Chanmyong Jin

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Chanmyong Jin

director/テレビやらネットやらで映像制作してます/面白そうなことがあれば基本どこへでも行きます

最近の記事

「差別のない世界」は嘘で「差別を確認しあう世界」がいい

・まずはクイズ。 ・お父さんと息子がドライブに出かけました。しかし、不慮の事故に。お父さんは帰らぬ人となり、息子は集中治療室へ。待ち構えていた医師は大声で叫びました。『私の息子だ!』さて、本当のお父さんは誰でしょう? ・つるの剛士さんのツイートが話題を集めている。 ・畑でパクチーを育てていたらしい。それを、ある人間に盗られたとのこと。家族団らんの食卓にパクチーを添えようと楽しんでいたなら、何とも歯がゆい気分になる。しかも、パクチーを盗られた現場に遭遇したらしい。普通に怖

    • 『パラサイト』”人生や社会は合理的に計画できる”と信じている人たちへ

      ・ファイナンシャルプランナーという職業がどうも苦手だ。 ・「現在の貯蓄○○万円の○○%を○○と○○に長期投資して、残り分は○○に積み立てる。そうすると平均○%の利率が見込めます。将来子どもが生まれたとして、最大〇○万円の支出が発生しても、十分にpayできます。」 ・もちろん将来に備えることは大事だ。けど、計画に少しでも狂いが生じたらどうだろう。急な災害が襲うかもしれない。深刻な病気にかかったら?親の介護が必要になる場合もある。突然会社からリストラに遭ったらどうだろう。

      • 2019年、政治を語って勝ったアメコミ

        ・日本では政治への無関心が叫ばれて久しい。2019年の参議院選挙では投票率は過半数を割った。しかし、そんな日本を横目に世界は政治に夢中だ。   ・2019年、世界を賑わせた映画といえば『アベンジャーズ』と『ジョーカー』だった。マーベルとDCコミックスが送るどちらもアメリカを代表するアメリカンコミック。   ・日本だと一方は『ドラゴンボール』か『ワンピース』。一方は「バイキンマン」を主人公にした実写映画のようなものだろうか。そんな二つの映画が題材に選んだのは、まさしく政治だった

        • 「性別を聞くこと」が面白い、という感覚~読売テレビ『ten.』について2つのこと~

           「性別を聞くこと」が面白い、という感覚をテレビ制作者が本当に持ってるとしたら、それはヤバいと思うんです。  100歩譲って面白かったとして、それを『報道番組』でやる意義がどこにあるんでしょうか。  読売テレビの夕方のニュース番組『ten.』が炎上しました。  「保険証を提示させて胸を触って性別確認」 実際の映像も見ましたが、まずこの企画のどこが面白いのかまったく分からないんです。  「人権への配慮を欠いた」という部分がクローズアップされてますが、僕は人権やジェンダーの専

        「差別のない世界」は嘘で「差別を確認しあう世界」がいい

          「南青山の児相建設反対」と「辺野古の基地建設反対」ってどう違うんだろう?

           と、無意識に言ったらある人には唖然とされ、ある人には若干怒られました。。。  実はこの2つ、図式的には類似点が多いと思うんです。  ①行政主導(児相は港区、基地は国)  ②大なり小なり賛成・反対で分かれている  ③賛成・反対の意見が紋切型で拡散している  ※もちろん歴史的経緯、規模、地理的状況・・・違う点も多いです  両方賛成の人もいれば、両方反対もいるだろうし、それぞれ意見が異なる人もいるでしょう。  そして140文字で罵詈雑言を投げ合って、テレビではコメンテーター

          「南青山の児相建設反対」と「辺野古の基地建設反対」ってどう違うんだろう?

          『万引き家族』破綻する2つの世界でどう生きる?~ちょいネタバレあります~

           久しぶりに話題作を公開直後に観ました。  『万引き家族』です。 感想をサクッと。  ”家族の在り方”どうこうの話は一面的だと思うので触れません。  それよりも「いま直面するグローバルな社会問題をよく表現したなあ」と思う部分を。  この映画は前半と後半で世界観がまったく違います。  そのため意図的にカット割りも変えています。  誤解を恐れずざっくり言うと「複雑」な世界と「単純」な世界。  小難しく言うと「文学」と「政治」の世界です。 映画の前半、サザエさんを見ているようで

          『万引き家族』破綻する2つの世界でどう生きる?~ちょいネタバレあります~

          エストニアは沈没しても、たぶん無くならない。

          電子国家・エストニアの現状を知って『日本沈没』という強烈な映画を思い出しました。 日本が沈没した時、あなたはどうしますか?・エストニアの「電子政府」を可能にした3つの成功要因  エストニア。  元大関・把瑠都の出身国、さらにはSkypeが生みだされた国です。  地理的には北欧の下部分、バルト三国のひとつ。  たとえ自国の位置をクイズ番組で間違えられても、怒らず愉快に指摘してくれる寛大な国です。 ・エストニア大使館、TwitterでTBSに激しくツッコむ「バルト諸国で一番北

          エストニアは沈没しても、たぶん無くならない。

          ウーマン・村本さんが無知をさらけだす先にあるもの~テレビからどうでもいい不倫スキャンダルや相撲報道が消えないワケ~

           ウーマンラッシュアワーの村本さんが無知をさらけだす先にあるものが…不倫スキャンダルや相撲報道です。 誤解を生まないよう先に言っておくと、僕は村本さんの活動の大部分に賛成で遠くから応援しています。僕はチャップリンだったりモンティ・パイソンだったり、社会を風刺する笑いが好きだし、社会への無関心が蔓延する中そういった笑いこそ必要だと思っています。  昨年末のTHE MANZAIでの漫才は最高でした。今後もガンガンいってほしいです。だからこそ、一旦立ち止まって確認しておきたいことが

          ウーマン・村本さんが無知をさらけだす先にあるもの~テレビからどうでもいい不倫スキャンダルや相撲報道が消えないワケ~

          豊かな社会とは何か、それは「不可解」を受け入れるということ~映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』を観て~

          ジェンダー・国籍・民族・宗教・障害・LGBT・・・。そもそも生まれることについて誰も同意せず選択もしていない。社会は「不可解」で成り立ってるんです。 年始にいくつかの映画を見て良作に出会えました。 ※映画館に行くんじゃなくレンタルDVDでごめんなさい 『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』(2015年公開) 詳しい映画の内容までは紹介しませんが、現代美術家の内藤礼さんを追ったドキュメンタリーです。けれでも、いわゆる「芸術家の知られざる素顔に密着しました!」みたいな感じで

          豊かな社会とは何か、それは「不可解」を受け入れるということ~映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』を観て~