ギャンブル依存症カミングアウトの日

物がなくなりはじめ、お祝い金まで減っている？
そんな違和感から、数日後のことでした。

貴重品入れである我が家のテレビボードの引き出しには
車検用の先取り貯蓄で封筒に１０万円入れていました。

ふと、触った瞬間。

え？薄い・・・？

背筋がゾワゾワする感覚でした。

最近本当に何か変だ。

色々物がなくなるし お金が確実になくなっている。

誰かが立ち入った形跡は全くない。

もしかして・・・

彼に聞きました。

「車検用に貯めていたお金が１万円しかないんだけど」

彼「ごめんなさい。」

小さな声でそう言いました。

私「何がごめんなの？」
彼「お金使いました」
私「何に？」
彼「パチンコ・・・」

そして、彼のカミングアウトが始まります。

「実は、俺はギャンブル依存症です。
家に現金を置かないでください。
もともと、前の会社を辞めたのも、
闇金に手を出したのが理由です。
闇金の件は、弁護士に解決して貰ったけど
職場にバレてしまったら 退職金は出なくなるから、
その前に自主退職した。

退職理由が、本当にやりがいのある仕事を見つけたいから
というのは嘘です。
銀行からの信用はないので
クレジットカードも作れないしローンも組めない状況です。

勉強のために、図書館に出かけていたのも
全部嘘でパチンコに行っていました。

税金の支払いに渡されていたお金も全部使い込みました。

税金が払えない状態で、ずっと督促状が来ています。
すみません。」

私は頭が真っ白になりました。

は？
ギャンブル依存症？
闇金？
督促？

幸せの絶頂だったのに
ガタガタと崩れていくのが分かりました。

聞き慣れない言葉の連続。

思考は停止状態。

彼には、無職の間支払わなければならない
市県民税が約３０万円ほどありました。

私は４回に分けて、支払うように
彼に現金を渡していたのです。

とっくに支払いは終わっているはずでした。

その税金には延滞遅延金が発生しており
額は５０万円になっていました。

支払わなければ、財産の差し押さえにもなる緊急事態です。

私は妊娠３カ月。
仕事もフルタイムを続けていました。

彼の月給は少なめで、手取り額に波のある仕事。

私が家計を支えている
いわば大黒柱の状態です。

つわりもあり体もきつい。
言わせてもらえば、仕事もきつい。

休みたい。

でも生まれてくる子供の為にも
金銭的な余裕が欲しかった。

だから頑張っていました。 

ただでさえ
状況的には背負うものが多いなぁと感じていた。

そんな中でのカミングアウトに心がついていきません。

そういえば指輪！！！！

もしかして、、、

いや、
流石に結婚指輪をお金にするはずない。

でも、もしかして、、、

恐る恐る聞きました。

私「指輪は？」

彼「結婚指輪も質屋に入れました。
４万を返せば指輪は返ってくるので、お金ください。」

は？
質屋？
４万？

その時、私は知りませんでした。

質屋には金目の物を担保にし
お金を借りるシステムがあるそうです。
一定期間、返済がない場合は担保の品はもちろん返ってきません。

まだ入籍して２カ月。

結婚指輪・・・

一緒にあんなに選んだじゃん。
指も太いし、指輪似合わないって
悩んでた私に

「それが、一番かわいい」って
「似合ってる」って

言ってくれてたやつじゃん。

お金ないけど、記念だしねって。
これから一緒に働いて、お金貯めよ！ って
頑張って買ったやつじゃん。

まだ５回もつけてないのに。

質屋に入れたって、どういう神経？

私「じゃあ、私が指輪を探してて
　　一緒に探してくれていたのも演技？」

彼「はい」

私「iPad は？」
彼「売りました」 

私「ダイヤの指輪は？」
彼「売りました」

私「全部、私の私物だよね？
　　なんで勝手にそんなことできるの？」

どんどん怒りがこみ上げてきます。

もしや、結婚しようと思ったのも
私のお金が目的なんじゃない？

私と一緒にいたら
お金には困らないからっていう
理由なんじゃないか？

今までの彼との日々が
全て嘘で作られたものなんじゃないかって

混乱、怒り、悲しみ、、、
一気に押し寄せる感じでした。

「ってか、お金どうするつもりなの？！
　子供も生まれるのに、
　５０万なんて簡単に出せる訳ないでしょ？！
　結婚指輪売るとか神経が分からん。
　私のこと馬鹿にしないで！
　闇金に手を出してたとか、銀行から信用無いとか
　入籍する前に言わないといけないことでしょ？！
　やってること、結婚詐欺と一緒よね！！」

そして、彼は泣きながら 自分の生い立ちについて語り始めます。