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WORK #11 / 2021.3
父親は私にとってスーパーマンなのだ。すっかり大人になった今でもそうだ。父はオヤジくさい杉下右京(相棒)みたいな人で、私は、というか私たち一家は、機械・工具・インターネットの全てを父親に頼ってきた。言いすぎだと母に怒られるだろうか。でも大体そんな感じ。特にスマートフォンやパソコンに関しては父がずば抜けて詳しい。それに準じて、ネット通販やオークションも父の専門である。私が物心ついた頃から、父はヤフオクにかじりついていた。インターネット克明期に青年時代を過ごし、給料のほとんどを機器に注ぎ込んできた彼には、まあなんだ、情報の海を渡っていくことはお手の物なのであった。
そんな父からのメール。「自転車を修理するって言ってたけど、どうなった?」どうにもなってない。何ならもう諦めそうである。サポートセンター二件にSOSを出して、「弊社ではできかねます」と言われたところだ。誰ならできかねるのか、さっぱり分からなくて頭を抱えていた。 「どうにもなってません!」と返事を送りつける。今回のこともとりあえず父に相談すれば、ヒントをいくつかくれるに違いない。くれ。お願いします。そんな甘えきった根性まる出しで父に電話をかけた。
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