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ゾエゾンのレビュー『戦国大名と大航海時代』

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 諸説あるが,基本的に支持されているのは,全国平定を成し遂げた秀吉が海外の領地を求めて一方的に侵略したという解釈である。なかには,秀吉の「狂気」として解釈するものまである。しかし,それは本当だろうか。
 ポルトガル・スペインによってはじまった大航海時代。これは言い換えれば,布教による世界の植民地化の時代でもあった。日本も例外ではない。日本に訪れた宣教師たちは,隠すことなく日本征服の構想を練っていた。こうした動きに対抗するため,秀吉は朝鮮だけではなく,明やフィリピン,インドへも服属を求めている。また秀吉の一連の対外政策は,ヨーロッパ各国に,政治的軍事的に強力な「帝国」であるという認識をもたらした。それは本当かを突き詰めた先の新しい説の誕生だ。


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