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〇碓氷峠廃線ウォークの旅〇 ③:軽井沢まで

碓氷峠の廃線ウォークのツアーに参加し、廃線跡を楽しんで歩いています。横川駅から歩き始めて、長いトンネルを抜け、碓氷川の直上の谷に架かる、とても大きな橋まで差し掛かりました。
(前回の記事はこちら)

■熊ノ平駅跡を目指す

長いトンネルの中にある、中継信号機
これを発電機で点灯させてくれるのです。息を吹き返したような坑内。

トンネルの中では、有志の方が直してくれたらしいですが、トンネル内の中継信号機や電灯を点灯してくれていました。廃線なのに、営業線のような気にさせられる粋な演出です。

坑内で動画を見ます。これもなかなか味なものです。

トンネル坑内で、碓氷峠の元鉄道マンたちのお話や、当時の映像のミニ上映会をしていただきました。鉄道の町として栄えた横川の人たちの思いを今に伝える映像です。

信号機も点灯しています。
運転士になった気分で歩くことをテーマにされていました。
いよいよ熊ノ平駅跡に到着。
アプト式の旧線の遊歩道からの道も合流します。

熊ノ平駅のあった場所に到着。ここは1か月前にアプトの道を歩いてたどり着いた場所です。4本のトンネルの坑口が並ぶ姿は、なかなか圧巻です。

熊ノ平の変電所跡。ここは平成9年まで現役だったようです。

熊ノ平駅跡で少し休憩したら、再び下り線トンネルを歩きます。ここからは、基本的に昔のアプト式のトンネルを拡幅して改良した区間が続きます。

【碓氷第4隧道 型式:単線1号形(側壁直) 延長117.9m
設計:信濃川工事局、施工:大成建設、竣工:昭和40年】
軌道走行車の実験機だそうです。
将来的にツアー等で使いたいという構想があるとか。
トンネルとトンネルの間に流れる沢のアーチ橋。
意外と趣がある橋です。
それぞれのトンネル坑口に個性があります。

途中で下り線トンネルに2019年の台風19号で下り線トンネルは被災して歩行不能となっている箇所があるため、上り線のトンネルを迂回する箇所がありました。

台風による大雨で、坑内に大量の流水があり、路盤が流出したとか。
新線のすぐ横に、アプト式の旧線のアーチ橋が残る箇所も。
旧線の廃線敷が今でも歩ける状態です。
昔のトンネルはコンクリートで閉塞され、新しいトンネルと合流しています。

途中に大きな橋が架かる場所は、アプト式の旧線とは別に新しく線路を作った部分があり、そこだけは廃線になっているようです。

信号設備の跡です。
【碓氷第14ずい道 型式:1号型(壁面直)
設計:日本国有鉄道信濃川工事局 施工:鹿島建設
竣功 昭和40年】

小刻みなトンネルを抜け、だんだんと終点である長野県側に近づきます。

短い距離のトンネルが続きます。
最後の第18トンネルは少し長いトンネル
最後のトンネル内にある、群馬県と長野県の県境

最終の第18トンネルの途中に、群馬県と長野県の県境があり、終点である軽井沢に近づきます。

軽井沢の町にたどり着きます。
同行した3名で記念写真。廃線ウォークの記念です。
軽井沢にある、旧矢ヶ崎信号上跡付近。
見えているのは、この線路を廃線にした、北陸新幹線です。

約11㎞の上り坂を歩き、軽井沢に到着。最終的には、北陸新幹線と平行する形になります。

下り線と上り線が平行する場所が、今回のウォーキングの終点。
終点の信号は、青信号を点灯していただいていました。

横川駅から軽井沢までのウォーキング、とても楽しくて充実したものでした。

■終わりに

碓氷峠の廃線ウォーキング、インフラツーリズムという、インフラ施設を楽しむ旅としても、とても楽しめるツアーです。これだけ大規模な廃線が残っている区間も珍しく、また、そこをこんなにしっかりとした形でツアーとして展開していることもとても珍しいものだと思います。今後も継続的にツアーを続けていくためには、施設の維持管理など、課題もありそうですが、何とか次の世代まで受け継いでいけると良いと思います。


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