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エストニアは沈没しても、たぶん無くならない。

電子国家・エストニアの現状を知って『日本沈没』という強烈な映画を思い出しました。
日本が沈没した時、あなたはどうしますか?

・エストニアの「電子政府」を可能にした3つの成功要因

 エストニア。
 元大関・把瑠都の出身国、さらにはSkypeが生みだされた国です。
 地理的には北欧の下部分、バルト三国のひとつ。
 たとえ自国の位置をクイズ番組で間違えられても、怒らず愉快に指摘してくれる寛大な国です。

・エストニア大使館、TwitterでTBSに激しくツッコむ「バルト諸国で一番北ぁー!」

 とりあえずエストニアの現状にビックリしました。
 何にビックリしたかの前に、まずは確認です。
 国家とは3つの要素で成り立っています。あくまでも現代で共有されている定義にすぎませんが。確か小学校あたりで学びます。
 
 ・領土
 ・国民
 ・主権

 土地があって、そこに人がいて、その人たちが自らを認め治めている。
 ただそれだけのことです。
 民族や宗教は国家を成り立たせる要素ではありません。

 話を戻して、エストニアの何にビックリしたのか?
 なんと「結婚と離婚、不動産売却の手続以外では役所に行かなくてもよい」のだそうです。
 行政サービスの99%がオンラインで完結しちゃってるとのこと。
 議会選挙も電子投票で行われます。
 「国民ID制度」というものが普及し、国民全員がIDを持っている。
 ※日本の「マイナンバー」とはレベルが違います
 これによって様々な行政サービスが電子化されたといいます。
 最近話題のブロックチェーン技術も活用されています。
 確定申告も、住民票の変更も、会社設立の手続きも、議会選挙の投票も、すべて自宅のPCで完結しちゃう国。
 というか自宅じゃなくても、カフェでも、オフィスでも。

 あれ、どこに居ても行政サービスが完結しちゃう?
 あれ、ネット環境さえあれば?もはや海外でも?
 あれ、これ国土要らなくない?

 そうです、電子国家とは極論、”国土を必要としない”のです。

 ”国土が無くなる”ということを、真剣に題材にした映画があります。
 『日本沈没』(1973年公開)です。 

 日本を代表するSF作家・小松左京 原作。
 これまで2度映画化されてますが、1973年版をぜひ見てください。
 ※2006年版(草彅剛・柴咲コウ主演)は簡単に言ってしまえば「セカイ系」です、あと原作と内容が異なる部分が多いです

 超ザックリ内容を説明すると、
 未曽有の大震災で日本が国土が海に完全水没。
 生き残った日本全国民が難民となる
、といった話です。
 ※45年も前の映画ですがネタバレごめんなさい

 残念ながら、世界各地に散っていった後の日本人は描かれません。
 かろうじて日本列島から大量の日本人が避難するところで映画は終わります。

 国家の3要素の内、領土が完全に無くなってしまったわけですが、
世界各地に散らばった日本人たちは一体どうなったのでしょうか?

 エストニアの話に戻って歴史をすこし振り返ってみると、デンマークにドイツ、スウェーデン、ロシア(ソ連)など様々な国々の支配を受けてきたそうです。

 ”仮に国土が無くなっても「エストニア」という共同体を維持する”
 エストニアの人々が真剣にここまで考えているか分かりませんが、脳裏にこうした考えを浮かばせていても不思議ではありません。
 
 そしてそれは、
 ”エストニア人であるとは、どういうことか?”
 を考えやすくしている気がします。

 国土への過度な愛着を、ある程度放棄しているわけですから、
 何を大事にして生きるか、思考方法がシンプルになります。

 もちろん国土が無くなることは想像しにくいです。
 何万年後とかは分かりませんが、可能性も低いでしょう。
 さらに、日本を電子国家にすべきかどうか、という議論でもありません。

 ただ、”国土が無くなったらどうするか?”とドラスティックに考えることで日々の思考方法になにか変化があるかも知れません。
 それは国家単位の問題でも、個人的な悩みでも。

 あなたは日本が沈没したらどうしますか?

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