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WORK #5 / 2020.9

 先月、久しぶりに美術館に行った。おそらく半年以上ぶりだ。最後に何を観に行ったか思い出せない。そもそも閉館していたということもあるけど、卒業する前もしばらく何も観に行かなかったんじゃないだろうか。徒歩圏内に美術館があるという恵まれた環境に住んでいながら、何やかんや他のことばかりしていた気がする。
 展示がどうだったというよりもまず、その場の自由さに驚いてしまった。今まであまり気にしていなかったけど、足を進めるテンポも引き返すのも自由で、何を要請されるわけでもない。究極観ないで闊歩していくのも可能なわけで、そのときの欲求に正直でいていい場所なんだなあとしみじみとした。散歩と同じなんだけど、ある程度の枠組み、制約がある中で、その自由さを保障されているのが心地よかった。本や映画が流行るのは過ごし方の主導権をメディア自体が握っているからなんだろうか、とか。自由にしていいですよ~と言われて困ってしまう人も多いんだろうな。

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