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〇ドボクスキーの旅 in 広島〇 ①土木学会全国大会と、岩鼻架道橋

2023年9月13日(水)から15日(金)までの会期で、私の所属する「土木学会全国大会」が広島で開催され、それに参加しました。ドボクスキー(土木が好きな人を意味する造語です(笑))にとっては、いろんな楽しみ方のあるイベントだと思います。今回の訪問で訪れた場所をご紹介したいと思います。

■土木学会全国大会とは?

土木学会で毎年9月ごろに開催される行事です。土木学会員約4万人くらいのうちの、数千人が集まり、論文を発表したり、会長や著名な方の基調講演などを聞いたりする場所です。各地区の持ち回り開催で、今年は広島で開催されました。

当日の様子を、少しばかりご紹介します。

13日に開催された、基調講演などの会場であった、
広島国際会議場。
平和記念公園の隣にあり、すぐ隣は広島平和記念資料館です。
1500名収容のホールで開かれます。

こちらは、広島工業大学の会場の様子。今回は例年とは違い、広島大学と広島工業大学の2か所での分散開催でした。

広島工業大学入口に立つ案内板。
このビルが、学会の会場でした。普段会わない大学時代の友人などに
久しぶりの再会ができるなどの、交流の場でもあります。

広島大学の会場も行ったのですが、写真を撮りそびれてしまいました(笑)。離れた場所での開催でもあったので、今回は1箇所でじっくり、ではなく、せっかくなので移動することなども楽しんじゃおうと思い、いろんな場所に行きました。そのエピソードをいくつかご紹介します。

■天神川駅からイオンモール府中へ

土木学会が始まる前日に広島に入りました。ちょっと所用があり、広島駅の隣の天神川駅の近くにある、「イオンモール府中」に行き、帰りに広島駅まで歩きました。その付近の様子を、今昔マップで見てみましょう。

広島駅から天神川駅までの間。昔は田んぼと貨物駅があるだけでした。
広島駅から、一駅天神川駅まで乗車します。
夕刻の帰宅時間帯だからか、多くの方が利用しています。
天神川駅に到着。多くの方が下車しました。
広島都市高速の府中ランプ。このあたりは広島市ではなく、府中町です。
マツダの本社工場があり、裕福な自治体で知られています。
イオンモール府中。とても広いショッピングセンターでした。

■岩鼻架道橋というすごい橋

イオンモールからの帰り道。芸備線の踏切と、新幹線の回送線。

実は、ここに来たのには目的があり、新幹線の回送線の「岩鼻架道橋」が見たかったのです。

新幹線回送線の、岩鼻架道橋。
トラス橋ですが、実はコンクリート部材で構成される、面白い構造です。
すぐそばの橋脚に説明書きがあります。引用します。

【橋りょうの概要】
この橋りょうは、山陽新幹線広島駅から矢賀地区の新幹線車両基地に向かう回送線の途中のこの地に県道を跨いで架設されたものであり、日本国有鉄道の学識経験者による研究委員会(委員長:東京大学名誉教授 国分正胤博士)の研究成果に基づき、新幹線建設事務所及び構造物設計事務所の指導により、八千代エンジニアリング株式会社が設計し、広島新幹線工事局の監督のもとに、オリエンタルコンクリート株式会社が製作、架設したものである。
(以下略)
            昭和49年10月 広島新幹線工事局

当時としては恐らく画期的な銘板が、ここにはありました。もう一つ、銘板がありますので、そちらもご紹介します。

こちらは、土木学会技術賞・田中賞受賞記念の銘板。

【土木学会 技術賞 田中賞 受賞記念】
新幹線岩鼻PCトラス鉄道橋りょう
本橋りょうは、コンクリートの部材にプレストレスを与えて組み立てた、長さ45mのワーレントラス形式の新幹線用鉄道橋りょうである。これは日本国有鉄道が、我が国において初めてプレストレストコンクリートをトラス橋に応用して完成した記念すべき作品である。騒音と保守費の軽減、並びにコンクリート橋りょうの長大化を目的として率先して採用したもので、わが国のみならず世界のコンクリート橋りょう技術の進歩に貢献するところが極めて大きい。この業績と関係者の努力は長く讃えられるだろう。
   昭和49年10月 東京大学名誉教授 工学博士 国分正胤

いやー、とても激アツなプレートが2つも設置されている橋です。今では渋滞する道路の中に挟まれた場所にありますが、土木の技術史を語るうえでは名橋だと思いますので、是非訪れてみてください。

隣の芸備線の橋。こちらは少し窮屈な歩道などがある橋です。
芸備線の反対側から眺めた架道橋。

■巨大なアンダーパスと、マツダスタジアム

芸備線の、矢賀新町第2踏切を渡ります。
ここから、JRの在来線をくぐる、アンダーパスが。
貨物駅の下をくぐるので、細長いアンダーパスです。
地域の方が沢山利用されています。
1962年3月、という刻印がされています。
線路の南側にワープしました(笑)。ガードレールの後ろの道です。
自転車で往来する方が多いです。
本線が高架線のようになっていますが、
これは貨物線がかつて交差していた名残なのかもしれません。
しばらく歩くと、マツダスタジアムに到着。
試合のない日は閑散としています。(当たり前か・・)
カープのマンホールを発見。
こっちは、リーグ優勝記念のマンホールのようです。
これは、被爆した広島の地で、カープを応援する人たちのモニュメント。
被爆した瓦などの部材が使われているようです。
マツダスタジアムを歩道橋の上から。
こちらは、マツダスタジアムの10周年記念マンホール。
何だかカープ愛にあふれた地区ですね(笑)。
駅近くには、大きな跨線橋が跨ぎます。
広告は、カープづくしです(笑)。
駅前に、愛宕踏切という踏切がありました。
いまだに監視人がいらっしゃる踏切です。
芸備線のキハ47に遭遇。国鉄時代の貴重な生き残りです。

今回はここまで。次回以降に、広島滞在中に訪れた場所を、もう少しご紹介したいと思います。

■終わりに

土木学会全国大会のために、広島を訪れました。全国大会に参加するのは、勿論自分自身の成果を発表することも重要です(私も今回しっかり成果を発表しました)。他人の発表を聞き、意見交換をし、その場で交流することもとても良い機会です。それに加え、全国各地に出向くことで、その地域を知ることもとても重要と思います。岩鼻架道橋にたまたま訪問し、そういうすごさを実感したところでした。次回以降も、土木関係に絡むスポットをいくつか訪れていますので、ご紹介したいと思います。

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