見出し画像

高橋さんとの出会いとクラウドファンディング

クラウドファンディングに挑戦するのは、これが初めてだ。

今年の2月に今回のプロジェクトの発起人である高橋さんが、ソスイレコードというレコード会社を立ち上げた時、とても嬉しくなってしまって思わず熱烈なメールを送ってしまった。
その時に福島のミュージシャンを集めて、コンピレーションアルバムを制作したいというお話を伺って、「是非とも」とお返事していたのだ。

高橋さんと出会ったのは2016年のこと。
「福島県内で、素敵なイベントがあるな」と目にとまることが続いていて、どんな人が企画しているのかと思っていた時に、高橋さんの存在を知った。
そんな中、今回のプロジェクトに参加が決まっている矢野雅哉さんからご縁を繋いでいただいて、高橋さんの企画するイベントで演奏させてもらったのだった。
その頃の私は、音楽を生業にしようと、スタートを切ったばかりだった。
いろんなイベントで歌わせてもらえる機会が増えてきたタイミングだったけれど、高橋さんの存在の稀有さを強く感じたのをよく覚えている。

当たり前のことだと思うのだが、各地で演奏活動をしていると、「そのミュージシャンがどのくらい有名なのか」、「男なのか女なのか」、「年齢はいくつなのか」、そういったことが重要視されることがとても多いことを痛感する。
そしてそれは、お客さんでも関係者でも同様であって、ミュージシャン同士でもとても意識するものなのだと思う。
けれど、高橋さんはそれらに目をつむる訳でもなく、きちんと情報として受け取った上で、「どんな音楽をやっているのか」、「そこにどんな想いがあるのか」に先に目を向けてくれる。
こう言うと、そんな人沢山いるだろう、と思う人もいるだろう。
けれど、イベントを運営する人が、出演するミュージシャンの知名度や容姿や集客能力よりも先に、音楽そのものを、なんのフィルターもかけずに最初から見つめることができるということ。そして順位をつけずに愛を持って扱ってくれるということは、私はほとんど体験したことがないし、とても難しいことだと思うのである。

私は女性に生まれたことを比較的気に入っているけれど、音楽をやる上で、なんて邪魔なんだろうと思うことが何度あったかわからない。
身体的なものも、世間の目も、あげだしたらキリがないほど、男性を羨んできた。
女性であることや、10代や20代であったことを、もっともっと上手に使うことができたのならばよかったのかもしれないけれど、「容姿や年齢は関係なく音楽を聴いてほしい」という意地のようなものが常に付きまとっていて、生かしも殺しもできない自分に常に悩んでいた。
今もそれがない訳ではないけれど、この頃の私は20代半ばで、独身で、世間知らずで、実力も知名度も今以上にとても発展途上だったので、必要以上に軽んじられる事も重んじられる事も続いていて、疲弊していたのだと思う。

そんな時に、高橋さんのイベントに出演できることになったわけだが、初対面にも関わらず、当たり前のように、出演ミュージシャン全員をフラットに、なおかつ大切に扱ってくれるという感覚に出会った衝撃は大きかった。
表に立つわけでもなく、でも、ミュージシャンが穴を埋めなくてはいけない場面がないように意識して動いてくれる高橋さんの働きぶりは素晴らしかった。
そしてそれは、その日出演したミュージシャンだけではなくて、来場してくれたお客さんたちにとっても、とても居心地の良いものだったのではないかと思う。

それから私のワンマンライブを観に来てもらったり、一緒にイベントを作る機会はなくても、たまにやりとりすることがあって、そして、それらはいつもハラハラする事もがっかりする事も変に浮かれるような事もなく、穏やかに落ち着いた感覚があって、私としては嬉しい事だった。
そんな中での、ソスイレコードの設立。
大切な音楽仲間の高岩大輝くんのバンド、silaphのCDがそこからリリースされるという事も合わさり、とてもとても嬉しくて、高岩くんと高橋さんに、全く自分のことではないのに、熱烈なメールを打ってしまったのだった。
あまりにも私が勝手に喜んでいるので、2人ともびっくりしたのはないかと思う。

そんな時に始まったコンピレーションCDの話は、秋にまた高橋さんからメールをいただく時にはクラウドファンディングのプロジェクトになっていた。
新型コロナウイルスの影響に苦しむミュージックシーンを目にして、育休中ではあるけれども、できることはないのかと考えあぐねていた私にとって、是非参加したいと思えるものだった。
そしてそれが実現したら、確実に素晴らしいものになるという自信があった。
「参加ミュージシャンとしてだけでなく、お手伝いできることはないか」という話をして、アーティストを集める手伝いをすることになった。

関わらせてもらう中で、クラウドファンディングというのはとても難しいものだということをさらに体感した。
CDを制作するのももちろん、参加アーティストをはじめ、県内外問わずにミュージックシーンに関わるライブハウスや飲食店、 CDの販売店などへ、より多くの人の元へ CDをお渡しするためには、たくさんCDを刷る必要がある。
そこには大きな金額がかかるし、やはり支援をお願いするのは気が引けてしまう事もある。
けれど、今回賛同してくれて集まったアーティストのみんなは、「高橋さん」という人物がいなかったら集まり得なかったし、高橋さんとアーティストだけで作り上げることは難しい規模のプロジェクトになった。
守りたいもの。培いたいもの。
そんなものたちに、福島という土地から、わずかでも手を伸ばすことができたら。
先が見えないこの時代に、船を止めてしまわないように、燃料となるようなプロジェクトだと思っている。

応援してもらえたら嬉しい。
もちろん支援してリターンを選択してもらえたら、という思いがあるけれど、今回賛同して参加が決まっているアーティストのSNSの記事を拡散したり、誰かとこのプロジェクトの話をしてくれたら、それはとても大きな助けになる。
お金を出すことって、とてもハードルが高いのも理解している。
私も、なかなか、やりたくてもできないことが多いから。
クラウドファンディングって、登録しないと参加できないし、思ったように参加できない後ろめたさを感じる事もあると思う。
でも、応援してくれる声は、きっと他の人の元に届くから。
私たちももっと頑張れるって励まされるから。
そうして、いいなって思ってくれたみんなと、一緒に「So sweet songs」という作品を作ることができたら、きっとすごい力を持つと思う。

どうか、いろんな形で、この作品を作ることができるように応援してもらえたら嬉しいです。

私が参加しているクラウドファンディングのページ
https://motion-gallery.net/projects/sosweetrecords

高橋さんのプロジェクトへの想いが書いてあります。
是非読んでみてください。
https://note.com/a_takahashi/n/n10eae4ba52f6

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?