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TOEFLibt53点がブルガリア医学部の授業に食らいつくために最初の2年でやったこと

私の英語レベルでどうやって海外医学部をストレートに卒業して、しかも医師国家試験をパスしたのか疑問に思う人は多いだろう。

私が実際にやった勉強法4つと、進級するために何が必要かを紹介しようと思う。

講義のスライドは全て写真を撮る

1年目は英語での慣れない授業がスタートしたばかりで、圧倒的な専門用語や単語不足。授業を聞いていても単語が分からなくてどんどん先生の話がこんがらがっていき、最終的に講義の内容を見失うことが多かった。

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だから講義は全部を理解しようとはしない。太文字で書かれている単語の意味だけ調べておき、帰ってからの復習の時間短縮にするようにした。

日本語では調べない

ここは賛否両論だと思う。膨大な勉強量をさばかなくてはいけないから、効率重視で日本語で一通りセオリーをつかんでから、再度英語のテキストを読み直すという勉強をしていた日本人が圧倒的に多かった。
ただ、私はそれはしなかった。

調べるのは基本的に単語の意味だけ

例)Sertoli cellって何?
① 日本語ではセルトリ細胞

② 言葉の定義を英語で調べてみる。
Any of the elongated cells located in the seminiferous tubules of the testis, and whose main function is to nourish the spermatids attached to it.
                                                                                                   (Biology Online)

Any of the elongated, striated cells of the seminiferous tubules of the testis, to which spermatids attach for nourishment during spermatogenesis.
                                                             (Medical Dictionary The Free Dictionary)

気になる単語+definitionで検索していくつかのサイトをまわってみると、必ず1つは言葉の定義を簡単に説明してくれているサイトに出会います。
今回は2つ定義を挙げたが、Biology Onlineの方が難しい単語が少なく、注目すべき単語であるmain functionまで示されているから分かりやすいね。

③ 専門用語は英語の単語だけ覚える。
在学中は日本語は使わないし、膨大な量をさばくうえで、日本語も覚えるのは2倍の労力になるしね。日本語の医療単語に触れ始めたのは、国試の準備を始めた時からだった。ただ、今でも私の中では疾患はほとんどが英語名だ。Acute glomerulonephritisはAcute glomerulonephritisであって、疾患を思い浮かべた時に急性糸球体腎炎という言葉が出てくるのに時間がかかるのが難点。

YouTube動画を駆使する

生理学などの物事の事象を理解する科目の勉強は、紙の情報を拾うだけでは理解が難しい。

それならAnimationを見ればいいじゃない。

これまたありがたいことに、たいていの事は誰かが分かりやすい動画を作ってくれているんだよね。

五感を使って学習すると定着が早いと思うからこれは本当におすすめ。

まとめノートを作成し先生に見てもらう

テスト内容に則した実際のまとめノートがこちら。

これは1年後期から2年前期で授業のあった生理学のノート。

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期末試験の要項を大学のホームページからダウンロードすることが出来るから、その要項に沿った内容を、大学の授業で配られた教材や、講義のスライド、英語の参考書をまとめてまとめノートを作成した。まとめノートはほぼ全教科作った。

そのノートを担当教員のところに持って行って、

『この勉強内容で試験受かれますか?』


って聞きまくった!

化学なんかは、期末試験で出題される予定のモル計算などの計算問題が解けないと先生に頼み込んで、30問全てを計算の仕方を解説してもらいながら一緒に解いてもらった。

教員もしっかりまとめをしたり、分からないところを授業後に聞きに来る生徒に悪い気はしない。

だからくだらないことでも馬鹿にせず、本当に丁寧に指導してくれた。
ノートの内容で足りないところは、また説明してくれるし、私のノートに追記をしてくれることもあった。

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何よりのメリットは専門的なことをディスカッションする時間を人より多く持てたことだと思う。

英語で学習し医学部を進級するためには

正直なことを言うと、日本語で勉強して英語に置き換える勉強法は学習の限界があると思う。第一に、日本語で考える癖をつけていると、とっさに言葉が出てこない。答えありきで言葉を覚えることになるから、必然的に知っている単語数が少なくなるし、正しい専門用語の使い方に触れる機会も減ってくるから、専門的な会話での適切な言葉の選択が出来なくなる。

私は効率は考えず、最初の数年は英語のみで学習することを勧めたい。

初めの2年は家にいる時間はほとんど勉強していた。しかし、どんどん勉強時間は減っていったし、自分の時間が多く持てるようになった頃には英語で困ることもかなり減ったことを身をもって体験したからだ。

それと、教員を頼ることも大切だ。

滞りなく進級するためには自分の語学力をマルチタスク的に向上させる必要があるが、何よりも時間は限られている。効率よく語学力を伸ばしながら英語で勉強するのに1番おすすめなのは、今のところノートを作って教員にチェックしてもらう事かな。

日本人は主張がないため教員側もどんな助けをしていいのか分からず困っていると言われたことがあった。助けてほしいと言えば、ブルガリアの大学の職員は本当に世話焼きだから嫌がらず手を貸してくれる。

ノートをチェックしてもらうメリットは、会話が苦手ならノートを見ながら話すこともできるし、向こうもノートを見てくれるから言いたいことをくみ取ってくれやすいと思う。相手の発言を理解してさらに質問したり、説明したり、1番効率のよい勉強になるのではないかな。

私の勉強法が誰かの役に立つ日が来ますように。


















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