ウイスキーと『木製樽』での熟成
■そもそも木樽熟成は必須
ウイスキーの定義とは、世界的な認識としては以下のようなものです。
つまり、木樽での熟成はウイスキーたり得るための必須条件なのです!
■木樽熟成と木材との関係
ただし、コーンウイスキーっていう「熟成しなくてOK」という、とんでもなくアウトローなヤツもいたりしますが、超レアケースです。
アウトローな存在、コーンウイスキー!|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
そして、スコッチウイスキーや、バーボンウイスキーは、木樽に使って良い木材の種類に指定があります。
ちなみに、アイルランドや日本のウイスキーでは、樽に使う木材の種類の指定がないです。
そういう意味では、『多様性=可能性』が広い、と言えます。
特に日本は、
ため、木材の多様性の観点では有利だと思います!
実際、現時点でも、日本のウイスキーには、「桜樽」「杉樽」など、他の国にはない、オーク材以外の樽で熟成されたウイスキーがあります!
■樽と木材名
ただし、木材によって、「香りの付きやすさ」や「木材の曲げやすさ」が異なります。
なので「桜樽」「杉樽」といっても、必ずしもその木材のみで樽をつくっているわけではありません。
(このあたりがわかりづらい!!)
一般的に「桜樽」「杉樽」などといった場合は、鏡板(樽の端っこの丸い蓋部分)のみを「桜材」「杉材」にしていることが、ほとんどです。
この「木材名×樽」というネーミングがある場合、それが
は、「詳しく調べてみないとわからない」ということになります。
■シマウマ樽!?
先日、ある人とこの木樽熟成について話をしている時に、
という私では、まったく思いつかない、斬新な意見をいただきました。
いわば、『シマウマ樽』みたいな感じでしょうか?
たぶん、有識者の方に聞いたら、「そんな樽は、作ることができないよ」と言われてしまいそうですね。
なんか、こんな感じのことを言われてしまいそうですが、ここは「コロンブスの卵」的に、『シマウマ樽』を最初につくって、熟成させてくれる人が出てきたら面白いですね。
もしかしたら、私が知らないだけで、もうすでにそういった樽は、あるのかも知れないですが。
■インナーステイプ※とは?
ここで前述したインナーステイプについて、ご説明します。
・スコッチウイスキーでは禁止されています。
・ワインの木樽熟成の際に、ウッドチップを入れて熟成感を促進させるやり方がありますが、それと同じ考え方。
・主に、バーボンウイスキーで用いられる手法。なぜなら、バーボンではホワイトオーク材での木樽の指定があるので、木材の違いによる多様性を出しづらいため。
・代表的なところでは、メーカーズマーク46が、焦がしたフレンチオークの板を樽の中に入れ込んでインナーステイプさせている。
・メーカーズマークのプライベートセレクトは、このインナーステイプの考えをベースに、「様々な異なる種類の木材を入れて熟成させた原酒」のいくつか選択して、オリジナルでブレンドすることにより、独自の味わいのメーカーズマークにつくり上げる商品です。
↓
スコッチウイスキーのブレンドにおける「バーボン樽原酒と、オロロソ・シェリー樽原酒と、ワイン樽原酒をブレンドして・・・」に近い感覚です。
◇メーカーズマーク プライベートセレクト
【2022年限定】メーカーズマークのプライベートセレクトを紹介 - お酒に美味しく呑まれる会 (osakesite.com)
■メーカーズマーク46の46って?
これ、超紛らわしいのですが、アルコール度数が46%ということではありません。
◇46の由来
メーカーズマークではインナーステイプをするにあたり、色々な「焦がし度合い」のフレンチオークの板を木樽の中に沈めて、試してみました。
その中で、「焦がし度合いのオーダー番号46(食券番号みたいな感じ?)」の板が採用になったそうです。
このオーダー番号、試作番号みたいなのが商品名になっている他の事例では、世界的に有名なブレンデッドスコッチ(日本では少しマイナー)「VAT69」があります。
こちらは、「100ブレンドの試作をした中の69番目のブレンドが選ばれたから」だそうです。
VATは、ブレンドの際に色々な原酒を入れて、原酒を合わせる際の桶を、VATと言います。(シェリーバットのバットは、BUTなので別の綴りです。)
■木樽熟成は熟成が長い方が美味しい!?
一般的にウイスキーは、基本的には「長期熟成もの」が美味しいとされています。
次回は、木樽熟成についてその歴史も振り返りながら深掘りしてみたいと思います!!
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