaSのプロダクトを構築できることは、Chatworkの新規事業のユニークな点だと思っています。
実際にお客様が業務を依頼する際のテキストデータが、全て蓄積されていくので、その中でAIで自動化できる部分であるとか、効率化できる部分に関しては、チャットサービスを持っていない会社に比べると圧倒的に優位性があると感じています。
また新規のプロダクトを立ち上げていくだけではなく、BPaaSを提供しやすくするために「Chatwork」も機能改善していく必要があります。新規事業に閉じることなく、end-to-endでプロダクト構想を実現していく、またその中心に関われることが非常に面白いと感じています。

神原:一般的なエンジニア・デザイナーのポジションだと、一つのプロダクトに対して様々な企画だったり、改善を重ねていくことが多いですが、今回取り組んでいるBPaaSは違います。チャットでのコミュニケーションの体験や、勤怠システムなど専門領域との連携に注目したり、複数のプロダクトをシームレスに繋げたりすることで提供できる価値を考え抜く必要があります。お客様としては、「困っている業務を外部に簡単にお願いできる」という体験、ただ一つだけ。デザイナーとしては、複数のプロダクトをさらに大きな領域で体験設計をしていかなければならない点が面白いと感じています。
通常だとデザイナーとして、デザインのハードスキルの部分を磨いていくことが多いと思います。新規事業はビジネスサイドとの連携が多く、顧客の声はもちろん、実際にオペレーションに関わっている人にヒアリングするコミュニケーションの機会が頻繁にあるため、要望を集めて要件を整理するソフトスキルの部分を磨ける機会も多いと感じています。

質疑応答

参加者:M&Aを進める上で、やはり違うカルチャーの組織が急にジョインするのは結構大変なのではないかと思うのですが、実際に苦労されている点などあれば教えてください。

平本: そうですね。ミナジン社を例に挙げさせていただきますと、プロダクト組織に関しては、すごく相性が良かったというのが正直なところです。Chatworkとはカルチャーが違うのではという懸念もあったのですが、実際には結構近い感覚があり、ワンチームで同じ目標に向かうことができています。すごく良い出会いだったという点に尽きるかもしれません。
今後、M&Aを進めていく中で、同じように良い出会いが続けば…と感じています。

参加者:新規事業の領域における、エンジニアの育成や組織づくりについてお話を聞けると嬉しいです。

平本:立ち上げのフェーズとして、まずは育成ができる人を最初に揃えるのが大事だと考えています。ここにいるメンバーは、その「育成ができるメンバー」に当たります。
そういう人たちが揃っていくことで、初めて若手も受け入れられるような組織になります。まずはシニアで自走できる人たちに入ってきてもらい、自分達の能力を100%発揮できる土台を揃えることが立ち上げフェーズでは重要だと考えています。


最後に

いかがでしたでしょうか?
イベント後半に開催した交流会では、ほとんどの方が最後までご参加いただき、現場メンバーへの質問や情報交換など、会場は盛り上がりを見せていました。
今年立ち上がったばかりのプロダクト組織ですが、事業成長を軸として顧客の体験価値を考え、仮説検証をもの凄いスピード感で回している環境であることが、現場のリアルなエピソードからお伝えできたかと思います。

Chatworkでは、新規事業のプロダクト組織で働く仲間を積極的に募集しています。少しでも一緒にチャレンジしたいと感じられた方は、ぜひご応募ください。

プロダクト組織のメンバーとともに、心よりお待ちしています!(キャリア登録やメルマガ登録もお気軽にどうぞ!)


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