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白熱教室・名門大学に入ったのは運?

 NHKEテレで、白熱教室で有名なマイケル・サンデル教授司会で、アメリカハーバード、日本東大慶大、中国清華大の学生各6人ずつが参加し、インターネット会議形式で白熱教室をする様子を放映している。3カ国のディベート自慢の学生が招集されたのだが、結構お国柄が現れていて興味深い。

 その先週の放映の中で、「名門大学に入学出来た理由は努力か運か?」があった。この問いに対して日本の学生全員が運によるものと答えている。(同じく運と答えたのはアメリカ4人、中国1人)教授は以前、エリートになるのは努力より運と唱えている。日本の学生全員が教授の主張に賛成であるのは偶然だろうか?


 日本の学生は自分が勉強した(努力した。)ということを声高に主張する人は少ないし、むしろ努力をしたことはなるべく隠したいと思う傾向があるのは皆さんご承知の通りと思う。日本においては、頭のいい人ほど自分の努力を自慢をすることが日本社会で危険なことであることをよく知っており、謙遜ではなく反射的な自己防衛として「運」と言ってしまう。その傾向が良く表れているのではと思った。これが日本人の美徳ではあるが。

 逆に中国の学生は、自分が大学に入れたのは努力だという人が多く、運はおまけだとも言っていた。これは中国社会が古来の科挙以来、努力することが奨励されてきた結果であろうが、実はその中国でも出自の差があることは確かと思う。だが、彼らは自らの努力を隠さない。きっと努力の結果自慢に対しては日本ほど非難の的にはならないのかもしれない。

 討論の終わりに教授は、全員に向かって「問題は、君たちが勝ち得た特権を使って何をするかだ。激しい競争を勝ち抜いてきたからこそ、そこに伴う責任感をいつも奮い起こして、特権を社会の為の力として使って欲しい。」と結んでいる。

 成功したことを努力と主張する者と運と主張する者。どちらが教授の思いにこたえてくれるだろうか?

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