マガジンのカバー画像

WORK a day

92
プチWORK。日記だったり頭の中だったり短歌があったりなかったりする。無料記事です。
運営しているクリエイター

2022年4月の記事一覧

4.22 Fri 眠る前

 枕の上で目を閉じて、誰かが同じように眠る姿を想像する。その日話した人。しばらく会っていない友人。地元の先生。明暗の分からない部屋で布団に身を横たえて、目を閉じている。想像すると、だよなあと思う。落ち着くわけでもないし喜べるわけでもないけど、あの人も寝るよなあって。それぞれに室温や布団の肌触り、呼吸があって、みんな夜の中で眠っている。

 朝起きる時はそういった想像をしない。たぶん自分の朝に無我夢

もっとみる
4.16 sat 発芽と息継ぎ

4.16 sat 発芽と息継ぎ

 ひまわりの種を土に埋めて、芽が出ることがとても不思議だった。小学生の頃の夏休み。観察日記をつけていたことを突然思い出した。新芽の形が好きだった。赤子の小さな手を握りながら、少し芽のたおやかさを感じた。
 大人になっても私たちは土壌に育てられていて、自分で耕すこともあれば、誰かのそれを耕すこともある。ギブアンドテイクなんだろうか。暮らしに屋根と壁が必要なように、寝る時は布団がほしいように、身を横た

もっとみる
4.12 thu 外気と素足

4.12 thu 外気と素足

 寒い、ではなく、涼しいと感じられる夜。部屋の窓を開けて過ごす。本当の匂いなのかはわからないけど、外気の香りが胸をくすぐるようだ。この匂い、本当に匂っているのかどうか、10年近くずっと疑問である。
 寝巻きを長ズボンから短パンへと替えた。徐々に衣替えが進行している。裸族というわけではないが、できるだけ素足で過ごしたい。裸足にモロ足。その方が風や布の肌触りを感じられるからである。分厚い布団の中で丸出

もっとみる

4.10 sun 川の上に立っている

 とにかくたくさん動いている。意識の置き場が飛石のようにあって、把握できない。どこかに着地したとたん全容は見えなくなるし、俯瞰する位置から一つの石へ飛び降りることにもエネルギーが必要だ。日々の道。その点は繋がっているようでどこか離れている。長い目で見れば自分は一つの川の中にいるけど、息をする肉体からは今自分のいる石しか見えない。次から次へとしゃかりきに飛び回ってぐるぐる回っている。
 そんなことを

もっとみる