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老人が飼っていた番犬はどこに?

 今や外で犬を飼っていたら動物虐待となり、犬の鳴き声は騒音として近所からのクレーム対象となる。若い人の中には犬が主に番犬として不審者を威嚇する存在であったことを知らない方の方が多いかもしれない。

 気がついたらいつのまにか外で飼われている犬はいなくなった。自分は犬を飼っていないので分からないが、外犬がほとんど内犬になったのはいつ頃だっただろう。そしてその頃外犬は騒音問題の対象になり、更に内犬化が進んでいったと思われる。

 しかし長い間外で飼われていた犬を家に入れるのは大変だったと思う。成犬に排泄の躾なんて並大抵ではない。ましてそれが老人家庭の愛犬だった場合、飼っていた老人の苦労はどんなものだったろう。話は伝わってこないが、もしかしたら泣く泣く愛犬と別れた老人もいたかもしれない。

 多分都市部以外なら今も番犬はいるのかもしれない。ただやがて彼らも外で吠えることは許されなくなっていくのだろうな。

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