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人身事故、多い気がする?

 首都圏に住んでいると毎日どこかで人身事故が起こっているように思える。実際はどうなんだろう。検索すると、2012年までのデータだが関東38路線では毎年少しずつ増えている。

 直近の正確なデータは見つからないが、自殺者そのものは減少しているのに鉄道自殺は増えているようだ。関東では中央線、常磐線、東武東上線がワースト3とのこと。どうして鉄道自殺は減らないのだろうか?

 そう言えば10数年前のこと、精神的にしんどい仕事で終電近くまで会社にいなければならないことが、何日も続いたことがあった。毎晩同じ地下鉄駅のホームに立ってひと息つき入線してくる電車を見ていると、
「ああ今、このホームから電車に飛び込めば明日は仕事に来なくていい。楽になれるな。」
という気持ちが湧き出てほんの一瞬だが電車に向かって引き寄せられるような気がした。だが、次の一瞬妻と子の顔が浮かび我に返った。どこかで見たドラマのようだが、あの一瞬に電車に吸い寄せられていたら、今ごろここでこんな文は書いていなかっただろう。

 もしかしたら、電車というのは死にからめとられた者を吸い寄せる空気をまとっているのかもしれない。その一瞬にからめとられた者は、この世に引き留めようとする何かがないと、スーと引き寄せられてしまう。そんな気がする。それ以来、電車に飛び込んでしまう者の気持ちが少しだけ分かるような気がする。

 だからと言って、死んではいけない。吸い寄せられる空気を感じたら、自分の大切な者を思い出して欲しい。一瞬で自分だけ楽になっても大切な人達が苦労する。(悲しむだけでなく苦労する。)
そう思うのだが、死にからめとられた者には届かない。それに、天涯孤独で誰も大切だと思える人がいない人はどうすればいいのか?残念ながらその答えは分からない。

 7月は統計的に鉄道自殺が多い月だという。少しでも自殺者が減って欲しいと思うのだが。



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