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コミュ障ホテルマンのはじまり

はじめまして


ふと、自分にできることは何か考え始めた39歳独身ホテルマンです。少しでもホテルで働きたい人たちに背中を押せるよう文章を書ければ嬉しいと思い、なぜか3年前に登録していたnoteに目が向きました。

自分ってなんだろう

いまでもはっきり覚えている中学校2年生。今まで自分はクラスの中心で男女問わず友達がいっぱいいた。常に好かれている実感もあった。でも、はじめて付き合った彼女と別れて、客観的に自分をみる自分がいることに気が付く。どう思われてるんだろうとか、人と話すのが恥ずかしくなり、自分をだせなくなる。出せなくなる自分も自分だからよく分からないけど、今までとはなんか違う感じ。給食の時間、部活の時間、嫌われるのが嫌で話せなくなったのが一番しっくりくる理由だった。なんとなく月日はながれ、中学を卒業するころにはこの人っていう親友は一人もいなかった。克服しようといろんな本をよみ、明るくなろうとしたが、それは高校、大学と続き、「自分ってなんだろう」って自問自答しながら、毎日悩んでいた。何も話さない、口数がすくない暗い人、それが自分の印象になっていた。ゆえに高校、大学で連絡が続いている人は一人もいない。家に引きこもりっていう感じではないが、飲み会や集団でいると気づくと一人になっている、そういう感じ。

就職

人との関わりあいが苦手な私は、本気で悩んだ。大学で勉強していることもおもしろくない、やりたいことなんてなにもなかった。あるのは今の自分を変えたい、それだけだった。日常生活では人と関わるのが苦手だった自分は仕事くらい人と関われることをしようと思ったのがホテルへの就職のきっかけでした。人前で話すことが苦手で、性格が明るくもない、しばらく人の前で笑っていない自分が果たして受かるのか一か八かだった。必死で口角をあげる練習と自分から話しかける意識を常にしていた。でもほんとはしたくないことをしているので、ストレスはすごいあった。合計10ホテルくらい受けて、最初の9社は全滅、最後の最後で電話が鳴り、「採用です」と人事担当者から連絡があった。いまでも覚えている一人で大学のキャンパスからでる帰り道だった。空は晴れていた。新しい人生を歓迎してくれてるようだった。

大学教授

当時の研究室の教授に内定をもらったことを報告し、あるホームルームの時だった。みんながいる前で「お前には向いてないと思うよ」と言われた。暗い性格だった自分を知っていた教授の痛烈な一言だった。
「そんなの分かってる」それが自分の正直な思いだった。悔しくて、よくがんばったねも言ってくれないんだと失望した。いまでもその光景がモノクロ写真のように頭に刻まれている。

ホテルマンって苦しい

これで自分も変われる、そんなのが一蹴される内定式。同期はコミュ力抜群のクラスの中心にいるような人たち。みんないい人だけど、自分にとっては苦しかった。話に入っていけないし、楽しく話すっていうのができなかった。あるとき、自分の話をしているときに、みんながこっちを向くときがあってそんなこと久しぶりだったから、急に顔逸らすために、たまに180度顔を反対側に向けて、きょろきょろしながら人と話す変な行動をしていた(笑)。今思うとやばい人・・。
でも同期の飲み会はいきたくない正直な心に蓋をして、頑張って参加していた。学生時代をくりかえしたくない、その一心で一度も断らず行った。

仕事とはいううものの、同期の関わり以上に辛い。明るくてきぱき動け、先輩にも好かれる同期は、仕事ができる。口数少なく、自信が持てない自分は失敗ばかり。3ヶ月に1回は始末書をかくかんじくらい失敗しまっくっていた。先輩からも「暗いよ」「勢いがないな」「友達いないでしょ」「休みの日なにしてるの?」の言葉が多くなっていた。毎日何もできない自分に泣いていた。暗い自分も自分なのにとか、なんでわかってくれないんだとか完全に「自分」がなんなのか分からなくなっていた。

ただ続ける

17年間ホテルマンでやってこれた。その理由は、意外と自分を見てくれていることだった。失敗ばかりしていた自分は失敗しないための方法やこういう気持ちだと失敗するとか失敗する人の気持ちがよくわかるようになっていた。後輩に指導するときそんなことを意識するようになっていた。入社して5年くらいだったろうか転機があった。ある後輩が「私を尊敬する」と言ってくれた。自分の性格ばかり言われる日々の中、信頼してくれた。ちゃんと教えてくれると太鼓判を押してくれた。かっこつけて無表情だったが、めちゃくちゃ嬉しかった。自分の人生はその人のおかけで、新しい自分を教えてくれた。上手くいかなくても、向かない仕事をしていても、ただ続けるだけできっと見くれる人はいるし、「向かない人にしか分からない仕事」がきっとある。そこに他社と差別化され、光があたる。

何が変わったのか

今でも、性格が明るくなっているわけではない。むしろ問題は平行線でかつての悩みは解消していない。休みの日は誰とも会いたくないし、これといって友達もいない。でも信頼できる人とは仕事を通じて出会えた。自分を自分のまま知って、話してくれる人もいる。信頼してくれている後輩からごはんも誘ってくれることもある。変わることが大事だったのか、今も解決してはないがそんなことを書いていけるブログにしたい。

将来のホテルマンへ

自分を変えたくてホテルで働きたい人はたくさんいると思う。でもどっかで自分は向いていないとか性格があっていないとかで諦めているのだったら挑戦してほしい。
「向いてない」人がホテルを支える、ホテル以外の仕事でも大事になってくると思っている。ホテル業界も人手不足で違う考え方や、取り組み方を欲している。性格が明るくて、話がうまいに越したことはないけど、それがすべてじゃない。あなたの良さは違うところにあってもいいんだ。むしろ良いとか悪いとかそんなの忘れて、とりあえず飛び込んでほしい。最初は苦しいけど、人間慣れてくる。客観的に人を見るホテルマンだから、自分の事も客観的に見ることも多くなっていく。「嫌な自分」を見がちだけど、あれっ「新しい自分あるじゃん」って思うこともよくある。仕事だから違う自分にもなれる。

別に明るくなくても、周りの中心にいなくたっていい。もちろん変わったっていい。ただ続ければそれでいい。

周りの目や言葉、当たり前の考え方に負けないでほしい。



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