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【南大沢土木構造物めぐり】No.96 優しい土木

地元の街歩きを続けていて、土木工事って何のため(誰のため)にあるのか?ということを考えるシーンがたまにあります。その際に考えることのひとつとして、

未来を背負って立つ子供たちのため

と思える工事を感じることがたまにあります。今回も小さな小さな土木工事ですが、そういう思いを感じることができたので、お伝えしたいと思います。

■まずは、今回の探索範囲を地図で

八王子市の中山地区と、由木西小学校
ニュータウンから少し外れたところの、のどかな場所です。

■中山地区を歩く

中山地区は昔ながらの雰囲気を残す地区。
本数の少ない「下田」バス停。下田と言う地名は地図にも出てきません。
バス停から分岐する細い道は旧道でしょうか?
歩いていくと、こんな感じの小径になります。
アジサイの咲く頃の散策。歩くのが気持ち良い道です。
ゴルフ練習場が出現。谷戸の斜面を利用しています。
都市部なので、開発された場所が背中合わせだったりします。
古そうな石積みの水路。
永昌院に到着。結構立派なお寺です。
駐車場整備記念碑。平成30年とはかなり最近です。
戒名のようなものが書かれているので、個人の寄進なのでしょうか?
永昌寺の本堂。なかなか立派です。
社務所。何だかいろんな置き物があります。
さらに小径が続きます。
ようやくメインの車道へ。永昌院を見るとこんな風景。
中山の交差点で、こんな石碑とお地蔵さんを発見。
南 左:下柚木ヲ経テ役場方面、鑓水
右:鑓水道了堂、片倉方面
西 猿丸峠、由井村ヲ経テ八王子方面
道標の下には、なぜかこんなプレートが。
【有線放送施設 500箇所設置記念 (株)日立製作所】
中山会館。地区の公民館としての役割を果たしているようです。
そのそばに中山バス停。
そしてその隣に、先ほどの永昌院への入口が。
住職さんはよほど面白い方なのでしょうね(笑)。
なかなかのセンスです。
そしてそのすぐ横に、石碑発見。
何と「道路」の文字が!!これは見なくては。
裏側にはこんな文字が。
「由木八王子道 改修工事 寄附芳名」とあります。地域にとって大切な道だっとのですね。
再び小径を歩きます。
石積み擁壁と、欄干の無い小さな橋。
昔ながらの土木工事の味がある感じがします。

■そして、優しい土木構造物を目指します

そして、本題のやさしさのある土木構造物をめぐります。

農道に「通学路」の標識が。
のどかな景色の背景には、ニュータウンの建物群が見えます。

今回のやさしさのある構造物、この「通学路」標識が関係しています。学校に行く通学路です。学校は、ここから一つ隣の谷戸にある、由木西小学校なのですが、その通学路がなかなか味わい深いです。

谷戸の奥地へ入っていく小径。
山の中に入っていくようですが、街灯だけは絶やしません。
一番奥の民家を越えて、道が続きます。
とうとう車が通れない道。ですが、舗装されているのです。
谷戸の先端まで来ました。小さな舗装路がずっと続きます。
土のうの積まれた跡が。
まだまだ続きます。やはり舗装された小径。
歩き切ると、学校の校舎が見えてきました。

山道のようになっても、舗装を絶やさず、街灯がついていて、崩れそうな斜面に土嚢が積まれている。車は通れない道。おそらく子供たちが安全に通学できる道を、ずっと守り続けてきたのでしょう。

由木西小学校に到着。
学校の中に建つ、「由木西小学校 移転落成・百周年 記念碑」

由木西小学校は、明治6年創立のとても古い学校です。今は移転して丘の上に建っています。昔の校舎は、この谷戸を下りた先にあります。学校の構内に石碑が建っていて、その歴史を知ることができます。石碑については、前回探索時のレポートに詳しく書きました。この地区の小さな道の整備には、学校の通学というキーワードが大きく関係していそうです。実は、日本中のあらゆる地域で関係しているのかも、と思ったりもしました。

■終わりに

中山地区は、昔ながらの風景が残る味わい深い場所。古い道や楽しいお寺、昔の道標、道路改良碑などを見つけました。そこから小学校へつながる小径。子供たちが歩きやすいということは、大人も歩くのが楽しい道、ということで、おかげさまで安全な街歩きを楽しませてもらっています。
土木事業って、本来はこんな小さなやさしさのようなものでできていると思うと、とても素晴らしいものだと改めて思いました。

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