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「恋人までの距離」

パリへ向かう列車の中で偶然に知り合った男女が、ウィーンで途中下車し、限られた時間の中で忘れられないひとときを過ごす物語。

人の出逢いってこんな風に不思議ですよね。もしあの時、乗り合わせた夫婦が喧嘩を始めなかったら、それによって列車の席を変えなかったら。なにが起こるかわからないものです。

二人のめくるめく会話のやりとりが、素敵な作品で、とりとめながないようで印象的な会話を重ねて、恋に落ちてゆくジェシーとセリーヌ。

なにせプランのない突然のデートですから、思うがままに足を運んでゆくのがこれまた憧れます。
レコード店でレコードを物色してみたり、適当に電車から降りてぶらぶらしたり、眠らずに夜中お散歩してみたり。詩人に詩を書いてもらったり、盗んだワイングラスで芝生の上でワインを飲んだり。

まだ出逢ったばかりで慣れていない頃のセリーヌが、考えながら喋るときに指輪をいじくる仕草が好き。チャーミング。

ラスト、夜の間巡った様々な場所が朝の光の中で映し出される。夢のような夜が終わって、また新たな一日が始まった風景が切なくて、でも素敵な演出。

監督 リチャード・リンクレイター
制作国 アメリカ/オーストリア/スイス
日本公開 1995年

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