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空想の、暮らし、夜のあし音

好きなまちの夜
きもちいい風

帰る家は無いのに
家路を急ぐ人ひとにまぎれる

ほんの小さな幸せ
かりそめの幸せ
こんな夜に空想の羽を広げて
いつかはここに住んでいるのかもって
隣のサラリーマンはいつかのわたしで

今、ここ、かもしれなくて、交錯するもの

甘いひと時。とろけるような
そんな風
かみのけを絡めて、そっと消えた。

頬は、まだほてっていて、

残ったのは夏の微香だけ。

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