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この記事の骨子

リファーラル採用で人脈を活用する
コネ採用には違いないがメリットが大きい
とはいえ負の側面もある
次の記事は「出戻り社員を受け入れるアルムナイ採用」や
「無料で作れる採用ページ」を取り扱います

コネ採用が最強なのかもしれない

コネ(縁故)採用というと、悪いイメージが付きまといます。
たとえば・・・

社長の息子や親せきや知り合いなど、社内の有力者と血縁関係や
親しいつながりがあるというだけで、たいして優秀でもない人が
突然入ってきて、いきなり幹部になって威張り散らす・・・

・・・ここまでひどくはなくても、同族企業が多い日本企業。
似たようなことは多いのではないでしょうか。
私も何度も苦い経験をさせられました。
なので、コネ採用という言葉は大嫌いです。

しかし最近は、名前は違えどコネ採用の手法が注目されています。
そしてこれが、お金がかからず、しかも確実な手法だと考えられ
大企業だけでなく中小企業まで広がってきているようです。

アメリカでは採用の50%を占める「リファーラル採用」とは


ひとつはリファーラル採用です。
社員が自分の知り合いを会社に紹介するというもので、紹介した社員に
報奨金が
支払われる場合が多く、相場は10万円程度でしょう。

この手法には社員への報奨金以外には、ほとんどお金がかからない
ことのほかに、いくつかメリットがあります。

採用する側にとってのメリット

・まったく面識のない人を面接する場合にはわかりにくい、
人となり、経験、スキルなどの本当のところが詳しくわかる
・どんな人が入ってくるかわかるので既存社員も安心できる

入社する側にとってのメリット
・その会社がどんな会社か、事前に詳しく、しかも本当のところを
知ることができる
・知り合いが社員としている会社に入るので安心である

そして最も大きなメリットは、採用後のミスマッチが少なく、
早期離職のリスクを抑えられることです。

せっかく採用できてもすぐに退職に至ってしまうことは、
お互いにとって不幸なことです。
企業にとっては数百万円以上の損害になるうえに、
また採用活動をしなければなりません。
退職した側にとっても、経歴に傷がついてしまいますし、
また仕事を探さなければなりません。

リファーラル採用は、紹介した社員を媒介にして、企業と
求職者が本音のところでお互いの条件のすり合わせを
行うことができるのが、最大のメリットなのでしょう。

負の側面はないのか

もちろんいいことばかりではありません。
いくつかありますが、最も留意すべきことは
リファーラル採用を導入しても、まったく紹介が
出てこない可能性です。

具体的には
「会社が嫌いで不満がある人」
「責めを負わされるのを恐れる人」
が多くいれば、リファーラル採用は機能しません。

どういうことかというと、まず
会社のことが嫌いで不満があって「こんな会社!」と思っていれば、
大事な友人や知り合いを「こんな会社!」には紹介したいとは思わない。

また、失敗等を咎める「減点主義」の風土があれば、自分の紹介で
入社した人が会社になじめなかったり、活躍しなかった場合に
「責めを負わされる」ことを恐れて、紹介なんてしない。

リファーラル採用は、会社が社員にどう思われているかがわかる
「リトマス試験紙」なのです。

もう一つは、採用にかかるお金を削減したいという
思いだけでは成功しない
ということです。

お金がかからない分、紹介をする社員や、紹介されて入社した人の
心の部分に対する配慮は、通常の採用を行う時よりも、はるかに
きめ細かく、時間をかけたものが求められます。

前述したように、紹介する社員にとっても、自分の知り合いを
紹介するにはリスクがあります。そのことにしっかりと寄り添って
「社員なんだから、会社が導入した制度には協力するべきだ」
という考え方に立脚した制度運営は慎まなければなりません。

リファーラル採用はお金はかからないかもしれませんが、
「おいしい料理」と同じで、手間暇をかけて繊細な仕事を
しないとうまくいきません。


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