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ドローン情報戦


たまには書評を書こう。という事で、昨年読んだ本で面白かった本、「ドローン情報戦」について。

あらすじは、ある日ひょんなことからアメリカ軍の情報部門に所属していた平凡な主人公が、無人航空機の作戦(実行)部門に配属され、イラク戦争と対テロ戦争で無人航空機偵察ドローンを駆使してテロリストや敵対勢力の暗殺・誘拐作戦や、軍事支援任務を行っていく、という感じのもの。

無人航空機自体は、今現在も継戦中であるウクライナ戦争でもよく使われており、ニュースなどで見聞きすることも多いだろう。

作中では、機密保持の観点から登場人物や実際の作戦部門に関して偽名・偽称が使われており、そこが逆にリアルさを感じさせるところでもある。

ドローンを操り、映像を基にして敵を攻撃するかしないかの葛藤。自分の判断で動いた現場が成果を上げた時は安堵し、逆に成果なく帰投してきた時には、ある種の無力感のようなものを主人公は感じてしまう。

イラク戦争とそれに続く対テロ戦争において、無人航空機という新たな兵種は何をもたらしたのか。そして何を変えたのか。一つの側面を見ることが出来るだろう。

読書とは、本を読むことによって作者の書き記した成り行きを追体験出来るものであるが、良い作品とはそれに加えて、まるで自分がその場にいて、まるで自分自身が初めて経験し、選択や行動をしているような気にさえしてくれる。

この本はまさにそういった「良い作品」である。

パラマウントで映画化予定、となっているが追加の情報は見つからなかった。興味があれば調べてほしい。

勿論、時間があってリアリティのある現代戦のある一場面を見たいという人がいたら、是非是非一度読んでみてほしい。

畏怖と敬意の狭間で。


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