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「別に私は誰も救えんし」仏はがっかりするほどフツーなことを言った「ブッダのことば スッタニパータ」岩波文庫の名言


ごきげんよう。

親戚中がナマグサ坊主だらけナマグサ牧師だらけなせいですっかり宗教に絶望し宗教嫌いと成長した★無宗教あらくれ奥様マヨコンヌよ。

今日は皆さまに

え?
は?
マジ?

ってなるメッチャ思ってたのと違う感じの仏さまの御言葉を紹介するわね。

「ドータカよ。わたくしは世間におけるいかなる疑惑者も解脱させ得ないであろう。ただそなたが最上の真理を知るならば、それによって、そなたはこの煩悩の激流を渡るであろう。」

ブッダのことば スッタニパータ

つまり

「仏は、人を救うことができないのである。」

by中村元


もちろん、毎朝おぶつだんの前でいっしょうけんめいお経を唱えて心安らかになってるおばあちゃんにこんなこと言ったらダメだからね!そんなこと言うやつぁこのマヨコンヌさんがブッ叩くわよ!!

わたくし、そういうおばあちゃんには何もケチをつける気はない。

むしろね、

ナマグサ坊主一族の末裔を代表して言わせてもらいますけどね、

心が安らかになればそのおばあちゃんが別に仏教経典どころか、お経の本と間違えて

矢沢永吉の「成り上がり」



を毎日仏壇の前で暗唱してたって、賛同こそすれ止めないわ

それに永ちゃんもまあまあ結構ええこと書いてるしな!

アイラブユー、オケーー、こーの、世界にィーーー。



一〇六四 「ドータカよ。わたくしは世間におけるいかなる疑惑者も解脱させ得ないであろう。ただそなたが最上の真理を知るならば、それによって、そなたはこの煩悩の激流を渡るであろう。」

P224「ブッダのことば スッタニパータ」 中村元訳


一〇六四 の中村元の註

ここでは、徹底した<自力>の立場が表明されている。仏は、人々を救うことができないのである。

P420「ブッダのことば スッタニパータ」 中村元訳

「仏は、人を救うことができないのである。」

まぢか。


中村元サマの素晴らしい研究をざっと要約するわね。

つまり、後代の仏教は、ニルヴァーナ(涅槃)を「目的」と見なし、戒律を守って日々実践するといつかニルヴァーナ(涅槃=悟り)に至ることができますよ、って見なしてる。

でもスッタニパータの原文によれば、人間はいつになっても戒律の完全な実践は不可能と明記されてるんだから、つまり修行してもニルヴァーナには絶対に到達しない訳。

それ、矛盾。

ってことは、やっぱり、ニルヴァーナ(涅槃)ってのはいずれ到達すべき「目的」ではなく、安らぎを実践しつつ学ぶその「過程」とか、そういう「方向性」とかの事をブッダは漠然とニルヴァーナ(涅槃)と呼んでだったんではないかと、中村先生はおっしゃっているわけね。

↑P420の中村元文章よりマヨコンヌ要約

つまり、ほとけ様は、

なにか死んだ後に「具体的なニルバーナって名前の楽園」に行けるとか、頑張って修行するとポーンとすごい解脱をして人生吹っ切れて「突如ニルヴァーナっていう特殊な悟りを開いて新しい自分に変身できる」とかそういう宗教的な嘘くさい奇跡のようなモノなんか実は全然語ってなかった(!)のよね。

お釈迦様は、もっともっと地味ーーーーなことを言ってただけでそれはつまり、

一人一人が自分で自分の行いを正し、検証なしに他人の考えに迎合したりせず、徒党を組んだりも決してせず、すべて自分の頭で考え、あらゆる人間関係のしがらみを極力整理し、財産などの心を乱す所有物に極力囚われず、もちろんスピリチュアルやら占いや呪術やら伝承といった非論理的だったり非科学的な事を思い込むこともやらず、場合によっては人間関係も所有物も思い切って捨て、おだやかで悩みのないスッキリした境地の方向を目指して明晰で論理的に考えてゆく、

そういう方向を目指して各自己を磨くといいよ、そうやって心を明晰で論理的で平安にしてゆくこと、そういう方向性に向かって努力していく生き様ってニルバーナ(涅槃)な生き方だよね、と言っていただけなのよね。

これはもうわれわれが知っている「仏教」

…つまり、古代の王族や幕府などと結びつきながら、来世思想や天国への期待、地獄への恐怖などのスピリチュアルな架空の飴と鞭で、民たちをコントロールする権力の搾取システムとなった「仏教」なんかとはもう完全に別物よね。

宗教と言うよりただのシンプルーーーな個人哲学であり科学よね、

まあこれ俗物な我々にはちょっとあまりにも厭世的&過激過ぎる部分もあるけど、

方向性としては、わたくし、この人の言ってること、結構、すきよ。


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