信じられるように
数年後の自分を予測してみる。
理想に少しでも近づけているだろうか。
それとも現在とは全く異なる真新しい理想がそこには顕れているのだろうか。
もう半袖でも汗が滲む季節。7月が手招きしている。
来月から赤坂のオフィスで新しいメディアを作ることになった。職種を変えるくらいだったら公務員になると心に決めている。メディアに関わり続けることが少なくとも今日の私の生存意義だ。数ヶ月は藤沢の自宅から通うことになりそうだ。まだ余裕もない。
不思議と不安はない。全くと言えば嘘になる。だが極めて低い値を示している。やるべき仕事は山のようにあるのだ。心配している余裕はないはずだ。
村上春樹が語っていた文節を不意に思い出す。
「この世には確実なものなど何一つないのかもれない。しかし我々はそれを信じることができる。」
こんな自分になりたい。こんな人生を歩みたい。理想がある前提の中で100%そこへ向かうルートなどない。それがわかれば人生苦労しないし面白味皆無だ。だが自分の選択を信じて進んでいくことはできる。選択の連続で形成された人間の一生を如何に信じられるか。無垢にそして頑固に、ある時は柔軟に。
今後も山ほど選択を失敗するかもしれない。疑わずに歩めればいいなとぼんやり思う。
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